久しぶりに地球のアパートで過ごす。 といっても、シャワーを浴びたり、食料を買い出しに行ったりするのが主だが……。「……よしっと!」 他にやったこと。 それは遺書の作成。 あっちの世界から戻ってこれなくなった時の為に、両親や兄たちに向けてしたためたものだった。 ……もはや、向こう側の世界は、私にはかけがえのない世界になったのだ。 此方の世界と違い、確かに必要とされている。 万一、向こうの世界が、幻の世界であったとしてもだ……。 電脳の世界をリアルではないとよく言われるが、しかし、確かにその時間は向こう側に、私のもう一つの大切なリアルがあったはずなのだ。 遺書を書き終わった後は、PCに電源を入れて、ハンニバルの設計に勤しんだ。 向こうの世界での私に、最も価値があるとすれば、それはハンニバルで勝ち続けることだ。 ……間違っても負けていい軍人なんていないはずだ。 平和な世界の会社員だって、うかつにノルマを落とせないのだから……。「これでいっか!」 ダメージコントロールを重視した設計にした。 今回、安易に沈まないことを優先にしている。 その分、大きさの割に、攻撃力が若干物足らなくなったかもしれないが……。「ふう」「いってきます……」 机の上の遺書にそう告げて、私はVRカプセルの蓋を開けて中に入った。 内側から『START』という赤いボタンを押すと、白い神経ガスが充満し、心地よい世界にいざなわれた……。☆★☆★☆――ドシィィィーン! 宇宙海獣により、艦艇が破壊される。 グングニル共和国は、多数の冒険者や有志の義勇艦艇を集め、通商破壊を行う謎の宇宙海獣に対処した。 ……しかし、それは正規軍より練度が低い艦艇の残骸が、ただ増えるだけの結果となっていた。 正規軍でも対処が難しい宇宙海獣を、安易に撃退できるという考えが、甘かったのかもしれない。「……やむを得まい」「残念です」「無念であります」 グングニル共和国の議会は、クレーメンス帝国に休戦和解案を提示することに合意。 彼等の首班である大統領の名でそれは合意された。 ……合意内容は、1)クレーメンス帝国が唯一無二のカリバーン帝国と承認。2)毎年1000億帝国ドル(約10兆円)を納付すること。3)2以外に、賠償金5兆帝国ドルを支払うこと。4)10星系の領土
Read more