บททั้งหมดของ 勇者と魔王(♀)のダンジョン配信 〜平凡になりたい元勇者、ポンコツな元魔王のために配信で無双したらバズってしまった~: บทที่ 11 - บทที่ 20

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第11話 魔王様、レスバする

 ダンジョン配信の後。土曜日の夕方。俺たちは黒乃の家で次の配信の打ち合わせをしていた。 黒乃はノートパソコンで何やら作業をしている。持ち運びに便利だから、デスクトップパソコンではなくこちらを使っているらしい。「ねぇ真央くん、Wikiのコメント欄でも私たちのことが話題になってるよ」「まあ……そうだろうな」 あまり見ないようにしているのだが……。 それでも多少は気になった俺は、Testing_Roomの話題について語り合っているWikiやまとめ記事の匿名コメント欄を覗いてみる。> Testing_Room好き> あのパンダ、中身は絶対Sランク探索者> ただものじゃないのは確かだな> なんで着ぐるみなんだろう> 助手ちゃんかわいい推せる> 賛否あるけど、俺は応援してるぞ 読んでいくと、意外と好意的な意見が多かった。 というか、一番多いのは俺の異様な戦闘力を考察しているコメントだったが。> 0.25倍速で再生したけど、オーガを仕留めるときのパンダの踏み込み、マジで達人のそれだぞ> 着ぐるみのせいで顔どころか体型も骨格も、関節の動きも見えないから特定は厳しい> ふざけているように見せかけて、よく考えられた企画だよな> あのパンダの反応速度、本当に人間か? 新種のモンスターが着ぐるみかぶってるんじゃないのか? それから、黒乃のことも書かれていた。> 陰キャを隠しきれてない助手ちゃんかわいい保護したい> そんな助手ちゃんの、ときどき出る覇気のある声と口調好き 目立ちたくないという気持ちはもちろんあるが、応援してくれる人が多いのは素直にうれしいことだ。 だが、そんな和やかな雰囲気も最初のほうだけだった。知名度が上がってきたためか、最新の投稿では、あまり見たくないコメントも増えていった。> どうせ合成映像だろ> ヤラセ乙> 【悲報】ギルド、こんなふざけたチャンネルを野放しにする> クソ配信者 こういうシンプルな罵倒のようなものだったらまだいい。 だが、単純にそう切り捨てられないものもあった。> こういうふざけた配信チャンネルがあるから、真似しようとするやつとか、ダンジョンを舐めてかかるやつが増えるんだよ> 命懸けでダンジョンに挑んでいる人たちもいるのに……一度痛い目を見ればいいと思う こういうコメントは、心に来る。 こ
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-06-05
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第12話 その美少女はアンチ?

