日が沈むと同時に、街中から飛び立ったドローンが夜空に巨大な光の絵を描き始めた。高田家のバルコニーでは、真理子が招待客たちに囲まれ、ひときわ注目を集めていた。離れた場所に停めた車の中から、裕司は真理子の笑顔をかすかに見つめていた。その笑顔は相変わらず周りを明るくする力を持っていて、見ている彼まで思わず笑みをこぼしてしまったほどだ。「誕生日おめでとう……真理子」最後のドローンが消えると、客たちは次々と帰路についた。高級車の列が、遠くへと走り去っていく。やがて高田邸は再び静まり返り、使用人たちが後片付けに追われていた。それでも、裕司の車だけはその場を動こうとしない。高田家の最後の灯りが消えたのを見届けてから、ようやく裕司は車を出すよう指示した。しかしその瞬間、隣の窓が軽く叩かれた。現れたのは高田家の執事だった。裕司が窓を下ろすと、執事は朝届けたはずのプレゼントを静かに差し出した。二人は言葉を交わさず、ただ無言で向き合う。やがて裕司が先に折れ、手を伸ばしてそれを受け取ったが、その手はかすかに震えていた。……誕生日パーティーが終わると、真理子はすぐに離婚後初となる個展の準備に取りかかった。久しぶりの開催に、真理子は内心少し不安を抱いていた。この5年間、個展を開いていなかったうえ、新しい才能ある人々が次々と現れ、優れた作品を世に出していた。5年もの長い空白を経た自分に、果たして関心が集まるのか――そう考えていた。しかし、前売りチケットの販売開始当日、わずか3秒で完売した。完売となった画面を見つめ、真理子はしばらく呆然とした後、飛び上がるほどの喜びの声を上げた。その声に、家族も喜びのあまり涙ぐみながら真理子を抱きしめた。5年ぶりとなる個展当日、会場には真理子の名を慕う人々が大勢押し寄せた。普段は静かな南区も、この日は珍しく渋滞が起きるほどだった。だが、そんなことで人々の熱狂が冷めることはなかった。裕司もまた、その場に足を運んでいた。前回の一件は裕司に大きな打撃を与えなかったが、父の健太郎から与えられた期限はもう残りわずかだった。だからこそ、裕司は焦りを感じていた。本来ならすぐに真理子を探すはずだったが、ふと彼女の作品が目に入った瞬間、足は自然と止まった。真理子が
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