「さて……被告人、東城音葉《とうじょう おとは》に判決を言い渡します」 「はい……」 「被告人、東城音葉を死刑にしま〜す!」 「いやぁー! 死にたくないよぉー!」 「騒ぐな! お前のやった罪は重いんだ!」 「それでも死にたくない! 弁護士、何とかしてよ!」 「ごめんよ。音葉ちゃん。俺にはもうどうしよも出来ないよ。それに……親友のアラタを手にかけた君を弁護なんて俺には出来ない……」 「そ、そんなぁ……あれは事故だったんだよ」 「うぅ……アラタ……お前の無念は俺が晴らしたぜ……」 「いや、勝手に殺すなよ。てか、いつまで続けるんだよこの茶番……」 この実にくだらない茶番は、かれこれ2時間ほど続いている。ついで言うと、今の判決でちょうど20回目だ。 そもそもの話、なんでこんな茶番が繰り広げられることになったかと言うと、俺が怪我したからだ。左手の骨折という、まぁまぁの重症だ。言うまでもなく怪我させたのは音葉だ。 と言ってもまぁ、あれは事故みたいなもんだから全然怒ってない。 今日は、音葉達のホームであるライブハウスで餅つき大会が開催された。俺と龍は、音葉達の友達ってことで招待されたから参加することになった。 んで、音葉が餅をついて俺が返し手をやってたんだけど、まぁ……そん時に手をぶっ叩かれたってわけだ。 不幸中の幸いってことではないけど、骨折したのが利き手じゃなかったことだな。あの時、右手が疲れてきたから左手で返してたんだよな。 ほんとに利き手じゃなくてよかったわ。 「これはお前のためにやってるんだぜ」 「そうだよ。骨折したアラタ君の気を少しでも紛らわすためにやってるんだよ」 「あーうん。その気持ちは嬉しいよ。ただいい加減飽きたわ」 「なんだよ。せっかく面白くなってきたのによ〜」 「ねぇ〜」 「結局お前らが楽しみたいだけだろ……」 「「まぁそうとも言う」」 こ、こいつらぁ……仕舞いにはシバキ倒すぞ。と言ってもまぁ骨が治ったらだけどな……。 「はいはい。2人ともその辺にしときなさい。ほら、早くテーブルの上を片付けて」 「お? やっと出来たんだね」 「そうそう。出来たの。だから早く片付けて」 「はーい」 「あ、アラタ君は座っててね」 「うん。そうさせてもらうよ。
Last Updated : 2026-04-02 Read more