Todos los capítulos de 溺愛御曹司の恋愛指南♡ ~初恋女子はお坊っちゃまから愛されすぎる~: Capítulo 51 - Capítulo 60

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二十三年ぶりの再会 Page5

「ありがとう、お母さん。でも、わたしが今持ってるコスメだけでできるかな?」  わたしは今ありったけのコスメが詰め込まれたポーチを座卓の上に置いた。その中身を確かめた母が「うん」と大きく頷く。 「大丈夫、問題ないわ。任せなさい。お母さんもね、お父さんと一緒にいた頃は自分が持ってるコスメだけでお化粧頑張ってたんだから」 「そっか……、そうだよね」  さすがは経験者だ。母の言葉にはものすごく説得力があるし、安心して任せられそう。  母はまずは化粧水とクリームでわたしのお肌のベースを作り、それからクッションファンデーションを塗っていく。普段は自分でメイクをしているけれど、他の人にメイクをしてもらったのは美緒にメイクレッスンをしてもらった時以来だったので、やっぱり何だか不思議な感じがする。 さらに、その上からフェイスパウダーをはたいてベースメイクは完了。次はアイメイクに移る。 「必要なのはマスカラとアイライナーと、アイシャドウね。ちゃんと持ってるじゃない。使ってないみたいだけど」 「うん、マスカラはともかくアイシャドウとアイライナーはほとんど使う機会ないから」 「あら、もったいない! 今日は華やかな場だから、思い切って目元の印象もガラッと変えちゃいましょう。アイラインはブラウンで、シャドウは……そうね、ピンクゴールドで行きましょうか」  母は慣れた手つきでマスカラを塗り、アイラインを引き、瞼にピンクゴールドのアイシャドウを塗ってくれた。 「……アイメイク、で
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二十三年ぶりの再会 Page6

「――それじゃ、寛斗さん。娘をお願いしますね」 「はい。じゃあ若ちゃん、行こうか」 「あ……、はい。っていうか寛斗さん! 母の前で『若ちゃん』呼びはやめて下さいって言ったじゃないですか!」  わたしとの約束を忘れ、思わず母と同じ呼び方をした彼をわたしは小声で窘める。 「…………あ、そうだった。ゴメンゴメン」 「あら、寛斗さんも若菜のこと『若ちゃん』って呼んで下さってるのね」 「……はい、すみません。ついポロッと普段のクセが出てしまって。お母さまの前では『若菜さん』と呼ぶように言われてたんですが……」 「いえいえ、いいんですよ。お付き合いしてるんだもの、他人行儀に呼ばれるよりその方がしっくりくるわ。これからも、私の前でも遠慮なく『若ちゃん』って呼んで差し上げて下さいね。それじゃ若ちゃん、行ってらっしゃい。楽しんでらっしゃいね」 「うん。ありがとう、お母さん。じゃあ、行ってきます」  今日買ってもらったばかりのヒールの高い靴を履き、これまたパーティー用に買ってもらった小ぶりのバッグを持って、わたしは寛斗さんの腕に掴まりながら共用部分の廊下を進んでいく。 ちなみに、バッグにはハンカチとポケットティッシュ、コロンの入ったアドマイザー、お財布とスマートフォン、そしてフェイスパウダーのコンパクトとマスカラと口紅だけが入っている。 「若ちゃ
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お嬢さまじゃなくても Page1

「若菜……、すっかりキレイになって、もう立派な大人の女だな。今日は連城寛斗君と来たのか」 「はい。寛斗さんが元々招待されていて、わたしも同伴という形で出席できることになったんです」  実の親子のはずなのに、わたしと父の会話はどこか他人行儀だ。でも、それは仕方のないこと。わたしたちの間には、二十三年もの空白期間があるのだから。 「そうか……。すまなかった、若菜。お前にも、香苗にもつらい思いをさせてしまって。今日も表立っては招待できなかった」 「いえ。離婚の経緯は寛斗さんから聞きました。わたしと母を守るためだったんですよね? 債務が母とわたしにまで及ばないように、別れることにしたんだ、って聞いてます。ね、寛斗さん?」  わたしの言葉に、隣に立っている寛斗さんも「ああ」と頷いた。 「若菜さんには、本当のことを知っていてほしくて僕から話したんです。若菜さんのお母さま……香苗さんにもお会いしましたよ。離婚後は二人で公営住宅に住み、フルタイムで働きながら若菜さんをここまで立派に育てられたんです」 「お母さん、お父さんのこと恨んでないって言ってました。むしろ、どうして相談してくれなかったんだって、それが悔しかったって言ってましたよ」 「そうか、香苗がそんなことを。……あの頃、私は自分のことだけで精一杯だったからな。せめて、若菜の将来のことでお母さんに苦労をかけたくなくて、私は自分の個人財産から二億をお母さんの口座に移したんだ。お前の養育費と、せめてもの罪滅ぼしのつもりでな」 「それも聞いて
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お嬢さまじゃなくても Page2

