All Chapters of 宇宙装甲戦艦ハンニバル ――宇宙S級提督への野望――: Chapter 91 - Chapter 100

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第91話……ジョー・ウハン星系の悲劇

――ジョー・ウハン星系。 カリバーン帝国から一度グングニル共和国に寝返った地方星系であり、再びカリバーン帝国に身を寄せようとしていた。 そもそも、勢力圏境の星系は戦略的な緩衝地帯とされることも多く、絶えず有利な立場を得るべく身を処す必要があったのである。 カリバーン帝国のリーゼンフェルト大将は、ジョー・ウハン星系に20年間の租税免除と兵役免除を約束していた。 リーゼンフェルト大将が率いる100隻余の艦隊は、グングニル共和国との国境を越え、ジョー・ウハン星系外縁に到達。 ……これを待ち構えていた共和国艦隊80余隻と相対しようとしていた。☆★☆★☆「諸君! 共和国艦隊に初戦を優勢に戦えば、当星系はすぐに降伏するだろう!」「……半ば勝ったような戦だが、油断せぬように!」 リーゼンフェルト大将の訓示が終わる。 ハンニバルのスタッフは装甲服を着て、臨戦態勢に備えていた。――情報士官より知らせが届く。「敵、捕捉! 位置はP-281地点です!」「砲撃戦用意!」「予定通りだな」「……ですわね」 今回、敵星系から事前に情報が得られていた。 敵の陣容や布陣もほぼわかっていたのだ。 私の率いる第六戦隊は艦隊右翼の一部を任せられていた。 ハンニバル以下、巡洋艦1隻、駆逐艦2隻、ミサイル艦2隻、ビーム砲艦2隻の小艦隊だった。「全艦、砲撃開始!」「全砲門開けポコ!」 タヌキ砲術長の命令一下、存在の限界まで白熱した円柱が漆黒の宇宙を切り裂く。 大口径の砲身から、悪魔の化身である大量のガンマ線が吐き出された。「初弾命中!」「敵巡洋艦大破!」「次弾装填急げ!」「了解!」 準備周到な物資の補給作戦が敷かれ、敵の情報もあったので我が戦隊は優位に立っていた。 開戦わずか30分で、ハンニバルは2隻の敵艦を沈め、さらに3隻を大破させる戦果を挙げていた。「総司令部から伝達、『右翼部隊は包囲網を拡げろ!』、とのことです!」「了解!」 我が第六戦隊は本隊より距離をとり、翼端を伸ばして敵の側面に回り込もうとしていた。 ……しかし、「敵艦隊、撤退していきます!」 敵は不利を感じ取り、あっさりと星系内の小惑星帯に引き籠ってしまった。 こちらも慎重になり、追撃は行われなかった……。「ジョー・ウハン星系より通信、『ワレ降伏ス!』とのことです!」 星
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第92話……占領政策、民衆の要求!!

「よろしくお願いします」「よろしくお願いします」 ……いつもの営業所の風景か。 同僚が電話口で必死に顧客に頼み込んでいるのだろう……。 ……うん? そういえば私は、会社にはもう出てなかったよな? ここはそもそもどこだ? 私は重たい眼を開くと、そこはハンニバルの艦長室だった。 私は少し寝ていたらしい。『提督!お願いします!』『よろしくお願いします!』 モニターに多くの方が映っている。 何かの陳情のようだった。「……これ、何なの?」 副官殿を呼んで尋ねる。「……あ、お休み中に回線がつながっておりましたか、申し訳ありません」「こちらは食料プラントの建設依頼の皆様でございます!」「え? なんでハンニバルに……!?」 ハンニバルは現在、ジョー・ウハン星系に進駐していた。 ハンニバルは海上停泊型なので、とある地方都市の入り江に間借りして停泊していたのだった。 先日の戦いで、畑などの農業プラントが全壊したために、農業プラントの建設依頼に周辺の民衆の皆さんが私に陳情に来ているらしかった。「提督がアルデンヌ星系の惑星カイなどで、食料量産をなさっているのが今朝のTVで放映されたらしいのですわ……」 ……え? TVってすごい威力だね。 私は陳情に来ている皆さんの代表者を艦に招き入れた。 村長さんや市長さんといったところだろうか……。「お初にお目にかかります、少将閣下!」「閣下はおやめ下さい、皆さまは軍人ではありませんから」 へりくだり揉み手状態の地方自治の政治家様たち。「では、こうに申し上げましょう、ハンニバル開発公社社長!」 ……軍には用がなくて、開発公社に用があるのだな?「要件をお伺いしましょう」 副官殿がお客さん4人と私にお茶を入れてくれる。「率直に申し上げましょう、食料が足りません! 援助してください!」「……いや、私にも余分があるわけではないのですが?」 あまりにも率直で驚く。 実は食料プラント要請ではなく、食料そのものの要求だった。 この船は軍政の配給担当係でもないのだが……。「いやいや、手広く商売をされているからには富はいくらでもお持ちでしょう? 早く援助して下さい!」 ……彼らはハンニバル開発公社が沢山の借金を抱えているのを知らないのだろう。 実は私個人も借金があるのだが……。 各種資産が借
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第93話……捉えろ! 特務潜航艇の影!!