「とにかく認められません! あんな……パ、パンダが……」 銀鈴のような綺麗な声で、白銀髪の少女が叫んだ。 しっかりと背筋を伸ばした、凛とした立ち姿。整った顔だち。年齢は俺たちと同じくらいだろうか。背中には身の丈ほどの長槍を背負い、左腕にはコンパクトな中型盾を装備している。まるで神話に出てくる戦乙女のような隙のない出で立ちだ。 受付で、何やら揉めているようだが――。 パンダ? パンダといったら、もう無関係ではいられない予感がする。「あのような奇怪な着ぐるみがAランク探索者など、言語道断です!」 …………。 やべぇ、アンチだ。 状況を察した俺はとっさに隠れようとするが。 そのとき、黒乃がトンッと一歩前へと踏み出した。「痴れ者がッ!」 抗議の声に負けないくらい声を張り上げる黒乃に、俺も白銀の少女もビクリと肩を震わせた。「控えよ! 白と黒の愛らしい姿を奇怪と申すか。かの崇高な魅力を理解せぬとは、貴様の目は節穴か!」 ここでお前がキレるのかよ! 自らアンチのヘイトを稼ぎにいってどうする!?「な……なんという威圧感」白銀の少女が、黒乃の放つ異様なプレッシャーにわずかに怯む。「その声……もしや、あなたたちがパンダの着ぐるみの配信者なのでは?」 うっ。勘がいいな、こいつ。 そこでハッと正気に戻った黒乃が、まるで人形のようにぎこちなくギギギ……と、おそるおそる俺のほうへと振り返る。「ま、真央くん……どうしよう……」 いまさら何言っているんだ、こいつ。 上目遣いの涙目で見てくるのが、やっぱりかわいいから調子が狂う。 周囲を見回すと、まだ人は少なく、ロビーに設置された椅子から三人ほどこちらをチラチラと窺う者がいるくらいだ。 仕方がない。俺の後ろに隠れてしまった黒乃の代わりに、銀髪少女へと返答する。「……そうだ。俺たちがTesting_Roomの配信者だ。……いちおう、顔出ししていないスタイルだから、声を低めてもらえると助かる」 その言葉に、白銀の少女は少し慌てながら。「あ。し、失礼しました。わたくしも配慮に至らず……」 おや。意外と話が通じるかもしれない。 なんて思ったのだが。「しかし、わたしはあなたたちのことを許容できません……。あんなふざけた配信……最新アイテ
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-06-06
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第13話 Aランク昇格試験

 そうして、俺たちTesting_RoomのAランク昇格試験、その試験官をアンリが務めることに決定した。 時刻は昼前。俺と黒乃とアンリは、ダンジョンの入り口で落ち合った。 ダンジョンの外観は、古代地下遺跡といったところだろうか。入り口にはすぐ下り階段が続いており、どれだけの深さと広さがあるのか推し量ることは難しい。「……これが、Aランクのダンジョンか」 ランクが二つも上なだけあって、Cランクのものよりもずっと難度が高そうだ。出てくる敵も相応に手強いのだろうか。 そうして遺跡を眺めていると、すでに準備を済ませていたアンリが俺たちに声をかける。「Testing_Roomの天馬真央さん、結城黒乃さん」「ああ」「は、はい」 呼びかけに応じて三人が集合すると、アンリは真摯な瞳を俺と黒乃に向ける。 鎧を着込んだ彼女は、まさに騎士といった装いだった。 動きやすさを損なわない程度に胸元を覆った|半《ハーフ》|胸当て《ブレストプレート》。それに対し、ウエスト部分を覆っているのは薄いコルセットのような衣服だったが、魔力感知スキルを使うと、あれも防御力のある魔法の防具なのがはっきりとわかった。 そして、頭部にはしっかり|兜《ヘルム》も着用している。目元を守るバイザーは上げられているが、戦闘時には下ろして顔への攻撃をしっかり防御するのだろう 全身、隙のない装備。 まるで異世界アルトヘイムの戦士のようだ。 その美しさに、懐かしさもあって、俺はつい見惚れてしまった。「あらためまして、わたくしアンリエット・N・白崎が、あなたたちの試験官を務めます」 白銀の少女騎士が胸元に手を当てて、丁寧にお辞儀をする。 真面目だ。内心では俺たちのことをよく思っていないはずなのに。 かと思えば、顔を上げた瞬間、キッと俺たちを睨みつけてくる。「わたしが必ず、あなたたちの化けの皮を剥いでご覧に入れます」 ……やっぱり敵意丸出しだった。 俺は苦笑しながら、パンダ着ぐるみを取り出す。「わかった……じゃあ行こうか」「あ、ちょっと待ってください」「……なんだ、まだ何かあるのか?」「えっと、その……」 アンリが、頬をわずかに桃色に染めながら瞳を背ける。「……試験官のお役目を務めるのは、わたしも初めてなため、至らないところがあるかもしれませんが……どうか、ご容赦を」 緊
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-06-07
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第14話 パンダ勇者、快進撃!

