Alle Kapitel von 俺とバンド女子のダメ人間契約: Kapitel 1 – Kapitel 10

47 Kapitel

1話 ダメ人間契約

「いって……」 内側からガンガンと叩かれるような、強烈な頭痛で目が覚める。 「あぁ……くっそ頭いてぇ……そんでもって、めちゃくちゃ気持ち悪いし……」 こりゃあれだ。何度か経験したことのある、二日酔いってやつだな。 「てか……ここどこだ?」 だるい体を無理矢理起こして、辺りを見回して見るが、俺の部屋じゃないってことは分かる。 でっかいベットに、整った内装、どっかのホテルか? でも、何でホテルにいるんだ? 「うぅ……寒い……」 「ん?」 隣から声が聞こえたから見てみると、見知らぬ女の子が寝ていた。しかも裸でだ。 「布団かけ直して……」 「あ、あぁ……」 俺は言われた通りに、布団をかけ直してやる。 まぁ確かに、いくら7月とはいえ朝方に裸だったら多少肌寒いもんな。しかも、部屋は冷房がオンになってるしな。 「……ん?」 いや、ちょっと待てよ。 そもそも何で、裸の女の子が俺の隣で寝ているんだ? 自慢じゃないけど、俺は女の子と裸の関係をするような、イケイケボーイじゃないぞ。何だったら、大学の入学式にインフルエンザになって、友達作りに失敗して今日までの1年半くらい友人が1人くらいしか居ない、寂しいやつだったはずだ。当然、その友人も男だ。だから、女の子との接点なんて存在しない。 あぁなるほど。これは夢か幻のどちらかだな。 きっと、二日酔いだから、頭の中がお花畑で最高にハッピーな状態なんだよ。 うん。そうに違いない。 そう思いつつも、もう一度布団をめくって見る。勘違いしないでほしいが、これは一応の確認だ。早いとこ、このポンコツ頭に現実を分からせてやるための必要な確認だ。 「あ、あれ……? やっぱりいるな……」 ってことは、これは現実なのか? リアルでエアリアル? っと……違う違う。エアリアルはガン○ムしたね。テヘペリンコ。 「うぅん……だから寒いってば……」 「あ、ごめん」 おっとと、いけないいけない。寒いから布団をかけ直したのに、めくったらダメじゃん。 失礼しました。今かけ直しまーす。 「……って! 違うわー!」 「うわっひゃー!」 「お前誰だよー!」 俺は全力で、布団をしっぺがしながら叫んだ。 あっぶねぇ、受け止めきれない現実から逃げるところだった。
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2話 ライブ

「よっ、随分と遅い登校だな。アラタ」 「色々あったんだよ」 「ほう、そいつは興味深いな。話してみろよ。親友である、吉田龍《よしだ りゅう》によ」 「何故にフルネーム?」 「その方がかっこいいだろ」 「そうか?」 教室に入ると、大学で唯一の友達である龍が話しかけて来た。 龍は茶髪の爽やか系イケメンだ。愛想もよくてノリもいいから、大学ではかなりモテている。 「んで? 何があったんだよ? アラタが授業サボるなんて初めてだろ」 「あー……話すと長くなるんだよなぁ」 「もしかして、昨日の飲み会の後、東城さんと何かあったのか?」 「まぁそんなところだ」 「へぇ、あんなにベロベロに酔ってたのに何があったんだよ?」 「授業終わったら話すよ。俺もお前に色々と聞きたいことがあるし」 「そか」 そこまで言うと、ちょうどいいタイミングでチャイムがなる。 とりあえず今は授業に集中しよう。学生の本分は勉強だしな。 ―――― ―― 授業が終わり、俺と龍は大学近くの喫茶店に来ていた。今日とっている授業は、さっきので終わりだからこの後は2人共フリーだ。 「んじゃ、早速聞かせてもらおうか」 「あぁ……実はな……」 俺は東城とあったことをこと細かく話した。こんなことを気軽に人に話すべきじゃないことは分かってるんだけど、ぶっちゃけ頭の中で整理が出来てないし、気持ちがテンパっているから、誰かに聞いてもらいたかった。 「マジで?」 「マジなんだよなぁ……」 俺の話を聞き終わった龍は、顔を引き攣らせながら言った。 うん、まぁそうなるよな。 「東城さんマジでやべぇな」 「あぁ、超やべぇ」 「その契約、断ることは出来なかったのか?」 「断れたら、こんな状態になってないよ」 「でもさ、東城さんの言ってること無茶苦茶だぜ? ちゃんと話せば、何とかなっただろ」 「まぁ、確かに何とかなったかもな。でも、話が大きくなったらまずい」 「あぁ……なるほど。確かに下手したら、アラタの実家に話が行っちまう可能性があるな」 「そういうことだ」 俺が地元を離れて、東京で一人暮らしをしていられるのは、実はかなり奇跡に近い。高校の時に親父を説得するのに随分と苦労したんだよな。 因みに龍は、ガキの時
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3話 同棲の始まりと餌付け

