Lahat ng Kabanata ng 『息をするように浮気を繰り返す夫を捨てることにしました』─ 醒めない夢 ─: Kabanata 11 - Kabanata 20

53 Kabanata

11 ◇不幸中の幸い?

 結果的に夫の職を失わせることになったが私に後悔はなかった。 若い女の子とずっと関係を持たれたままモヤモヤしながら暮らすよりずっとましだ。 私の知りうる限り、初めての浮気だし異国の地でのこと魔が差したのだと思った。 ううん、魔が差したのだと思いたかった……思い込もうとした。 こんなことをされてもまだ、私は夫のことを嫌いになれなかったから。 弁護士さんから言われたことが耳に残ってる。 「奥さん、相手の女と手を切らせるためとはいえ、今回ご主人の退職が引き換えになってしまい落胆も半端ないかもしれませんが……私はまだまだ良かったと思いますよ、この結果について。 実際会社の要望に従ってさまざまな国に配置させられる商社マンにはこの手のトラブルは世間で知られているよりもずっと多いんですよ。 そしてあちらの若い女性との遊びが遊びで終わらず、悲惨な結末を迎えて人生を某に振った商社マンがごまんといます。 深山さんの場合は奥さんが比較的早期に気付かれて、しかも証拠もぐうの音も出ないほどしっかり押さえられていて解決まで持って行くのが簡単でしたからね。 相手の女に子供でもできてしまってたら、更に混迷を深めてましたでしょうし。 ま、こんな言い方は慰めにもならんでしょうけど、それでもやはり不幸中の幸いでしたね」 その時に聞いたのだけれど、夫の会社に凸《突撃》したのは私だけではなかったようでこれまでに過去3回ほど同じようなことがあったようだ。 最悪だったパターンは、現地の女性《女の子》が本気になってしまい、妻が気付いて弁護士事務所に駆け込んだことで男から別れ話が出ると、その女性が自殺してしまったのだとか。 その時は会社がその男性社員に相当な懲罰を与えたらしい。 懲戒解雇はもちろんのこと、企業イメージを損なわせ損害を蒙らせたので、慰謝料取られた上での首だったそうな。          ◇ ◇ ◇ ◇      反省? 反省という言葉はないのだな? 反省という言葉を持たぬ俺様な夫は言い放つ。*「どうしてこんなことしたの? クビだよ? 俺。 どんな思いで入った会社だと思ってんの。 ただの遊びなんだからさぁ、俺の気持ちが落ち着くまで待ってくれりゃあよかったんだよ。 飽きたら、やめたのに……」 はぁー! 呆れるばかりの言
last updateHuling Na-update : 2026-04-12
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12 ◇夫のハロワ通い

 そういった変化と共に、不貞腐れて積極的に動こうとしてなかった夫がハロワ通いを始め、会社の面接へ行くからと比較的早くに家を出て夕方に帰宅するようになった。 安心したのも束の間、徐々に帰宅時間が遅くなっていき、それと共に出かけて行く時間も遅くなり、午後から出かけて23時24時帰りが当たり前になっていった。 そして私たちの関係はさほど変わらずにいた。 相変わらず必要最低限の会話しかない。 就活ごときで毎晩深夜のご帰還って? 夫に問い詰めても逆ギレするだけでちゃんとした返事をしてくるとも思えず、私は母親に娘を預けてある日、夫の後をつけてみた。 ハロワにちゃんと入って行った夫の姿を見て胸を撫で下ろした。なのに……14:00-新築高層ビルになっている市役所から徒歩2分の   立地にあるハローワークに入る14:20-出てくる14:30-右手に少し歩いたところで信号待ち。   そして車道を渡り少し右方向に向かいカフェに入る この様子を私は夫が出て行った反対側の路上からこっそりと見ていた。『えーっ! もう休憩するんかいっ。 無職なのにカフェ、無職なのに』 たった20分のハロワ滞在の上に面接もこなしていない。 ついさっき安堵した私の胸に漣《さざなみ》がたった。   ここは一服したいなら、せいぜいが自販機の缶コーヒーだろう、そう思ったから。 無収入で就活している人間でしょ? 妻も子もいる身でどうしてそんなことができるのか。 私はカフェには入らず店の外で待つことにした。 ガラス戸で中と外のオープンスペースとが合体されている店舗は、車道沿いにあり、その上人通りが少ないので助かった。  直接店舗の前ではなく、オープンスペースのある少し店内からは離れた場所から夫の様子を伺った。 上手い具合に夫の座った席は私からよく見える。 不自然にならないよう店舗のオープンスペース側の前を行ったり来たりしながらcheckした。 そんな私の目の前に、明らかに日本人には見えない若くて綺麗な女性《おんな》が店に現れた。「えっ? 」 胸の中に不安がブァ~っと広がっていった。 私の不安はすぐに現実のものとなった。 夫を見つけた女性《おんな》は、夫と同じ席に迷いなく座った。 すぐにふたりは顔を近づけて恋人のように手を握り合い、イチャ
last updateHuling Na-update : 2026-04-13
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13 ◇三行半

