「総司《そうじ》? 入るぞ〜」 「おう」 「って、お前まだ裸なのかよ……。服着ろよ」 「ん? おぉ……」 そういや裸のままだったわ。 ちっ……あのクソアマ。人の服を台無しにしやがって。あとで服代請求してやるからな。 「体調は大丈夫か?」 「一応な」 「花咲に感謝だな」 「不本意ながらな……」 まぁ確かに今回は助かった。あのままじゃ、やばかったもんな。 「ねぇ総司君」 「ん?」 「今回の件。何か心当たりないの?」 「まぁ……あるには、あるな」 俺の体調が悪くなったのは昨日の夜から。そんでもって、何か特別なことをしたかというと、思い当たるのは一つしかない。アヤメに血を吸わせたことくらいだ。 多分、原因はあれだろうな。 「それ、私達にも話して」 「断る」 「……何で?」 「約束があるからだ」 アヤメが吸血鬼だってのは、秘密にする約束だ。つまり、アヤメに血を吸われたことを話すことは出来ない。 「ふざけないでよ。誰との約束だか知らないけど、そんなこと言ってる時じゃないでしょ!」 「総司。俺も百合《ゆり》と同じ意見だ。流石に友達が死にかけたのに、事情を知らないってのは気分が悪い」 「……悪いな、翔《かける》。話せない」 翔達が、吸血鬼のアヤメを差別するとは全く思ってない。だけど、アヤメの事情を俺が勝手に話すわけにはいかない。 「あっそ。じゃあいい」 黒川はそう言うと、ポケットから黒い何かを取り出した。 「いって!」 黒川はそれを持ったまま、大きく振りかぶって、頭を思いっきりぶん殴ってきた。 「な、何すんだよ!」 「うるさいな。総司が悪いんだからね」 いや、確かに話さなかった俺も悪いと思うけどさ、だからって何かよく分からない物でぶん殴るか普通? めっちゃ痛かったんだぞ。絶対にコブになってるからな! 「え、えっと……百合? お前、何したの?」 「総司の記憶を抜いた」 「は? どういうことだ?」 「これ、私が作った魔法具」 ちょっと待て。俺を殴ったやつって、魔法具だったのかよ。 「USBメモリ? 何か、二人で一人の探偵が変身の時に使うあれみたいだな」 「まぁ、それっぽく作ったからね」 あぁ……通りで。やたら既視感あると思った
Last Updated : 2026-04-02 Read more