「いやぁ、怒られたねぇ」 「あぁ……佐々木さんめっちゃ怖かった……」 あの後、佐々木さんに全てを話した結果、2人揃って怒られた。あまりにも怖すぎて、もう少しで泣いちゃうところだったぜ。 まぁ、怒られた原因の大半が、ダメ人間契約だったのは言うまでもない。佐々木さんは大反対だし、松田さんは結構ガチめのドン引きだった。 佐々木さんが東城に色々とやめろと説得していたから、多分この契約は無くなるんだろうなって思いながら、ボケっとしていたら気が付いた時には、東城は佐々木さん達を言いくるめていた。いやはや……本当に恐ろしい子だよ。 まぁそんな訳で、俺と東城のダメ人間契約は予定通り決行となった。 「それにしても、東城の家が近所だったなんてな」 「うん。それについては、私もビックリしたよ」 同棲のスタートが今日からとの事で、とりあえず必要な物だけを取りに、東城の家に行ったんだけど、まさか歩いて数分のバリバリ近所だとは思わなかった。 世間は狭いって言うけど、あれは結構マジなんだな。 「てかさ、家に物無さすぎじゃね?」 「まぁ、元々物がないってのもあったけど、必要ないのは、朝のうちに全部捨てたからね」 「行動力が凄まじいな」 「にひひっ、それが私のいいところだからね」 「なるほどね」 ま、こんくらいの行動力がなかったら、ダメ人間契約なんて言ってこないか。 「着いたぞ。ここが俺ん家」 「そして、私の家になるところね」 「そうだな。ほれ、入ってくれ」 「うん。えっと、ただいまかな?」 「ん。おかえり」 ただいま、か…… 何か少し変な感じだな。 まぁ、それも直ぐに慣れるか。なんせ、最低でも2年は一緒に暮らすことになるんだからな。 「おぉ……思ってたより広いんだね」 「まぁな」 なんて言ったって2LDKだ。 どう考えても、2人で暮らすには広すぎるくらいだ。 「あ、そこの部屋は空いてるから、今日から東城の好きに使ってくれ」 「分かった」 ようやく、この部屋を有効活用出来たな。ここに来てから、1回も使ってなかったんだよな。 「こりゃ、結構家賃が高そうだね」 「いや、家賃の心配はしなくてもいいよ」 「それはダメだよ。そういう契約でしょ」 「あー違う違う。家賃は親持ち
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4話 1日目の終わりと2日目始まり

