空がようやく白み始めたころ、心春は熱のこもった腕の中で目を覚ました。身じろぎした拍子に、自分がずっと勇信の腕を枕にしていたことに気づいた。しかも二人の身体は、背中と胸がぴたりと重なるほど密着していた。心春の耳先が、そっと赤く染まる。彼女は息をひそめるように、そろそろとベッドから抜け出した。昨日、勇信はひどく酔っていた。普段は無口で言葉数も少ないくせに、酔うとまるで別人だった。彼は彼女をつかまえてなかなか放さず、泣き言まじりに「君は薄情だ」と訴えたかと思えば、今度は引き出しをひっくり返して紙とペンを探し出し、自分の長所を全部書き出すと言って聞かなかった。小学生の時に算数のコンクールで三等賞を取ったことまで、褒めろと迫ってくる始末だ。最後には、心春も本当に手に負えなくなり、人を呼んで彼を寝室まで運んでもらうしかなかった。それでも勇信は彼女を帰そうとせず、仕方なく、心春はそのまま残って彼を寝かしつけた。けれど――確か自分は椅子に座っていたはずなのに、どうしてベッドの上にいたのだろう。心春は火照った頬を軽く叩き、こっそり部屋を抜け出そうとした。その時、視界の端に、床へ落ちたしわくちゃの紙が映る。身長185センチ、腹筋あり、生活習慣は規則正しい、悪い癖なし、家族に遺伝病歴なし……ずらりと並んだその最後の一行には、こんな言葉まで書かれていた。一途で誠実。心春だけを愛している。心春は小さく息をつき、引き寄せられるようにベッドで眠る男の顔へ視線を向けた。黒い羽のようなまつげが目元を覆い、すっと通った鼻筋の下で、薄い唇が静かに結ばれている。――こんなにも素敵な人が、自分を深く愛してくれている。心春が部屋を出ていくと、ベッドの上の男はゆっくりまぶたを持ち上げた。床に落ちていた紙は、もうなくなっている。勇信は眉を上げ、黒い瞳に笑みを浮かべた。この家で、彼の酒の強さを知らないのは心春だけだ。彼は昨夜、母から送られてきた贈り物を開いた。中に入っていたのは、布地の少ない、かなり大胆な女性用の下着だった。勇信の目が一瞬だけ深く沈む。だがすぐにそれをしまい込み、低くつぶやいた。「……まだ早い。俺たちは、ゆっくり少しずつでいい」……ウェディングドレス店。勇信は会社で急な
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