 二十三年の時を経て、父はこうして公の場でわたしのことを娘として紹介してくれるらしい。それはもちろん喜ばしいことでもあるのだけれど、すなわち〝鴻上グループのお嬢さま〟として周囲から認識されるということでもある。わたし自身はまだ、「お嬢さま」であるという事実を受け入れられていないのだ。 そんなわたしの心中を察してくれたらしい父が、わたしに穏やかな口調でこう言った。 「お前が不本意だということは、私も分かっている。だから、自分の思っていることは自分の言葉でみなに伝えなさい」 「そうですね。そうします」 「うん。では、行こうか」 「……若ちゃん、俺は席で待ってるよ。それとも近くにいた方がいいかな?」  父がわたしを促した時、寛斗さんがわたしにこっそり訊ねた。 「できれば、近くで見ていてくれた方が安心できます」 「分かった。じゃあ俺、ステージのすぐ近くで見てるよ。スピーチ頑張って」 「はい」  わたしと父がステージの袖へ移動したところで、司会進行の男性から――きっと鴻上グループの社員の人だろう――この会の開会宣言がされ、父が呼ばれた。 『では鴻上会長、開会のご挨拶をお願いいたします』 『うん。――会場にお集りの招待客のみなさん、本日は当グループの創立六十周年パーティーへようこそお越しくださいました。私が鴻上グループ会長の、鴻上洋太郎です。祖父が創立致しました当グループも、おかげさまで本年で六十周年の節目を迎えることができました。これはひとえに社員一同の日ごろの努力と、皆様のご協力の
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お嬢さまじゃなくても Page3

「――お父さん、ごめんなさい。さっきステージで話してたことが、わたしとお母さんの正直な気持ちなんです。再会できたからって、今すぐ鴻上家に呼び戻されても困るの。わたしもお母さんも、今の会社を辞めたくないから……」  会場のフロアーに下りてきた父に、わたしは改めて自分の素直な気持ちを打ち明けた。 「そういうことなら、無理に戻って来いとは言わないさ。この二十三年間で、お前とお母さんは別の暮らしをしていたんだから。ただ、いつかは戻ってきてほしいと思ってる。その時には会社を辞める必要もないし、後継にはグループ内の役員を指名すればいいだけのことだから、お前が気にする必要はない。お母さんにもそう伝えてくれ」 「……はい」 「その代わりといっては何だが、これからは時々会ってくれないか? 親子として。……そうだ、お父さんと連絡先を交換しておこう。構わないかな、寛斗君?」  父はわたしとの連絡先を交換するのに、寛斗さんの許可を求めた。親子なんだから別に娘の彼氏にお伺いを立てる必要もないと思うのだけれど、一応彼(寛斗さん)の沽券も気にしてのことだろうと思う。 「ええ、僕は構いませんが。……若ちゃん、どうする?」 「わたしは大丈夫です。お母さんにも伝えておいて大丈夫、お父さん?」 「ああ、構わんよ。父親と連絡先を交換しただけなら、お母さんだって何も言わないだろう。私とお母さんは嫌いで別れたわけじゃないからな」 「……うん、そうだね」  わたしから自然と敬語が抜けた。やっとのことで、この人が自
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お嬢さまじゃなくても Page4

