悠真は病院のベッドに横たわり、虚ろな目で天井を見つめていた。13日目。入院して13日が経過した。肋骨を3本折り、左手は複雑骨折、おまけに脳震盪だ。医師からはあと半月は絶対安静だと言い渡されたが、彼は耳を貸さなかった。退院したいと焦るものの、ベッドから自力で降りることすら叶わない。病室は不気味なほど静まり返っていた。廊下を行き交う足音、看護師がワゴンを押す音、遠くから漏れ聞こえる話し声。だが、彼の病室だけは、まるでこの世から切り離されたかのように静寂に包まれていた。見舞客はただの一人もいなかった。結衣は拘置所に収監され、公判を待つ身だ。いわゆる「友人」とやらも、彼が事故に遭ったと知ると「お大事に」という通り一遍のメッセージを送ってきたきり、二度と連絡をよこさなかった。劇場のオーナーが一度だけ顔を出したが、適当な社交辞令を並べ立ててそそくさと帰っていった。それ以来、誰一人として訪れる者はなかった。彼は毎日、看護師に頼み込んでスマートフォンを借り、玲奈の番号に電話をかけ続けた。一度目は応答はなかった。二度目はコールが5回鳴った後、無機質に切られた。四度目、五度目、六度目……その度に、着信は一方的に切断された。彼を見る看護師の視線は、同情から困惑へ、そして困惑から完全な呆れへと変わっていった。やがて彼女は貸すのを渋るようになったが、彼のあまりに惨めな様子を見かねて、結局は貸してくれた。「結城さん。相手が出る気がないのなら、何度かけても無駄ですよ」悠真は何も言い返せず、ただ力なく頷くことしかできなかった。その日の昼下がり。窓から差し込む暖かな陽光がベッドの足元を照らしていた。悠真はその光をじっと見つめ続け、やがてまぶたが重く垂れ下がった。泥のような眠りに落ちた。夢を見た。自分は舞台の中央に立っていた。頭上からまばゆいスポットライトを浴び、客席は満員だった。観客の顔はぼやけて見えなかったが、最前列に座る一人だけは、はっきりと輪郭を保っていた。玲奈だ。彼女はあの白いワンピースを着て、髪をふわりと下ろし、目をキラキラと輝かせながら自分を見上げていた。自分が指を鳴らすと、舞台の上空から粉雪が舞い落ちる。彼女は手を伸ばして雪の結晶を受け止め、無邪気に微笑んだ。その笑顔を見るのは、本当に久しぶりだ
Read more