「左舷前方、量子魚雷確認!」「取り舵、一杯!」 ハンニバルは巨体を揺らし、対滅式の量子魚雷を避ける。「左舷に対潜特殊ビーコンを放射!」「了解!」 特務潜航艇はカリバーン帝国の専売特許だったのだが、グングニル共和国も最近開発に成功し、通商破壊戦に活用を始めていたのだ。 特務潜航艇は宇宙空間にあるダークマター内に潜航し、船体を光学探知やレーダーから隠蔽するため捕捉が難しく、敵勢力奥深くまで侵入できたのだ。 ……よって軍としては、最前線のみならず、後方の交易路まで守備しなくてはならなかった。 交易船団護衛は交易の輸送コスト自体を引き上げ、それに伴い物価は高騰した。 それを喜ぶのは、護衛任務で儲かるフリーの宇宙冒険家業の者たちだった。「今日も潜航艇に遭いましたわね」「このところ多いよなぁ……」 ハンニバルは他の艦と交代で民間の船団の護衛をしていた。 潜航艇は見つけさえすれば決して強い敵ではない。 ミサイル艦や宇宙冒険者の船でも簡単に撃沈できた。 ……しかし、相手も最近は賢く、護衛がついているときは輸送船を攻撃してこなかったのだ……。☆★☆★☆「うん!?」 私は艦載機に乗り、ハンニバルの周辺を警戒していた。【魔眼スキル・敵捕捉!】『!?』 ……ひょっとすると、敵の潜航艇を見分けることができるようになったかもしれない。 宇宙空間の一部に赤い文様が浮かんだ……。「こちらキャプテン、ハンニバルに指令! GZ-86空間に砲撃せよ!」「了解ポコ!」 何もない漆黒の空間に白熱線が吸い込まれる。――ズシシィィィン!! 赤い光球が放射したあとに、黒い艦体が現れる。「凄いポコ! 命中ポコ!」「敵、潜航艇撃沈!」 ……お? 脈ありかな?「続いてCX-21空間に砲撃せよ!」「了解ポコ!」――ドウゥゥンン! 閃光が迸り、隠れていた潜航艇が爆発する。「潜航艇撃沈!」「提督! 凄いですわ!」「艦長! 凄いポコ!」 私とハンニバルはさらに二隻の潜航艇も掃除し、帰途に就いた。 ……この世界の私の眼は凄いな。 現実とは大違いだ。☆★☆★☆ 私は近隣の星系に繰り出し、片っ端からグングニル共和国の潜航艇を沈めていった。――1か月後。「いつも有難うございます!」「……次は、私どもの船団の護衛を!」「いや、是非私の船の護衛
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第94話……自己修復素材ミスリル鋼を発掘せよ!?