 ――わたしたちはその後、ウーロン茶をお供に美味しいお料理やデザートをたくさん味わい、楽しいひと時を過ごした。  その間に父が祖父を伴ってわたしと寛斗さんのテーブルまでやって来て、「この人がお前のお祖父さんだよ」と紹介してくれた。 二十三年前、父の会社が傾きかけた時に一切の援助をしなかったという話を聞いていたので、もっと怖い人なのかと思っていたけれど。わたしに対しての接し方は優しいおじいちゃんそのもので、「お祖父さま」と呼ぶと嬉しそうに微笑んで「やあ、若菜。よく来てくれたな」と言ってくれた。父に対しては厳格でも、孫娘のわたしのことは可愛がってくれていたらしい。 そんな祖父は今八十歳だと寛斗さんが教えてくれた。ちなみに、父は現在五十歳の母より三歳上の五十三歳らしい。「で、君は確か連城家の……寛斗くんだったな。洋太郎から聞いたよ。若菜と結婚を前提にして付き合っているとな」「……はい。若菜さんのことは僕が絶対に幸せにすると、ここでお約束します」「うんうん。私の可愛い孫娘をよろしく頼んだよ」「はい」 寛斗さんの返事を聞いて、祖父は満足そうにまた「うんうん」と大きく頷いた。「若菜、今日は会えて嬉しかった。香苗さんにもよろしく伝えてくれ」「分かりました、お祖父さま。母にも伝えておきます」 父にはやっと敬語が抜けたけれど、祖父にはまだどう接していいか分からず敬語になってしまう。そんなわたしに、祖父は困ったように苦笑いした。「おいおい、おじいちゃんに敬語はやめてくれよ。お父さんには敬語が抜けたんじゃなかったのか?」「……あ、そうだよね。おじいちゃん、お母さんにも、おじいちゃんが元気だって伝えとくね。……おじいちゃん、お母さんには優しかったんだよね? お父さんには厳しくても」 父は実の息子だし、同じ経営者として厳しく接していたんだと思うけれど、母にはきっとそんなことはなかったはず。だって、孫であるわたしにも優しいから。「ああ。香苗さんは洋太郎の嫁としてもよくやってくれていたよ。おじいちゃんは香苗さんと若菜、お前のことは気に入っとったからな」「そっか……。おじいちゃん、わたしも今日は会えて嬉しかった。ありがとう、元気でいてくれて」 わたしと握手をすると、祖父は父と共に自分たちのテーブルへ戻っていった。祖父の手はシワだら
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お嬢さまじゃなくても Page5

「――寛斗さん。わたしちょっと……お手洗いに行きたいんですけど」  マナーを考え、わたしはモジモジしながら小声で彼に訴えた。美味しいお料理を堪能した後、館内の冷房が効きすぎていたせいかちょっと体が冷えてきたのだ。 「分かった。じゃあ一緒に行こうか」 「い……っ、いえいえ! 大丈夫です! 一人で行けますから! もうこの靴にも慣れてきましたし」 「っていうか、俺も行きたいから」 「あ……、はい」  というわけで、わたしたちは二人揃って席を立ち、バンケットルームを出たところにある化粧室に行くことにした。もちろん男女別々である。  今日使われているバンケットはたまたま一ヶ所だけだったので、化粧室はそれほど混んでいなかった。 用足しを済ませて手を洗っていると、同じパーティー会場にいた寛斗さんと同年代くらいの女性たちが何やらヒソヒソ話している声が聞こえてきた。よせばいいのに、わたしはついつい聞き耳を立ててしまう。  「それにしても、ビックリしたわよねー。洋太郎会長に娘がいたなんて。それも、会うのは二十三年ぶりだなんて」 「あの子、ホントに会長の娘なのかな? 財産目当てで近づいて来た女なんじゃないの? 口では上手いこと言ってたけどさ。『鴻上の家に戻る気はない』とか何とか」 「ねえ? だって、会長ってずっと独身だと思ってたもん。離婚してたのは知ってたけど」 「あーあ、でもガッカリだなぁ。あたし、会長の
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お嬢さまじゃなくても Page6