 どうすればいい?  どうすれば……。 ここ最近の夫の行動から、毎日このパターンで 女性《おんな》と会っていたと判断できる。  私は即日前回お世話になった興信所に短期決戦で仕事を依頼した。 そしてまたもやグーの音も出ない証拠を持って義両親を訪ねた。  後日、康文は両親に呼び出され厳しく叱責された。           ◇ ◇ ◇ ◇ 「今日どうしてわざわざここへ呼ばれたのか分かってるのか?」 「なんか喧嘩腰で険悪だなぁ~。  真面目に就活してるし、俺、親父に何かしたっけ? 」  「真面目に就活してるだと?  私たちを舐めるのも大概にしなさい。 お前が例の赴任先の彼女を日本に呼び寄せて会ってることは バレてるんだ。 つい先だっての不祥事なのに全く反省してないようだな。 後先考えず女と現《うつつ》を抜かし、あげく会社もクビになって 情けないお前と別れず、やり直してくれた果歩さんに対して申し訳ない 気持ちはないのか?  ないのだろうな。 あったら無職で収入もないのにこんな理不尽なことできるはずないもんなぁ」 康文の父親は興信所からあがってきた証拠となる拡大写真を 何枚も息子の前にパラりパラりとばら撒いた。  流石にそれらを見せられ、康文はひと言の言い訳もできず 無言のまま俯くしかなかった。 「一度のことなら……と、私はお前を信じたいと思っていた。 母さんも果歩さんもきっと同じ気持ちだったんだろうと思う。 だが短期間でこういうことが平気でできてしまうお前を見ていると それが大きな間違いだったと気付いたよ。 悲しいことだがお前は信じるに足らない人間のようだ」 そう話す父、正一の目には涙が薄っすらと滲んでいた。  人生伊達に長年過ごしてきたわけじゃない。 息子のような約束ごとを守れず女にだらしない輩も ちらほら見てきている。 悲しいかな、そういう輩はご多分に漏れず人を騙すことを 何とも思わない。 こと女性関係に至っては、ヤル奴は何度でも過ちを繰り返すと 経験上分かり過ぎるほど分かっていた。  残念ながら我が息子はこの先もチャンスがあれば何度でも浮気を繰り返し 妻子を困らせ悲しませるだろうことも……。   だから深山正一は息子に三行半を突きつけることにした。 
last updateHuling Na-update : 2026-04-14
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14 ◇深山家の財産

