勲の言葉は、まるで重い一撃となって海斗の神経を揺さぶった。「怜奈は国際対テロ特殊部隊として、X国に行ったんだ」その事実に海斗の瞳孔が急激に収縮した。どうしてあんな危ない場所に?そこは戦火が絶えず、いつ死んでもおかしくない場所なのだ。「そんなはずは……」自分に言い聞かせるように、海斗の声はかすれていた。「あんな危険なところに、怜奈が行くなんて……」「お前はあの岩崎家の小娘以外、目に入らないんじゃないのか?」勲は鼻で笑うと、意味深に言った。「海斗、お前は大切なものを完全に失ったんだ。怜奈はすべてを懸けてお前に歩み寄ろうとしたのに、お前は見ようともしなかった。以前、お前が高熱を出した時、怜奈は3日間つきっきりで看病した。仕事で胃潰瘍になった時だって、怜奈が寝ずに看病していた。お前はどうだ?自分を支えてくれた怜奈も顧みず、他の女と遊び歩いて、怜奈が遠くへ行ってしまうまで何も気づかなかったんだぞ!」そう言われ、立ち尽くす海斗の胸は激しく上下し、勲の言葉に深く突き刺されるような痛みを感じた。そして、脳裏に様々な記憶が駆け巡る。毎朝ベッドサイドに置かれていたホットミルク、自分が帰るのを待つうちにソファで寝落ちした怜奈の横顔、そして自分が冷たくあしらっても変わらず見せてくれた健気な笑顔……その怜奈が、本当にもういなくなってしまったのだ。「俺は……」込み上げる罪悪感で海斗は喉が詰まったかのように、絞り出した掠れた声で言った。「怜奈を探しに行きます」「今更急いだって遅いんだ。怜奈は出発する前、二度とお前とは関わりたくないと言い残した」海斗は足止めを食らったように一瞬動きを止めたが、何も言わずに背を向け、大股で出て行った。「すぐにX国への一番早いチケットを手配しろ。今すぐだ!」電話を切ると、海斗はアクセルを深く踏み込み、高速道路を疾走した。同じ頃、X国では絶え間なく作戦が執行されていた。怜奈は部隊に従って難民キャンプで物資の配布に向かった。しゃがみこんで難民の小さな女の子の膝の傷を処置していたその時、突如として爆音が響いた。「敵襲だ!全隊警戒!」哲也の叫びが砂埃の中を貫いた。怜奈は咄嗟に女の子を抱き上げ、バンカーに向かって走った。耳元を掠めていく弾丸。焦げた火薬の匂いが鼻をつく。「
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