「――若ちゃん、大丈夫か? あんな連中の言うことなんか気にしなくていいよ」  わたしがショックを受けているんじゃないかと、寛斗さんが気遣ってくれた。 「はい、そうですね。わたしなら大丈夫です。気遣ってくれてありがとうございます」 「若ちゃんはさっきああやって彼女たちに立ち向かっていったけど、ホントはショックだったろ? 『ニセモノ』なんて言われたら傷付くよなぁ。俺は実際にそうだから別にいいけど」 「寛斗さん、前にも言いましたけど、あなたはニセモノの御曹司なんかじゃないです。社長とは血の繋がりがないっていうだけで、立派なお坊っちゃまで後継者であることに変わりはないじゃないですか」  少し諦めたような表情で肩をすくめた彼を、わたしは窘めた。こうやってすぐに自分の境遇を卑下したがるのは、彼の悪いクセだと思う。 「……そうだったね。俺も、そろそろ君みたいに向き合わないといけないな」 「向き合うって……」 「義父さんと。養子だってことを気にしてるのは俺だけなのかもしれないな。向こうはちゃんと父親として俺と向き合おうとしてくれてるのに。義母さんだって、こうして一人前の大人になるまで育ててくれたわけだし」 「そうで
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追う恋と追われる恋 Page1

 ――翌日出社したわたしは、経営戦略部のオフィスに入ってすぐ寛斗さんに呼ばれた。 「おはよう、佐々本さん。今からちょっと俺についてきてくれる? 社長が君を呼んでほしいって」 「おはようございます。……えっ、社長が? 分かりました」  挨拶もそこそこに、デスクの上にバッグを置いたわたしは寛斗さんについて社長室のある最上階の重役フロアーへ向かうことになった。 「――若菜、社長があんたに何の用だろうね?」 「さぁ? わたしにも分かんないけど、とりあえず行ってくるね」  首を傾げた美緒に短く答え、わたしは寛斗さんの後をついていく。重役フロアーへ上がるのは、新入社員として重役のみなさんに挨拶をして回っていた二年前以来のことだ。もちろん、社長と直接お話をする機会もほとんどなかった。 「……あの、寛斗さん。社長がわたしに何のご用なんでしょうか……?」  重役フロアーへ上がって行くエレベーターの中で、わたしは彼に恐る恐る訊ねた。もちろん、ここにはわたしと彼の二人だけだ。 「ああ、別に怒られるとかそんなんじゃないから安心していいよ。実はものすごく個人的な用でね、俺が君と付き合ってることを昨夜打ち明けたら、『ぜひ直接会って話したい』って。この会社の社長としてじゃなく、俺の父親としてね」 「……そうなんですか」  これを「公私混同だ」と言ってしまえばそれまでだけれど、社長とは多分この社内でしか話す機会がないだろうから、こうするしかなかったのだろう。
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追う恋と追われる恋 Page2

 ――社長室の前に着くとドアのまえに秘書の男性が立っていて、寛斗さんの顔を認めると「どうぞ、お入り下さい」とわたしも一緒に入室することを許してくれた。 「――義父さん、彼女を連れてきたよ。俺の部下で、経営戦略部の佐々本若菜さん。俺は『若ちゃん』って呼んでるけど、彼女は鴻上洋太郎さんのお嬢さんなんだ。知ってるだろ?」 「ああ、君が……洋太郎の。キレイになったなぁ。ウチの寛斗と付き合っているそうだね」  社長はやっぱり父のことも、父の娘であるわたしのこともご存じだった。きっと、父が会社を立て直すために苦労してきたこともご存じなのだろう。もしかしたら援助を申し入れられた……なんてこともあるのかもしれない。 「はい。社長とこうして直接お話をするのは、二年ぶりになるでしょうか。最初は寛斗さんの方がわたしに好意を寄せて下さっていたみたいで、わたしも次第に彼に惹かれていってお付き合いを始めました」 「そうか。始まりは寛斗の〝追う恋〟だったわけだな。……若菜さんだったな。君もよく知っているだろうが、寛斗は幼い頃から――君がまだ鴻上の家にいた頃からずっと一途に君のことを想い続けてきたんだよ。二十三年という……いや、もっと長い時間な。あまりにも途方がなさすぎて、途中で諦めそうにもなったことが何度もあった。他の女性と交際し、関係を持つことで君への想いを断ち切ろうとしたこともあったんだ。でも結局は、君のことを諦めきれずにその女性と破局した。それくらい、寛斗にとって君はずっと大切な存在であり続けたということだな」 「……はい。ですがわたし、寛斗さんに女性経験があってもショックは受けません。今、彼が愛してくれているのはわたしだけですから
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