「私の目の黒いうちに少しずつ財産は果歩さんと孫娘に譲渡するよ。  果歩さんとは養子縁組もする。 私の死後お前には慰留分がいくだろうが、なるべく小さな額になるよう 弁護士に相談するつもりだから、そのつもりでいろ。 外国から女を呼び寄せたりして、どれだけ金を注ぎ込んでるのか知らんが、 私の金がそんなことに使われるのは心外だからね、アテにしないでくれ。 収入も無いのに馬鹿なことばかりしてると、不安定で不幸な老後 まっしぐらだぞ。 よく考えて行動しろ、いいな!  私は仮に果歩さんとお前が離婚して他人になっても養子縁組した 果歩さんのことは娘としてこの先も接するつもりだ。 また将来果歩さんが誰かと再婚したとしてもな、娘として 先方へ嫁がせるつもりでいる。 それくらいの覚悟で果歩さんとは親子になるつもりでいるから…… 心しておいてくれ」 「息子の俺は切るってことなのか?  浮気くらいで?  彼女はたまたま旅行でこっちへ来てるだけで……その……別に」 「問答無用!  全てバレてる。  見苦しい言い訳は止めなさい! 経済的に苦しくて惨めな老後が嫌なら、果歩さんと碧《あお》を 大事にして浮気心はこの先封印し、真面目に働けばいいだけのこと。 お前に足りないのは倫理観と想像力だ。 果歩さんから離婚を言い出されないのをいいことに浮かれて好き勝手して いるようだが、果歩さんはたまたま今育休中で休んでるが国家資格を持つ 女性なんだ。 経済的には自立できるのだから、いつ逃げられてもしようがないという 認識がお前には不足しているんじゃないのか? 人を苦しめたら己には倍返ってくる、それを忘れるな! 今後私からお前に何かを忠告したり怒ったりすることはない。 私はわたしのやるべきことを粛々とやるのみだ。  母さんにも私の遣り方に賛同してもらっている。 最後にひとつだけ……。 果歩さんを何度も傷つけ苦しめている限り、この先のお前の人生は 終わりだよ」 俺は親父に一方的に押されまくりで反論することも叶わず、 茶の一杯も出されず実家を後にしたのだった。
last updateHuling Na-update : 2026-04-15
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15 ◇怒る夫

 果歩が親父やお袋に泣きついたのは明白だ。  んで、また興信所に俺の行動をつけさせたんだな。 果歩が憎らしくて仕方なかった。 柔らかでプヨプヨしていてしなやかで、男を惹き付けてやまない美しい 肢体を俺から引き離そうとする妻のことがホントに憎かった。  しかも俺の財産まで乗っ取るのかと思うと、腸煮え繰り返る思いがした。  家に帰ると、俺が親父にこってり絞られたであろうことを知った上で 待っていた妻が『お帰りなさい』と俺の帰宅を労った。  気が付くと俺は果歩に向かっていき、髪の毛の中に手を突っ込み そのまま頭を揺らしながら怒鳴った。  「お前、何様のつもりだ!  えっ!」          ◇ ◇ ◇ ◇  怖かった。  こんなブチ切れた夫の姿は初めてだったから。  このまま殴られたり蹴られたり、もっと酷いことをされるのだろうかと 身構えていたら、あっけなく手を離して夫は奥の部屋へ行ってしまった。  後日、義父と義母に養子縁組のことや財産の生前贈与のこと等を 聞かされた。  そして夫があの日どんなことを聞かされていたのかも知らされた。  義両親はそれはそれは孫娘である碧のことを溺愛していたので すごく先のことまで案じてくれていた。  夫とこんなことになって先の見えない状態だけど、義両親とは ずっと仲良くしていこうと決めた。           ◇ ◇ ◇ ◇ 今の俺の立ち位置……  謂《い》わば、俺は親父から勘当されたようなものだ。  くそっ。 果歩は俺を責めるような素振りはするものの、ひたすら耐えてるだけ。  もしかして……  俺ってもう怖いものなし? 無職じゃあ訴える先もないのだし、好き放題ってこと?  笑いが止まらないな。  このまま離婚さえしなければ相続が例え果歩だろうと俺だろうと同じだろ?  俺は夫なんだから金には困らないってこと。一時《いっとき》とはいえ、絶望の淵にいたはずの俺なのに…… 気付いた今の状況に笑いを止められなかった。 高を括っていた俺は女と会うのを止めなかった。  そんな俺は馬鹿だった。  小学生でも分かることを頭の中がお花畑で分かってなかった。    親父からの贈与分の通帳とカードはまだ親父が持っていて── 俺も、そしていうなら果歩も、親父を通さないと実際
last updateHuling Na-update : 2026-04-16
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16 ◇あいつはもう駄目かもしれん