よし、これで準備オッケーだな。 夕飯を食い終わり、洗い物を済ませる。ご飯も明日の朝6時半に炊きあがるようにした。 これで、今日やることは一通り終わりだな。 後は、風呂に入って寝るだけなんだけど、未だに東城が上がって来ないんだよなぁ。 かれこれ30分以上は経っているぞ。女子は、買い物と風呂が長いって言うけど、いくらなんでも長すぎないか? 「桜木君〜上がったよ〜」 っと、噂をすればだ。 「随分長かったね――って!? なんだその格好!?」 「ん?」 いやいや、東城さん! ん? じゃないからね! 何でTシャツ1枚なの! 幸いと言うべきなのか分からないど、Tシャツの丈が長いおかげで、上手い具合に下の方まで隠れている。ただ、かなり際どいラインだ。下手したら見えてしまうぞ。 「あーこれ? 私のお気に入りのTシャツなんだ。このでっかく書かれた、惰眠って文字が最高。センスあると思わない?」 「そんなこと聞いてないわ!」 まぁ確かに、センスはあるけどね。店に売ってたら、俺も買っちゃうと思う。 「いやいや、じゃなくて! 俺が聞きたいのは、何でTシャツ1枚なのかってことだよ!」 「そんなの楽だからに決まってるじゃん。あ、それに下はちゃんと履いてるよ」 それならよかった。ん? 良かったのか? いや、これでいいんだよ。何も履かれてなかったら、マジでやばいから。 「にひひっ、期待しちゃった?」 「してないよ!」 「そっかそっか〜」 あぁ……本当にもう。だから、無防備過ぎなんだってば。一応、俺男なんだぜ? その辺分かってますかね、東城さん? 「てか、ちゃんと髪拭かないとダメだろ」 「えぇ〜、いいよ自然乾燥で」 「いやいや、それでも最低限は拭こうね。水が滴り落ちてるから……」 しかも、そのままソファーに寝っ転がらないでもらえますか。余裕でビジョビジョになってるからね。あーあ……床も濡れてるよ。 「だって、めんどくさいじゃん」 「女の子がそれ言っちゃうのか?」 「女の子でもめんどくさいものは、めんどくさいの。そんなに言うんだったら、桜木君が拭いてよ」 「はぁ……分かったよ。ちょっと待ってて」 「はーい」 俺は洗面所に、ドライヤーとタオルを取りに行くと、信じられない光景が広がって
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5話 東城音葉の弱点

「あの〜東城さん?」 「なんだね、桜木君?」 「何故にネカフェなんすかね?」 「そりゃ、ここが最高のスポットだからですよ」 最高のスポット……ねぇ…… うん、まぁ分からんでもないよ。ネット使い放題、ドリンクにアイス食べ放題、漫画読み放題だしね。そんでもって、料金はお財布に優しいプライスレスだもんね。 でもさぁ、デートでここをチョイスするってどうなのよ? 俺、結構ウキウキワクワクで東城に着いて行ったんだよ。なのにネカフェって……。 「むぅ……何か不満そうだね」 「めっちゃ不満だよ」 「でも、桜木君1人じゃ絶対に入れない、カップルシートだよ?」 「まぁ、そこだけは満足してる」 そう。俺達は今カップルシートに居た。正直、俺の人生では無縁だと思っていたから、そこそこテンション上がっている。 「じゃあ聞くけど、桜木君はどこだったら満足したのさ?」 「そりゃ、いい感じのカフェとかお洒落な雑貨屋だよ」 「今どき、デートでそんなとこ行かないよ。夢見過ぎ」 えぇ……そんなこと無いと思うんだけどなぁ。 「あ、コーラ取って」 「はいはい」 「ありがと。ん〜、やっぱコーラ最高!」 「その気持ちは、すげぇ分かるけど、ちょいと行儀が悪くないか?」 東城は、俺の膝に頭を乗せて寝っ転がっている。膝枕というやつだ。 んで、そのままの体制で、コップに入ったコーラをストローで飲んでいる状態だ。 「もぅ……口うるさいお母さんじゃないんだから、そんなこと言わないでよ」 「なら、言わせない行動をとってくれ」 「ん〜それは無理かなぁ。だって私、ダメ人間だし」 「あぁそう……」 ダメ人間契約を結んでいるから、それを言われると何も反論出来ないな。 「そういえば、さっきから何読んでいるの?」 「キ〇肉マン」 「あぁそれ面白いよね。私も好き」 「マジか」 この漫画を女子で好きだって言う人、初めて見たな。 「因みに桜木君が好きな超人は?」 「断然、ラー〇ンマンだな」 「おぉ、いいとこチョイスするね」 「何だかんだで、1番強いと思ってる」 「確かに、いつも大事なところで勝ってくれるからねぇ」 「そうなんだよ」 中学生の頃、よくラー〇ンマンの真似をして、友達にキャメルクラッ
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6話 夏祭り

