「ありがとう、お母さん。でも、わたしが今持ってるコスメだけでできるかな?」 わたしは今ありったけのコスメが詰め込まれたポーチを座卓の上に置いた。その中身を確かめた母が「うん」と大きく頷く。 「大丈夫、問題ないわ。任せなさい。お母さんもね、お父さんと一緒にいた頃は自分が持ってるコスメだけでお化粧頑張ってたんだから」 「そっか……、そうだよね」 さすがは経験者だ。母の言葉にはものすごく説得力があるし、安心して任せられそう。 母はまずは化粧水とクリームでわたしのお肌のベースを作り、それからクッションファンデーションを塗っていく。普段は自分でメイクをしているけれど、他の人にメイクをしてもらったのは美緒にメイクレッスンをしてもらった時以来だったので、やっぱり何だか不思議な感じがする。 さらに、その上からフェイスパウダーをはたいてベースメイクは完了。次はアイメイクに移る。 「必要なのはマスカラとアイライナーと、アイシャドウね。ちゃんと持ってるじゃない。使ってないみたいだけど」 「うん、マスカラはともかくアイシャドウとアイライナーはほとんど使う機会ないから」 「あら、もったいない! 今日は華やかな場だから、思い切って目元の印象もガラッと変えちゃいましょう。アイラインはブラウンで、シャドウは……そうね、ピンクゴールドで行きましょうか」 母は慣れた手つきでマスカラを塗り、アイラインを引き、瞼にピンクゴールドのアイシャドウを塗ってくれた。 「……アイメイク、で
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