 相続のお話のあった日、お義父さんがおっしゃった。「あいつはもう駄目かもしれん! 」 『駄目かもしれん』という言葉は、そのあと度あるごとに思い出してしまう。 悲しいほど、この言葉が胸に染みる。 たぶん、私も心のどこかでそう思っているからかもしれない。 お金の切れ目が縁の切れ目……じゃないけれど お金が底をついてやっと夫は女と切れたようだ。 夫の新しい就職先が決まった。 お給料は以前の半分にも満たないけれど、収入があるってだけで安心感が半端無い。 決まった収入があるのはすごく有難くもある。 私も早期復職を考えている。 2人の収入を合わせれば何とかなるはず。 早く元の穏やかな暮らしに戻りたい。 なのに……勤め始めて半月過ぎた頃から夫の不平不満が徐々に増えていった。 帰宅して食事中の会話といえば、同僚や会社への不満ばかり。 給料は前の会社より半分以下なのに仕事の量は逆に増え、同僚や上司の資質はレベルが低く低脳ばかりと、悪口三昧。 そんな夫の罵詈雑言を聞きながら私は心の中で呟いた。 仕事もそっちのけで浮気に夢中になり、家族や会社に迷惑をかけ5年も勤めずクビの人間のどの口が……と思ってしまうのは意地が悪い? そんな夫の発言に危機感を抱いていたのだが、とうとう3ヶ月目に帰宅するなり私にこう言った。「今日上司と揉めて会社辞めてきたから」『はぁ~ぁ?』 「えっ? ほんとに? そんな引継ぎもなしに辞められるの?」「喧嘩したんだからいいんだよ。 誰が引継ぎなんかするかよ! 困ればいいんだよ」「どうするの?  これから」「あぁ、それは大丈夫。 前々から考えてたことがあるから。 心配しなくていいよ」 心配しなくていい? 当たり前に心配するよ、心配しますって。 やっと雇ってくれた会社を喧嘩して辞めるってどうなの? 次の会社を決める時に不利なんじゃないの? 次のことを考えてるって言ったけどほんとに? 気が付くと不安とイライラとで大きなため息を5回もついてた。  次から次へとストレスフルな原因を作ってくれる夫に呆れるしかない。 そんな中、1週間後夫から次の仕事の話を聞かされて私は益々ストレスフルになってしまった。 夫からの話しというのは──脱サラした遠い親戚筋で知人のような位置づけの人物のサクセスス
last updateHuling Na-update : 2026-04-17
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17 ◇楽観視していいの?

  話を聞いてて思ったんたけど、どうなんだろう?  大資本を元手に経営方針を打ち立て、サービスの内容や外観などに統一性 を持たせて多数の店舗の運営や管理を行うと言われているコンビニエンスス トアチェーンのコンビニオーナーというのは、個人事業主(経営者)と同じ ではあるが、……とはいうものの、所謂普通の自営業というのとは少し違う ように思えてならない。経営が上手くいかなくなった時、チェーン店だからといって助けてくれる 保証はどうやらなさそうで、オーナーの自己責任ということで負債を抱えた時 には破産する可能性が高そうにみえる。違いと言えば──良い点がひとつある。 大手の看板を使えて集客力が強い点。だけど、あとはどうだろう。 収益に関しては、利益の一部をロイヤリティとして本部へ渡さなければ ならないし、仕入れも自由にできず、契約期間というものがあるらしく 中途解約をすれば違約金が発生するらしい。確かに集客力は大きな魅力のひとつではあるけれど、私にはあまり魅力の ある仕事には思えない。           ◇ ◇ ◇ ◇  自営業のことを調べようとして、何気に起業家ってどうなのだろうって 閃いてしまった。    なんか、雰囲気からして自営業と近くない? まぁ起業家の場合、将来性を高く評価してくれる人がいると、スポンサー とかになってくれるから少し違うかもしれないけど……。 起業して過半の資本を出資すればオーナー(株主)と呼ばれる立場になり、 経営は任せたい人がいれば取り締まり役になってもらえばいいらしい。     Googleで検索してみた。-------------------------------------------------------------------- ・起業してオーナー  株主が取締役(登記します)を選び、一般的には取締役の内 誰かが代表取締役となり社長を兼務して経営の指揮を執ります。 従って、経営を任せたい人に取締役になってもらい、社長職も ゆだねればよいだけです。 その時にあなたも傍で見張っていたければ、一緒に代表取締役になって 会長職を名乗って、実質的な経営は社長に任せておけば良い、ということ です。 -------------------------------
last updateHuling Na-update : 2026-04-18
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18 ◇フランチャイズで出店

