「んで? な〜んで俺はクリスマスに野郎と2人で、映画を見に行かなきゃならんのだね?」 「簡単に言うと、音葉《おとは》と風実歌《ふみか》に家から追い出された」 「お前すごいな。今の発言からツッコミどころが満載だぞ」 「いや、マジでそれな」 自分で言っていて、俺は何言ってんだろうな? って思うもん。 「まぁ、とりあえず遠慮せずにツッコんでこいよ」 「んじゃ遠慮なく。何で風実歌ちゃんが居んの?」 「クソ親父達と揉めて家出して来た」 「なるほどな。んじゃこれ以上は聞かないわ」 「話が早くて助かるよ」 龍はうちの事情を把握してくれている。そして、俺が踏み込んで来てほしくないってのを理解してるから追求して来ることはない。我ながら本当に良い友人を持ったね。 「なら次な。東城さんは何で仲間はずれにされてんの?」 「あーそれはだな……」 音葉達のバンド、AGEは3日後に今年最後のライブをすることになっている。んで、メンバーの佐々木さんと松田さんは、今日はその準備をするとかで色々と動いているらしい。だけど、音葉は何もしていない。 「音葉が言うには、手伝うと余計に仕事が増えて邪魔になるんだってさ。だから、2人に来るなって言われんだと」 「なるほどな」 「随分とあっさり納得したな」 「まぁ、東城さんを見てると何となくな」 おぉ、ダメ人間オーラが隠せてない。音葉さん流石っす! 「そんで最後に、何でまたその2人に追い出されたんだ?」 「ほら、俺って今日誕生日じゃん?」 「あーそういえばそうだったな。おめでとさん」 「おう。んで、何でもサプライズでお祝いしたいから、夕方まで出ていけって言われた」 「ほう。事前申告制のサプライズか。斬新だな」 「だろ? だから、帰ったら驚かないといけなんだよ」 「そりゃ大変だ」 そうなんだよなぁ。めっちゃ大変なんだよ。 帰った瞬間にどれだけ上手く驚けるかで、お祝いのレベルが変わってくるからな。だから可能な限り、上手く驚かなくちゃならん。 「まぁそんな訳で、夕方までちょっとつきあってくれ」 「分かったよ。どうせ俺も、夕方まで暇だしな」 「夕方からは松田さんとデートか?」 「あぁ、クリスマスだからな」 そうなんだよなぁ。今日は俺の誕生日であ
Last Updated : 2026-04-02 Read more