 今までの我々は異星人と会したことは無いとされる。 しかし、それは我々が異星人の様子を見たことがないのであって、異星人が我々の様子を見ていないという証拠はない。 異星人はその卓越した科学技術により、既に我々を監視しているかもしれないのである。 ……まさしく、水槽に飼っている熱帯魚を見るように……、静かに見守っているのかもしれない。「ケケケ……青い海と緑の木々の楽園の民よ! 近いうちに迎えに行くからな!」 暗い部屋の中。 奇怪な老婆は水晶を覗き込み、ケタケタと笑っていた。☆★☆★☆ カリバーン帝国とグングニル共和国は、お互いの通商ラインを潜航艇で激しく攻撃し合ったせいで、攻勢に出る国力を削られていた。 さらに言えば、両国の損失船舶数は莫大で、しばらく戦闘をしていなかったルドミラ教国の造船産業などが漁夫の利を得ていた。 宇宙船の造船能力も足りなかったが、ここしばらくの造船ブームにより、その原材料たる鋼材が不足していた。 この世界の宇宙船に使われる鋼材は、一般的に超硬質鋼板が使われていたが、それはワープなどの高速航行によって安易に破損した。 真空の宇宙空間での瑕疵は、地上でのそれより遥かに深刻だった。 それを補うように、今から100年前にバクテリア浸透型の自己修復金属鉱石を発見。 この金属鉱石を精製したものがミスリル鋼と名付られ、一気に宇宙造船用の主力鋼材として浸透した。 これにより宇宙空間での宇宙船の耐久性が飛躍的に向上していく。 しかし、このミスリル鋼は鉄より遥かに埋蔵量が少なく、希少な存在であった。 この世界の国々は競うように、次々にミスリル鉱脈の採掘に乗り出す。 しかし、あっという間に鉱脈を堀りつくし、現在に鉱脈が残っているのは治安が整わない辺境の地であったり、航行が厳しい危険宙域であったりした。 今回の潜航艇の通商破壊戦により、より一層造船用のミスリル鋼の需要は高まった。 ハンニバル開発公社も、更なる造船の受注の為に、新たなミスリル鉱区を必要としていた。☆★☆★☆「……であるからして、軍としては君には鋼材調達のほうに全力を投じて欲しい……」「はっ!」 カリバーン帝国軍総司令部からの通信は、なんと『軍務より一時的に資源調達を優先にしろ!』との指令だった。 今はグングニル共和国が攻めてくる気配がないらしい。 今回
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第95話……掘削開始!? 資源天体の発見!

――戦術短距離跳躍。 俗にジャンプと言われる短距離型のワープ航法である。 一回のジャンプで約50万キロ以上を踏破する。 そもそもワープとは空間を折り畳み、距離自体の方を短縮してしまう亜空間利用の航法である。 しかし、移動地点へと向かう亜空間航路の演算は時間とエネルギーが大量にかかる。 長距離跳躍は現在の多くの型式の船が可能とするが、一回跳躍を行うとエネルギーの都合上、8~24時間は次の跳躍が出来ない。 短距離跳躍はそれほどはエネルギーを必要としないが、それであっても戦闘中に使用するにはエルゴ機関を搭載していないと難しい。 さらにはエネルギーや航法演算の都合上、宇宙図が存在しないような空間では多用はできなかった。「短距離跳躍で逃げますか?」 副官殿が問う。 確かに巨大な細胞のような生命体に飲み込まれたようだが、いまのところあまり危険は感じない。 この生命体は巨大な代わりに、可視光線が透けるほど密度が薄かったのだ。「このまま進もう!」「了解ですわ!」 短距離跳躍を行う判断は見送った。 副官殿が注意して三次元式の操舵を握る。 ハンニバルの操舵は、現実世界で言うならばフライ・バイ・ライトである。 その後も、半透明の未知の巨大生命体の中を航行するハンニバル。「とても奇麗ですわね」「奇麗なクラゲの中みたいだクマ♪」 巨大な半透明の鞭毛や核が、窓の外一面にカラフルに散らばる景色。 よく生命を大宇宙というが、その言葉がまさにそのものの景色だった。 しかし、生き物であるならば、異物であるハンニバルを攻撃しないのだろうか? ……疑問に思いながら航行していたが、いつの間にか巨大な生命体の内部からは脱出していた。 はるか後ろに巨大生命体が見える。「バイバイぽこ!」 生命体に手を振るタヌキ砲術長。 ……あれは、きっとおとなしい巨大生物だったのだろうと後で思った。――それから8時間後。「探査機に反応!」「希少資源の可能性があります!」 左前方の空間にある巨大小惑星に資源調査センサーが反応した。「逆噴射! 相対速度を調節しろ!」「了解!」 ハンニバルは減速し、目標の巨大小惑星に接舷する。 ……やっと、目標物かもしれない。 気が付けば惑星ベルから2週間の距離まで航行していたのだった。☆★☆★☆ ハンニバルは巨大な小惑星に
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第96話……アンドロイドの言い分とルドミラ教