 だから大沢さんって人が成功を収めた話の中で、彼が成功した鍵を捜そうと、気になるところを夫に質問することにした。 頭に浮かぶ限りの質問を夫にしたあと、いろいろネットで調べながら別の質問を夫にしてみた。「フランチャイズで出店するのに2通りの選択肢があるみたいだけどお金のない私たちはどちらの方法も無理があるんじゃないの? 200万円~400万円くらいは必要らしいよ?」「すぐに返済できるようになるから果歩に貸してもらいたい」「無理よ、これからの生活のこともあるし。 どっちにしても私だって100万円も持ってない。 復職するまでお給料だって1円も出ないし」「親父からいくらか入ってるんだろ? すぐに返せるからそこから貸してくれればいいじゃないか」「お義父さんからいただいたお金は碧に残すためのものなの。 だから、使うならお義父さんに相談しなきゃ」「すぐに返すって言ってるじゃないか! 親父に相談って…… 夫のために出す金がそんなにおしいのか? ガッカリな女だな」 ガッカリな女という言葉は、私の胸にズンと刺さるものがあった。 あんたのどの口が言うのって。 ガッカリなことをしてきた本人がよく言うわよ、全く。 そんな風に心の内で思ったけれど、私は言いたい言葉を呑み込んだ。 しかし、困った。 夫の言動から察するに私が反対したくらいじゃぁ引きそうにない。 妻とはいえども、人のお金で……所謂人のフンドシで相撲とる気満々。 夫は私が現在いくら贈与してもらっているか金額までは知らない。 知れば、この先負債が増えるようなことが起きればその度、とことんたかってくると思われる。 悲しいけど、今回の言動で分かってしまった。 たかり体質がね。 元々自分の親から出てるっていうのもあるんだとは思うけれど。 夫婦のことなのに私が冷たすぎるのだろうか! う~ん、悩ましい。  成功する見込みが8割、ううん7割でもあったら私だって反対ばかりしないで協力できるかもしれないけれど、成功した大沢さんとじゃまず環境や条件が違い過ぎるんじゃないかな。 大沢さんには土地を購入して構える店舗の立地を、自分で整えられるっていう条件が整っていた。 それだけの貯蓄があったからできたこと。 夫に貯蓄はほぼない。 だって、ついこの間まで女子の尻を追いかけ回し
last updateHuling Na-update : 2026-04-19
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19 ◇コンビニオーナーになるのは難しい