キーンコーンカーン…… 「んっんー! ようやく終わったな」 「あぁ」 今日最後の講義が終わった。 はぁ疲れた……やっぱ、90分って長いわ。 「しかし、夏休みだってのに何で講義があるのかねぇ」 「知らね」 「でもまぁ、夏休み中の講義はこれで最後だ。残りの2週間はゆっくりさせてもらおうぜ」 「だなぁ」 と言っても、課題で出されたレポートがあるんだけどね。あれがなかなか大変だ。 「アラタはこの後すぐに帰るのか?」 「そのつもりだよ。家に居るダメ人間の世話をしなくちゃいけないからね」 「なるほどね」 東城のやつ、ちゃんと昼飯食ったかな? 一応、冷蔵庫に作り置きを入れて置いたけど。 てか、そもそも起きているかすら怪しいな。 「順調そうなの?」 「まぁ、それなりだよ」 東城と同棲を初めて、数週間ほど経った。それで分かったことは、東城はとにかくだらしないってことだ。 ゴミは片付けない、服は脱ぎっぱなし、朝は全く起きないで昼まで寝ている。数えればキリがない。 「龍もすぐに帰るのか?」 「いや、俺はこの後デート」 「松田さんと?」 「そう。夏祭りに行きたいんだと」 あぁ、そういや今日は夏祭りか。道理で駅前が混雑してたのか。 「アラタは東城さんと行かないのか?」 「今のところ行く予定はないよ」 「ほーん。せっかくなら、誘ってみれば?」 「いや、やめとく」 「何で?」 「単純に俺が嫌だからだよ。知ってるだろ、人混みは苦手なんだ」 「なるほどな」 ましてや、今日やる夏祭りは、この辺じゃ1番大きなやつだ。人の量がえげつないことは、簡単に予想出来る。 「あ。あぁ……」 「ん? どうした?」 「やっぱり、夏祭りに行くわ」 「急にどうした?」 「これだ」 スマホを開いたら、東城からメッセージが来ていた。内容は夏祭りのお誘い。 「ははは、こりゃ断れないな」 「全くだ」 東城から送られてきたメッセージは、17時に駅前集合。来なかったらパロスペシャル! だった。流石にパロスペシャルは、食らいたくない。 「んじゃ、一緒に行くか」 「だな」 ―――― ―― 「あ、龍君ー!」 「璃亜ちゃん。お待たせ」 俺と龍が待ち合わせ場
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7話 嵐の中のライブ

強風でガタガタと揺れる窓に、激しく打ち付けられる横殴りの雨。テレビから流れるニュースでは、危険なので不用意な外出を控えるようにと、警戒のアナウンスが朝からずっと流れている。 「なぁ、本当に今日行くつもりなの?」 「うん。もちろんだよ」 「大丈夫なの?」 「大丈夫じゃなくても、絶対に行く」 「……」 東城は、ギターケースにビニールをかけながら言う。どうやら、意思は硬そうだな。 今日は、東城達のライブがある日だ。だけど、天気は最悪の台風だ。しかも、今回の台風は過去最高レベルらしい。 「じゃ、行ってくるね」 「気をつけろよ」 「うん。あ、桜木君は無理に来なくても大丈夫だからね」 「いや、俺も後からちゃんと行くよ」 「そっか。じゃあ待ってるね」 「あぁ」 そう言って東城は、家を出て行った。 ライブハウスまでは、タクシーを使って行くとは行っていたけど、やっぱり心配だな。こんなことなら、昨日のうちにレンタカーを借りておくんだった。 「12時、か……」 ライブ開始の時間は15時。 ニュースでは、台風が通り過ぎるのが夜だって言っていたから、ライブをやっている時はまだこの状態だろう。いや、むしろもっと強くなっているはずだ。 いくら、東城のバンドが人気でも、今日の客入りはかなり少ないと思う。それでも東城は、絶対に行くと言って聞かなかった。 例え1人でも来てくれるなら、私はその人のために全力で歌って演奏するんだって、言っていた。本当にすごいやつだよ。 「さて……」 とりあえず、帰ってきた東城に美味いもの食わせるために、準備だけしておくか。その後、俺もライブハウスに行くとしよう。 ―――― ―― 14時ちょい前か。思ったより時間かかっちまったな。もう出ないと、東城のライブに遅刻しちまうな。 外を見ると、相変わらずの暴風雨だ。東城は無事にライブハウスに着いたかな? とりあえず怪我だけしてないといいんだけど。 「ん? 龍からだ」 家を出ようとしたところで、龍から電話がかかってきた。俺は通話ボタンを押して、電話に出る。 「どうした?」 『おう。アラタ今どこだ?』 「家だ。今から出るところ」 『そっか。なら、ちょうどよかった。今、お前ん家の前に居るから一緒に行こうぜ。車
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8話 甘やかして、甘やかされて

