USBメモリーがステージに持ち込まれた。海斗は重い足取りで歩みを進める。中には一体、何が入っているのだろうか?海斗は震える指先で、USBをパソコンに挿した。参列者たちは、結婚式での幸せそうな様子が流れるとばかり思っていた。しかしその直後、式場に景子の声が大きく響き渡った。「私をあの女と比較しないで。あの女が私と並べるわけないでしょ?海斗からは、また私が怪我をしたら凛音から血を取るって言われてるわ。もし懲りずに海斗に色目を使ったら、その時は血液を枯れるまで抜き取ってやれば大人しくなるでしょ!」その声を聞いた途端、海斗の動きがピタリと止まった。あまりの衝撃に、何も考えられなくなっていた。景子の声に間違いない。けれどそれは、海斗の知っている景子とはまるで別人のようだった。純粋無垢な天使のように振る舞っていた景子の、こんな邪悪な一面など見たこともなかった。景子の恐ろしい本音が式場に何度も響いた。彼女の表情はみるみる青ざめ、呆然と立ち尽くしている。「消して!早く消して!」景子は慌ててステージへ駆け上がる。それを阻止しようとするその態度が、逆に海斗の疑念を強めた。「止めろ」と海斗は冷酷に命じ、屈強なボディーガードたちが一気に景子を囲い込んだ。海斗は表情を失ったまま、景子たちが裏で凛音をどれだけあざ笑っていたかを聞き続けた。怒りと、そして得体の知れない憐れみが心に押し寄せる。拳を硬く握りしめた海斗の手が細かく震えている。動揺を抑えようと必死の様子だった。録音は、まだ終わっていなかった。「ええそうよ!女は高みを目指して何が悪いの?海斗は高木グループの立派な後継者よ。あなたみたいな先行き真っ暗な男と付き合って、みじめな暮らしをしろと言うの?私が本当に好きなら、身を引いて祝福しなさい!」式場がどよめく中、次の瞬間、知らない男の声が割り込んできた。「祝福?そんなことできるか!高木は、お前が玉の輿に乗るためだけに近づいたことを知っているのか?ずっと付き合いながら裏で俺とくっついたり離れたりしていることも知っているのか?それに昨日も一緒にいたんだぞ!」海斗の顔色が怒りに変わった。彼はUSBを乱暴に引き抜き、床に叩きつけると、怒りをあらわにして景子を睨みつけた。「景子、説明しろ」海斗は殺意にも近い怒りを抑え、拳をテ
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