――アンドロイド。 人が作りし機械生命体。 それは大昔にこの世界の人類に反旗を翻し、人類撲滅を企てた大罪たる過去がある。 よって現在、機械生命体が反乱を起こさぬよう、機械生命体は厳重に管理されていた。 その方法とは、人間の生命反応とリンクさせることであり、それはこの社会においては義務付けられている。 人間の主人無しには、機械生命体は生きられない定めがなされているのだ。 事故などの社会的影響を防ぐために、最近のアンドロイドは3人以上の人間と生命的に紐づけされているらしい。――ドゥン アルベルトが件の自立型のドローンをレーザーガンで打ち落とす。 急いで解体してドローンのCPU組織を調べた。「やっぱり生体リンクされてないクマ!」「誰かが違法に造ったポコね!」 こんな人気のない空間にドローンが単体で飛んでいる方がおかしいのである。 機械だけで住むことは、この世界では許されてはいない。 少なくともここは、文明生命体が棲む星系から、最低500光年は離れているはずだった。「こちらにハッチがありますわ!」 副官殿の指さす方角に向かうと、飛行型ドローン用の半球形状の発着用ハッチがあった。 さらに隣に通用口があり、下に続く階段がみえた。 ……ひょっとして、人がいるのかな?「入ってみるぞ!」「「「了解!」」」 私はドラグニル陸戦隊を従え、階段を降りる。――ドウゥゥゥ! 突然、向こう側の通路の影から、レーザーガンの光軸が我々を襲う。「敵だ!」「マカセロめぇ~♪」 地上白兵戦無双のバフォメットさんに先頭を譲る。 薄暗いが、相手も人型の様だ。 ……しかし、探査機に我々以外の生体反応はない。 やはり相手は機械だ。「抵抗勢力を実力で排除せよ!」「「「了解!」」」 狭い通路で銃撃戦となった。 相手も装甲服を着ているようで、なかなか倒れてくれない。 激しい銃撃戦を経て、一歩一歩内部へと進む。 情報素材も欲しいので、爆薬兵器は極力使わないで前進した。「アニキ! こっちに来てくれ!」 先を行ったアルベルトが私を呼ぶ。 呼ばれた部屋に入ると、そこには20名ほどの非武装の人たちがいた。 ……いや、違う。生体反応がない。アンドロイドだろう。「撃たないでください、降伏しますじゃ!」「抵抗しなければ、撃ちはしない!」「お前たちのリ
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第97話……国会議員『小池勝』とクリームヒルト

――生体反応同期装置。 過去の人工知能の反乱により、軍事兵器や宇宙船、とくに星間航行艦は生体認証を必要とした。 ハンニバルの始動キーは私の生体反応そのものであり、私が生物的に殺されるまで、この船が奪われることは無い。 私は手をハンニバルの認識センサーにかざす。【同期完了】……艦長ヴェロヴェマを認識いたしました。ご命令を!「ハンニバル発進!」「了解! 発進します!」 アンドロイドというよりは、バイオロイドというべき副官であるクリームヒルトさんが下士官に発進を伝達する。 彼女の中身が何かは知らないが、外殻は生物的な皮膚に覆われている。 我々は新たな資源を輸送すべく、中継地である準惑星ツーリアにピストン輸送による資源搬送を続けていた。☆★☆★☆「……防衛施設の建設の為、アルデンヌ星系の惑星カイの立ち退きを命令する!」「はっ!」 総司令部から指令が来る。 食料資源を開発していた惑星カイが、帝国軍により立ち退き命令を受ける。 立ち退き保証額は150億帝国ドル(1兆5000億円)。 食料高騰の折、帝国中央政府は、私の作った田園地帯に高額の保証を払ってくれた。「移民希望の方に輸送船を手配しておいてね!」「了解ポコ!」 この時はアルデンヌ星系を手放すことに何ら違和感は無かった。 それよりも辺境域での資源輸送に必死だったのだ。☆★☆★☆(……それより、2週間後。) 現実世界のアパートでの早朝。 そとはシトシトと雨が降る。――PIPIPI シャワーを浴びた後に、携帯電話に着信が光る。「……もしもし」「あ、カズヤ! TVをつけてニュースを見ろ!」 兄だった。 慌ててTVをつける。『本日、午前4:30、N国政府と同盟国A国は宇宙人より攻撃を受けたことを発表します!』「……は?」 TVで臨時速報を繰り返しやっている。 さらには、世界各国の空軍基地が攻撃されている映像が流れた。「カズヤ! 攻撃している相手はだれだかわかるか?」「……え、えと、ゲームの世界のグングニル共和国軍そっくりです……」「やっぱりな……」「それから、お前のとこにお客さんが来るから、お茶くらい出しとけよ!」「え? そうなの?」 それだけ言って、兄は電話を切った。☆★☆★☆ お客が来ると聞いたので、ゲームをせずに1時間くらい待っていると……。
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第98話……中将昇進!? 新設第10星間艦隊!