 遺跡のダンジョンの奥へ。砂埃にまみれた石畳を進んでいくと、またも俺たちは魔物に遭遇した。 今度はオーガよりも巨体、ずんぐりした体躯の巨人と、簡素な杖を持った魔術師風のゴブリンたちだ。「相手はトロールとゴブリンシャーマンです。行けますか、天馬さ……いえ、パンダさん」 律儀にパンダと呼んでくれるアンリに、俺は答える。「問題ない。また、科学の力を見せてやるよ」「……お手並み拝見いたしましょう」 俺が前に出ると、ゴブリンシャーマンたちが甲高い耳障りな声で呪文を唱え始めた。「ここはアレを使うか……助手!」「はい、パンダくん!」 黒乃が差し出したアイテムを、俺は受け取って構える。> どう見てもビニール傘だろwww> いま一瞬だけ映った手は、助手ちゃん?> 手きれい「絶対防御アンブレラ、展開!」 バサッ! 俺はその先端をゴブリンシャーマンたちに向け、実にアナログなボタンを押して、ビニール傘を開く。 直後。 ドォォォンッ! という強烈な爆音が連続して響き渡った。 あらかじめ展開していた結界魔法が、ゴブリンシャーマンたちの放った超圧縮された炎の塊から、俺と傘を守る。「ファイアボールを防ぎました!」黒乃がうれしそうに解説する。「あれが最新アイテム、電磁反発式・絶対防御アンブレラです!」 それを見たアンリは、困惑した表情を浮かべる。「あれも……最新アイテムの力……? しかし、これは……」 俺はドヤ顔でカメラのほうへと振り返った。まあパンダ頭だから表情は伝わらないが。 その直後、背後から迫っていたトロールが――。 くしゃみをした。「――ぶおおおおんっ!!」「うわっ」 その豪風により、俺の持つビニール傘が裏返ってラッパ型になる。「あ、最新シールドが壊れた……」 俺がつぶやくと、コメント欄が爆発する。> おちょこになったw> 絶対防御シールドじゃねぇのかよ!> ファイアボールは防げるのに、くしゃみは防げない最新シールド★【ミミズク】(¥10,000)新兵器、思わぬ弱点が露呈。しかし耐熱性は確か まあ、ビニール傘は破壊されてしまったが、そんな感じで俺たちは問題なくトロールどもを倒すことができた。 ★ 巨大な地下遺跡をさらに奥へと進むと、今度はトロールが三匹現れた。 ずんぐりした巨体が複数。見るだけでも、すごい圧迫感だ。
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-06-08
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第15話 勇者への憧れ

 広大な地下遺跡ダンジョンを、俺たちはさらに奥へと進んでいく。「わ、わたくしは、まだ認めたわけではありません」 そう切り出したのは、俺たちの試験官でもある少女騎士のアンリだ。「その、最新アイテムとやらのカラクリも、まだ見破っていませんから。わたしは必ず、あなたたちの強さのカラクリを暴いてみせます」「そうか。でも、ちゃんと試験はしてくれるんだろう?」「当然です」 当たり前のように答えたアンリの健気なほど真剣な表情を見て、俺は小さく笑みを浮かべた。 やっぱり真面目なやつだ。 パンダ姿の俺の隣を歩きながら、アンリが歌うようにつぶやく。「強さとは清廉でなくてはならない。強さとは正しくなくてはならない。強さとは……実直でなくてはならない」「……なあ、アンリはその年でAランクになるほどの実力なんだろう?」「はい。まだまだ若輩の身ですが、Aランクという栄誉をいただいています」「どうして……そんなに強さにこだわるんだ?」 他意はなく。俺はその強さの理由を知りたいと思った。 勇者ジェノが、転生前の俺が強さを求めたのは、ただ目の前の誰かを救いたかったから。その救うべき対象がだんだんと大きくなっていって、気づいたら世界の命運を賭けた戦いに挑んでいたわけだ。 アンリにも、何か強くなるべき理由があるのだろうか。 俺が尋ねると、アンリが銀鈴のような声でささやく。「……笑いませんか?」「内容によるな」 素直に答える俺に、アンリは少し迷った後に続ける。「……わたくしは、勇者に憧れているのです。かつて、幼い頃に母に読み聞かせていただいた物語に出てくる、勇者に……」 ここではない遠い場所で。 世界を脅かす魔王を相手に、一人の勇者が戦いぬき、ついには勝利をもたらす。 そんな、ありきたりな空想の物語。「……おかしいですよね。そんな御伽話に、いつまでもすがっているなんて。……それでも、わたしは勇者に恋焦がれてしまうのです」「……そうか」 まったく。どことなく昔の誰かさんに似ていると思ったら――。 俺は小さく、かすかにため息をついて、ぼそりとつぶやく。「勇者なんか、目指さないほうがいい」「え……?」 そのとき、黒乃が俺たちの会話に入ってくる。「どうしたの? 何の話?」「いや、べつに。……ちょっとした世間話だよ」 まあ、そんな他愛ない会話をしな
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-06-09
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第16話 深淵の蜘蛛たち