「ふぅ……私、もうお腹いっぱい」 「俺も……」 俺と東城は、2人揃ってパンパンになった腹を摩りながら言った。 やばいな。マジで腹がはち切れそうだ。こりゃ下手に動いたら、今食ったのを戻してしまいそうだ。 「残りはどうするの?」 「明日食うしかないね」 「うぅ……明日もかぁ」 「多少アレンジするから、我慢してくれ」 当初の予定では、俺の家でささやかな打ち上げである、すき焼きパーティーだったけど、残念ながらそれは中止になった。 理由は、外で猛威を振るってる台風のせいだ。 夜には通り過ぎる予報だったんだが、台風の進行はゆっくりになって、さらにその勢いを強めていた。 帰っている途中で交通規制が入り、大渋滞に捕まって、打ち上げはまたの機会ということに決まり、早めに帰ることになった。 おかげで、多めに用意したすき焼きを2人で処理する羽目になったのだ。 「あぁ……お腹キツい……」 「大丈夫か?」 「ギリギリね。とりあえず、少し横になる」 東城はそう言うと、ノロノロと立ち上がって、ソファーにゴロンと寝っ転がった。 「食後すぐに寝っ転がるのは、あんまり体に良くないぞ」 「大丈夫だって。それに今はこっちの方が楽」 「まぁ、確かにそうだけどさ」 「桜木君も横になっちゃいなよ」 「……そうするか」 自分で言っといてなんだけど、正直なところ俺も横になりたい気持ちでいっぱいだったんだよな。ぶっちゃけ、すぐに横になったからといって、速攻でどうにかなる訳じゃないからな。ここは、欲望のままに動くとしよう。 俺は、ソファーの上に置いてあるお気に入りのクッションを枕にして、カーペットの上に寝転がる。 「にひひっ、桜木君もどんどんダメ人間になっていくね」 「この程度で、ダメ人間なら世界中の人がダメ人間だよ」 「あー確かにそうだね」 「だろ?」 そこで会話が途切れる。いつもだったら、東城が何かしら話を振ってくるんだけど、流石の東城も今は喋る気力もないようだ。まぁ、俺としても今はその方が楽でありがたい。とりあえず、今は少しでも体を休めたい感じだ。 「……やべ」 やっちまったな……完全に寝てたわ。 まぁでも、満腹状態で横になれば、こうなるのは当たり前の話か。 スマホの時計を見ると、19
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9話 エロは時に破滅を呼ぶ

