――ジョー・ウハン星系。 カリバーン帝国から一度グングニル共和国に寝返った地方星系であり、再びカリバーン帝国に身を寄せようとしていた。 そもそも、勢力圏境の星系は戦略的な緩衝地帯とされることも多く、絶えず有利な立場を得るべく身を処す必要があったのである。 カリバーン帝国のリーゼンフェルト大将は、ジョー・ウハン星系に20年間の租税免除と兵役免除を約束していた。 リーゼンフェルト大将が率いる100隻余の艦隊は、グングニル共和国との国境を越え、ジョー・ウハン星系外縁に到達。 ……これを待ち構えていた共和国艦隊80余隻と相対しようとしていた。☆★☆★☆「諸君! 共和国艦隊に初戦を優勢に戦えば、当星系はすぐに降伏するだろう!」「……半ば勝ったような戦だが、油断せぬように!」 リーゼンフェルト大将の訓示が終わる。 ハンニバルのスタッフは装甲服を着て、臨戦態勢に備えていた。――情報士官より知らせが届く。「敵、捕捉! 位置はP-281地点です!」「砲撃戦用意!」「予定通りだな」「……ですわね」 今回、敵星系から事前に情報が得られていた。 敵の陣容や布陣もほぼわかっていたのだ。 私の率いる第六戦隊は艦隊右翼の一部を任せられていた。 ハンニバル以下、巡洋艦1隻、駆逐艦2隻、ミサイル艦2隻、ビーム砲艦2隻の小艦隊だった。「全艦、砲撃開始!」「全砲門開けポコ!」 タヌキ砲術長の命令一下、存在の限界まで白熱した円柱が漆黒の宇宙を切り裂く。 大口径の砲身から、悪魔の化身である大量のガンマ線が吐き出された。「初弾命中!」「敵巡洋艦大破!」「次弾装填急げ!」「了解!」 準備周到な物資の補給作戦が敷かれ、敵の情報もあったので我が戦隊は優位に立っていた。 開戦わずか30分で、ハンニバルは2隻の敵艦を沈め、さらに3隻を大破させる戦果を挙げていた。「総司令部から伝達、『右翼部隊は包囲網を拡げろ!』、とのことです!」「了解!」 我が第六戦隊は本隊より距離をとり、翼端を伸ばして敵の側面に回り込もうとしていた。 ……しかし、「敵艦隊、撤退していきます!」 敵は不利を感じ取り、あっさりと星系内の小惑星帯に引き籠ってしまった。 こちらも慎重になり、追撃は行われなかった……。「ジョー・ウハン星系より通信、『ワレ降伏ス!』とのことです!」 星
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