「で、試験は合格でいいのか?」 俺がそう尋ねると、アンリは少しだけ言葉を詰まらせた。「それは……」 言いかけたところで、俺は闘技場の隅にいる黒乃の呼吸が乱れていることに気づいた。「大丈夫か、助手!?」 俺が駆け寄ると、黒乃は胸元を押さえながら膝をついた。「はぁ、はぁ……真央くん……私……」「黒乃!」 俺は黒乃の体を支えるために触れると、危険なほど熱を帯びているのがわかった。 魔力が暴走している。魔王ヴェルヴェットの過剰な力が、体に強い負荷をかけているんだ。 容体を『勇者の真眼』で確認すると、その魂は体以上に強い負荷がかかっており、悲鳴を上げるように軋んでいた。 対症療法だが、まずは勇者の魔力を注ぐことで暴走した魔王の魔力を中和し、安定させなくてはならない。 俺が処置に移ろうとしたとき、背後で「パリィィンッ……!」とガラスが割れるような音が響いた。「なんだ?」 俺とアンリが振り返ると、闘技場の中央、その天井付近に巨大な空間の裂け目が生じていた。 まるで黒乃の魔力に反応したかのように。 その裂け目の奥、暗い紫色の闇の中から、八本の脚を持ち、全高だけでも人の背丈ほどもある、巨大な蜘蛛のような魔物が出現した。 その体色は、わずかに青みがかった黒。 深淵の、魔物だ。「あれは、ヴォイド・モンスター……!?」アンリが緊張の声を発する。> 深淵!?> Sランクの魔物、ヴォイド・スパイダーだ。それも複数!> どんどん出てくるぞ> さすがにこれは無理だ、逃げろ!> こいつらは速いから逃げ切るのも厳しいぞ> とりあえずギルドに救援を要請したが、間に合うか…… 深淵の蜘蛛は空間の裂け目から次々と溢れるように飛び出してくる。 その数はざっと十五以上。「い、一体だけでもSランク探索者の出動要請が出るというのに、この数……」 アンリの表情が絶望に染まる。 だが、それは一瞬のことだった。すぐに決意を持った瞳で目の前の魔物たちを見据えた。「天馬さん」 マイクが拾わないくらいの小声で、俺の名を呼ぶ。「ここは、わたしが食い止めます。あなたは、彼女を連れて逃げてください」 アンリが俺たちの前に、深淵の蜘蛛たちの正面に立つ。 戦闘時ゆえに兜のバイザーを下げて顔を覆ってしまったため、表情は見えないが、彼女の膝は震えてい
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-06-10
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第17話 勇者の雷光