 大沢氏にはもうひとつ強みがあった。 奥さん、ご両親、実妹に弟そして本人とじつに6人の人手が身内で成立 していたのだ。  比べて我が家は?  夫ひとりだ。  義両親は? 自分たちの安定した生活があって、多くの財産も所有しているアラフィフ とアラ還のおふたりが、とても今更接客業や力仕事をするとは思えないの よね。 例えそれが息子のためであろうと。 それに夫のほうでも煙たい義父親に手伝ってほしいと お願いするとも思えない。  夫と義両親との間にはとても家族経営をしていくような雰囲気が、どう 考えてみても……ない。Nothingだ。 私はというと乳飲み子を抱えてるし、いずれ自分の職場に復帰する身。 ……とすると、誰か人手を確保しないといけなくなるのは自明の理だ。 経営を考える時、人件費が最大のネック&リスクと言っても 過言ではないような気がする。 もうこの時点で成功した大沢さんとは大きく違っているのだ。  持てる資本の投入と持てる人材の確保があっての船出の大沢氏。  初期費用を人の懐を当てにして、その上人材はゼロの夫。     夫は知らないと思うが、この人材がその辺の他人と身内とでは 大きく違ってくる。 大学時代にコンビニでバイトしていた男友だちがいて、その時は全く人事 で『へぇ~、なんか恐ろしい職場なんだぁ~』なんて流して聞いてたけど、今回 夫がコンビニ経営に乗り出すとなって改めて心配せずにはいられない。  昨今は、とにかく人手がなくてバイト学生が店のレジのお金をちょろまか したり品物を盗ったりしているのをオーナーが防犯カメラを調べて分かって いてもクビにできないなんていう信じられないような時代に突入しているのだ。 知っていて見て見ぬ振り……そんな暴挙がまかり通るなんてここは ホントに日本ですか? と聞きたくなるような話である。 すくなくとも、常時身内がひとりはいるなら、リスクは 大きく回避されるのではないだろうか。 こういったリスクを頭が沸騰している今の夫に言っても無駄だろう。  なんだかんだと自分の計画に反対するための言い草だと 逆ギレされるのがオチだと思う。
last updateHuling Na-update : 2026-04-20
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20 ◇妻の懐を当てにする夫

 万が一? ううん十中八九夫の事業が失敗した時、私の収入が、私たちの生活を支えてくれるであろうことは想像に難くない。 なので、この先夫が人手のことで私に矛先を向けてくる日があろうとも、仕事を辞めることは……絶対しない。 このことだけは、絶対に譲ってはいけないと肝に銘じている。 浮気に走るわ、仕事は勝手に辞めるわ、新しい事業をするのに自分のお金もないのに妻に相談もしないわ、自分の意見を無理やり押し通そうとするわ──とまぁいろいろと問題のあるこんな夫《おとこ》信じられる?NO~……ノーよ。 信じて何でもはいはい、言うこと聞いてたらきっと先でえらい目に合わされそうな悪寒……じゃなかった、予感がする。 ホントに世間知らずの夫はどこまで迷走するのやら。 いつが来たら平穏な日々が戻って来るのかと、悶々と日々を過ごすばかりだ。 こんな一大事、もし失敗して破産でもしようものなら首が回らなくなり、結局はお義父さんたちに尻拭いして貰う羽目になるのは目に見えている。 だから『義両親に相談してからにしましょう』と夫に言った。 最初は自分の仕事なんだから親に相談するっておかしいだろとかなんとか言い、行き渋っていた。 だけど、自分は1円も持っておらず、お金の問題が進まないと知ると義実家へ足を向けた。 相談には夫一人が行った。 夜家に帰ってきた夫の顔は暗かった。 義父や義母から反対されたんだと思う。 だって、誰が考えても……。 「果歩が行け行け言うから行って来たけど行かなきゃ良かった。 猛反対されたよ、父親にも母親にもね。 散々だった。 浮気して一流企業捨てるようなことして、次は我慢が足りなくて折角拾ってくれた会社を喧嘩して辞めて……んで次はなんだぁ、資金もないのにオーナーって?世間舐めてんのかってさ」「じゃあ、お金はお義父さんを頼れないよね」「いくら持ってんの?」「いくらって? ……」「親父から譲渡されてる金のことだよ」「200万円」「もっと貰ってるんだと思ったけどな……」「一度だといろいろややこしいから、これから少しずつくださるって。 だから今は200万円しかないの」「次はいつ、幾らくれんの?」「そんなの取り決めしてないから分からないわ」「じゃいいよ、取り敢えずその200万貸して」「やっぱり、コンビニ…
last updateHuling Na-update : 2026-04-21
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