「菱井君! なんとかならんかね?」「……はぁ」 国会議員の小池勝さんから電話がかかる。 宇宙からの敵に何とかしてほしいとのことだが、何ともできない。 どうやらグングニル共和国は、地球の南極の一部を軍事的に占領したようだった。 地球世界の主要な空軍基地は攻撃を受けた後で、南極への反撃は難しいようだった。「菱井君! 敵の敵は味方という! 地球を攻めてきた奴らに敵はおらんのかね?」「……いることはいますよ」「すぐ会わせてくれ!」「……どうやってですか?」「……」「そうだ! 君がやっているゲームに私も入ればいいのだね?」「ああ、その手がありましたか!」 小池さんは早速に手続きをして、ゲームの世界に入ったようだった。 ……ベータテスト用のアカウントはもう発行してないのに、どうやって入ったのかな?☆★☆★☆(……ゲームの中)「菱井君! じゃなかったヴェロヴェマ君だったね!」「……はぁ」 ……早速、議員はやってきた。「早速、君の上官に会わせたまえ!」「はい」 議員をハンニバルの超高速通信室にお通しする。 通信の相手はリーゼンフェルト大将をお呼びしてあった。「少将、大切なお客様とは彼かね?」「はっ! 地球という惑星のN国の国会議員であります!」 紹介すると、議員は私に退室するようジェスチャーする。「では、私は下がっております!」「うむ!」 議員は満面の笑みだ。 私は静かに退室した。 議員はそれから3時間はリーゼンフェルト大将と話をしていたらしい。☆★☆★☆「菱井君! 彼は平和というものがわかっとらんね!」「……はぁ」 リーゼンフェルト大将に通信を打ち切られ、ご機嫌斜めの議員様。 それに相変わらず生気のない返事をする私。 議員様はリーゼンフェルト大将にお冠の様だった。「彼は同盟するなら、彼の国が攻められたときは共同戦線を張る様にと言われたぞ!」「……はぁ」「我が国は平和を貴ぶから、他国の防衛戦争には参加できんのだ! 君もわかっとるよね?」「わかってますけど、私にはどうにもならないので……」「……うぬぬ」「そうだ、帝国というからには皇帝がいるのか?」「いらっしゃいますよ!」「すぐに会わせたまえ!」「……はぁ」 仕方がないので、帝都バルバロッサがあるツエルベルク星系までのチケットを手配。 あ
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第99話……めざせ! 治安向上計画!?