「はぁ……はぁ……はぁ……」 「アラタ! そっちは危険だぞ!」 「ち、回り込まれたか……」 「どうするよ? 逃げ場か無くなってきたぞ」 「それでも、逃げるしかないだろ」 「んなこと、言われなくても分かってるよ。とにかく、別の道を探そう」 「だな。あっちの裏道だったら、まだ大丈夫なはずだ」 「分かった」 いよいよ8月も明日で終わりの今日。俺と龍は、カンカンと照りつける太陽の下、全力で街を駆け抜けていた。 捕まる=人生終了の命懸けの逃走だ。鬼は俺と龍以外の全人類。無理ゲーにも程があるが、やるしかない。じゃないと、冗談抜きでやばいのだ。 「やばい、誰かこっちに来るぞ!」 「仕方ない。そこのゴミ箱の中に隠れるぞ」 「くっそ……何でこんな目に」 「文句言うなよ。今は、意地もプライドも人としての尊厳も捨てちまえ」 「分かってるよ!」 俺と龍は、蓋の付いた大きめのゴミ箱の中に飛び込んで、人が通り過ぎるまでやり過ごす。 「行ったか?」 「多分」 そーっと、蓋を開けて辺りを確認をする。 「大丈夫だ。誰も居ない」 「助かった……」 俺達はゴミ箱から出て、その場にへたり込む。 はぁ……とりあえずゴミ箱の中身が、紙ゴミで助かったな。これが、生ゴミとかだったら最悪だった。 「なぁ、アラタ。1つ提案があるんだ」 「何だよ?」 「囮になってくれ」 「おいおい……冗談はよしてくれよ、親友」 「はははっ、こんな時に冗談何て言うわけないだろ? 親友」 「……」 「……」 「おい、ふざけんなよ!」 「ふざけてねぇよ! このままじゃ、2人共終わりだ! だったら、どっちかが犠牲になるしかないだろ!」 「なら、お前が犠牲になれよ!」 「嫌だよ! 俺は生き残りたい!」 「俺だって生き残りたいわ! そもそも、こうなった原因はお前にあるんだからな!」 「はぁ! それ今言うのかよ!」 「今だから言うんだよ! 原因はお前にあるんだ! だからお前が犠牲になれ!」 「ふっざけんな!」 俺達は掴みあって、そのまま取っ組み合いの喧嘩に発展する。 「2人共、何してるんですか?」 「「え?」」 突然、後ろから声をかけられ、俺達は恐る恐る振り返る。するとそこには、ゴミを
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10話 喧嘩と仲直りとプレゼント

午前の講義が終わって、俺は昼食を取るために学食に向かう。 「おーい、アラタ。こっちだ」 「おう」 そんな大声で呼ぶなよ。恥ずかしいだろ。 まぁ、席を確保してもらってたから、あんまり文句は言えないか。 「お疲れさん」 「龍もな」 「はは、俺は1限しか受けてないから、そんなに疲れてないよ」 「そうか」 俺と龍は、ほとんど同じ講義を受けているけど、選択科目で何個かは違う。 「にしても、珍しいな。アラタが学食なんて」 「まぁな」 俺は普段、弁当を作って持って来てるから学食を利用することは滅多にない。ただ、今日は弁当を作る気力がなかった。 「てか、どうした? 何か元気ないぞ」 「そう見えるか?」 「なんと言うか、全身から負のオーラが溢れ出ている」 「そっか……」 なるほど。道理で、体がだるいわけだ。やる気も出ないし集中力も続かない。 風邪って訳じゃない。熱は平熱だし、頭も痛くなければ、咳も出てない。単純に気分が乗らないだけだ。 「マジでどうした?」 「まぁ……色々あってな」 「俺で良ければ、話くらいは聞くぞ」 「んじゃ、ちょっと聞いてくれ」 何で自分がこうなっているかの、心当たりはある。むしろ、原因は間違いなくそれだろう。 龍に話して、解決するとは思えないが、誰かに話せは、多少気持ちが楽になるって言うし、話すだけ話してみるか。 「実はさ、ここ数日ずっと東城の機嫌が悪いんだよ」 「あー東城さん絡みか。んで? いつから機嫌が悪いんだよ?」 「あの日からだ」 「あの日って、あの日か?」 「あぁ……」 「なるほどな……」 あの日とは、エロ本を分配した日だ。同時に俺達がゴミとなった日でもある。 「因みに、どんな風に機嫌が悪いんだ?」 「もう全てだな。口は聞いてくれないし、飯を作っても食ってくれない。それどころか、朝早くに出ていったと思ったら、夜遅くまで帰って来ないし……完全に避けられている」 「うわぁ……それは散々だな……」 「本当だよ……」 別に俺らは付き合っている訳じゃないけど、同じ家に住んでいるのに、こうも露骨に避けられると流石にしんどい。家にいるのに、ものすごく居心地が悪いんだよなぁ。 それに今まで、それなりに仲良くやってきた分、
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