「マイクロ・クエーサー砲発射用意!」「目標、シェリオ伯爵が乗る旗艦のみ! 収束して狙え!」「了解!」「現在、エネルギー充填率24.2%」「それだけあれば十分だ!」「発射せよ!」「はっ!」「……3」「……2」「……1」「発射!」――ズズズゥゥゥ 解き放たれた膨大なガンマ線の収束光軸が、シェリオ伯爵が座乗する戦艦を、背後から突き刺さる。 一瞬で装甲板を吹き飛ばし、機関部などバイタルエリアに貫通、連鎖爆発を起こし、すぐに光球を解き放って轟沈した。「敵艦撃沈確認!」「よし、よくやった!」「残りの敵艦は、降伏の意向のようです!」「許可してやれ!」「はっ!」 ハンニバルは地球への航路まで、単艦で強行軍してきた。 新型エルゴ機関AAA-1型をフル稼働して、連鎖跳躍を繰り返してきたのだ。 艦隊で動く速度の5~6倍の速度は出たと思う。 敵が驚いたことは想像に難くなかった……。「エンジンが燃えるクマ~!?」「機関部へ消火班を急いで派遣してポコ!」「了解!」 ハンニバル側にも、機関部にかなりの負担があったのは事実だったが……。 戦いには勝ったが、ハンニバルも機関部から煙をだしていた。☆★☆★☆(……戦闘2時間後)「提督、あれをご覧ください!」「お?」「惑星破壊砲ポコね!」 砲術長がいうとおり、クレーメンス達が持っていた惑星破壊砲は、シェリオ伯爵が地球の近くまで運んでいたようだった。 2kmの長砲身砲の艦長も、私に降伏を打診してきていた。 ……もちろん受諾する。「何に使うつもりだったポコね?」……それは怖くて、想像したくない。「しかし、敵はもう惑星破壊砲を持っていないのではありませんか?」「あ、そうか!?」 ……副官殿に言われて、はっと気づく。 情報筋に寄れば、惑星破壊砲の製造は二基。 一基は以前にハンニバルが破壊していたのだ。 ひょっとして、クレーメンス側は、もう惑星破壊砲を持っていない? ……これは戦略的に凄く大切なことだった。 クーデター以後、さして戦力を持っていないクレーメンス側が多数の星系を支配していたのは、この砲の影響だったのだ。 惑星を安易に残骸にできるこの砲の威力の前には、有人惑星の為政者が歯向かえないのは自明の理だったのだ……。「このことは、すぐにパウリーネ様にお伝えしろ!」
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