 我が第10艦隊は比較的に交戦戦力が低い艦隊である。 戦艦は一隻だけで、空母はいない。 なにしろ初任務が後方支援と警戒だったのだ。 ……重武装なわけがない。 リーゼンフェルト大将が率いる主力艦隊がアルデンヌ星系を攻撃する間、私は前線部隊への補給任務と周辺星域の治安向上や警戒任務を与えられた。 ……もっとも苦手なのは治安向上任務だった。 廃墟と化したマールボロ星系に中型輸送船で食料を配布し、民生の向上に務める。 私がよく読むWEB小説の世界だったら、孤児院に食料を配ればいいだけなのだが……。「仕事をくれ!」「食料だけでは困る! 仕事をよこせ!」 ……と言われてしまった。 古代王朝から現代の中央銀行まで、主眼政策目標は雇用率の向上であって、食料配布率の向上ではない。 人は社会的尊厳なしには生きられないのだ……。「困りましたわね」「どうするポコ?」 多くの人がすぐにお金になるスキルを持っているわけではない。もし、そのようなスキルがあるならば世界に社会問題など発生しようがなかった……。「道路工事でもしてもらうか?」「重機の手配はどうしますか?」「高濃度セメントもってきてないニャ!」「とりあえず、スコップだけでやってもらおう!」 ということで、ありあわせのスコップだけで作業してもらうことにする。 募集に応じた人数は、なんと3万人以上。 共和国の無差別攻撃で、道路がアチコチ寸断されていたのだ。 ……工事責任者はくじ引きで決まった猫耳のマルガレーテ嬢。 当然にへなちょこ道路になっていたが、給料は必ず日当で帝国軍部が発給した。 3万を超える労働者の賃金が発生すると、そこに飲食などのサービス業が自然発生し、その店に品物を収める人たちも沢山出てきた。 市が形成され、経済がだんだんに復旧していった。 ……ただ、食料を配ればいいだけでは、社会経済は復活しないのかもしれない。☆★☆★☆「おぬし、巨人族のくせによくわかっとるじゃないか? 感心感心!」 マールボロ星系の視察に来たアーベライン伯爵に褒められる。「しかし、この工事はいつまでやるのかね?」「わ、わかりません……」「ずっと続けられると、帝国の財政が破綻するぞ! あっはっは!」 老伯爵に笑顔で肩を叩かれる。「貴様のように、後ろ側の苦労が分かる軍人が増えてくれると、帝国
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第100話……赤く染まる地球 ~地球占領計画~

――地球の南極の支配者はグングニル共和国から、ルドミラ教国に移った。 その地球上では誰も成し得ない科学力により、南極へ攻め寄せた世界各国の海軍の軍艦は次々に沈んでいった。 世界の警察を名乗るA国も、世界の覇権を目指すC国も、最強の軍事国家R国も、宇宙戦艦をも擁するルドミラ教国の軍事科学力には、やはり手が出なかった……。 制空戦闘機にはレールガンの雨が浴びせられ、主力戦車には大口径のレーザーが叩きつけられた。 威容補誇る空母打撃部隊も、超音速を楽々と超えるミサイル群には対応できず、大きな魚の住み家を提供したに過ぎなかった。 地球の軍事大国は、星間国家であるルドミラ教国に対して、自国の領土を守るのに手いっぱいとなった。 それぞれの国より遠い海洋と制海権は、大航海時代以来の勢力空白地となった……。 しかし、ルドミラ教国の南極地上部隊はおよそ5万。 そもそもが8000万人くらいしか人口がいない星間国家なのである。 ルドミラ教国もまた、すぐには地球を征服する陸軍力を持ち得なかったのだ。 ……しかし、ルドミラ教国の力が及ばないことは、地球側にも不利な事案をもたらせた。 軍事大国の圧力から解放された反政府勢力やテロリストが暗躍。 地球の大地は血みどろの紛争にまみれ、そこはもはや赤い地球といっても差し支えない現状に変わっていった……。☆★☆★☆ 久々にアパートで昼を過ごす。 コンビニで買ってきた一人用の鍋焼きうどんがグツグツと言っている……。 あつあつで美味しそうだ。――ピンポーン 割箸をくわえて慌ててドアを開ける。 ……小池勝議員だった。「きみぃ~情勢をわかっとるのかね!?」 ……支店長以来、自宅で久々に説教を受ける。「君らが負けたおかげで、このざまだ! 何とかしてくれたまえ!」「……はぁ」 それより、私の鍋焼きうどんが伸びてしまう大ピンチなのだが……。 小市民でごめんなさい。「君たちは平和を愛する心が成っとらんのだよ!」「……どうもすいません」「謝るくらいなら、何とかしたまえ!」 こういう偉い人に正論は通じない。 ただ謝る一手だ……。 ……次から居留守を使おうかな? 議員は言いたいことだけ言うと、2時間後に帰っていった。 今回も迷惑料として、秘書さんが一万円を置いていった。 これって、あとで贈賄とかで逮捕され
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