 血を吐きながらうずくまるアンリへと、深淵の蜘蛛たちが群がっていく。 そして、鋭利な鋏角が彼女に襲い掛かる、その瞬間――。 俺は稲妻のような速度で駆け抜け、雷光をまとった鉄パイプで深淵の蜘蛛たちを薙ぎ払った。 吹き飛び、怯む魔物たちの眼前へと。俺はアンリをかばうように立ちはだかった。「……天馬、さん……」 呼吸すら困難なアンリは、息も絶え絶えに俺へと呼びかける。「逃げて……ください……。わたしに、構わず……」 まったく。 俺は小さく苦笑しながら、アンリのほうへと振り向いた。「天馬さん……!」「真央でいいよ」 俺は鉄パイプを片手に構え、勇者の魔力を込める。 その激情を表すように雷光がさらに激しさを増す。> スタンバトンだ……!> 頼む、パンダ! アンリ様を助けてくれ……! 不安げなコメント欄。 その中に流れる、俺を応援する声が、確かに見えた。 さて。黒乃の魂は安定させたから、後ろの心配はいらない。 あとは――目の前の絶望を、力づくでぶち破るだけだ。「まさか……戦う、つもりですか……?」「ああ。……よく見ていろ、アンリ」 パンダの姿じゃあ、ちょっと格好つかないかもしれないけど……。 これが、本当の勇者の力だ。 移動速度を上げる特技『ヘルメスの靴』で急加速をし、群れの中央へと一気に飛び込む。肉薄。そして、稲光をまとった鉄パイプが、眼前に迫った深淵の蜘蛛を斬り裂いた。 ノイズと黒霧になって霧散する蜘蛛。「まずは一体」 俺は飛び交う蜘蛛糸の隙間を縫うように潜り抜け、迫り来る脚部の一撃を身をひるがえして紙一重で回避。 反転する勢いを使って雷をまとった鉄パイプを一閃、深淵の魔物を粉砕する。「これで二体」 俺は突進してきた蜘蛛の頭を蹴って踏み台にし、高く跳躍。 闘技場の天井付近まで到達すると、落下の勢いのまま上段に構えた鉄パイプを振り下ろす。「これで、三体だ!」 落雷の一撃。 深淵の蜘蛛がノイズと黒霧を撒き散らしながら消滅する。「……この、光は……」アンリのつぶやく声が聞こえる。 よかった。ちゃんと見ていてくれているようだな。 かすかに微笑みながら、俺は無数に迫る蜘蛛糸を鉄パイプの一閃で蹴散らし。 稲妻を撒き散らしながら。深淵の蜘蛛たちを次々に葬り去ってい
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-06-11
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第18話 小さなハイキング!

 俺と黒乃とアンリは、電車を乗り継いで行った駅のそばにある、町外れのバス停で待ち合わせをした。 俺たちTesting_Roomと、Aランク探索者であるアンリエット・N・白崎のコラボ配信をするため。 今日の目的地は、山中の河辺にある『清流の洞窟ダンジョン』だ。電車からバスに乗り換えた上で、少し歩く必要がある。ちょっとした山登りだ。 黒乃とは最寄り駅で合流できたから、あとはアンリだけ。 晴れた空。草木を揺らす風を浴びながら、俺たちが電車を降りてバス停へと向かっていると。「あ、師匠! それに黒乃先輩!」 白銀の少女が、こちらに気づいて小さく手を振った。 ほんの一瞬だが、俺はそれがアンリではない別人だと錯覚してしまった。 理由はその服装にあった。上品な刺繍が施された白のブラウスに、紺色のロングスカート。シンプルかつ清楚なコーディネート。なんだか物腰も柔らかく見えて、鎧姿の勇ましさとのギャップに少しだけドキリとした。「アンリ!」黒乃もつられて手を振る。 俺たちが近づくと、アンリは胸元に手を当てて丁寧に一礼した。「本日は、お誘いいただきありがとうございます」「よろしくな、アンリ」「はい、師匠。ご指導よろしくお願いします」 改めて彼女のほうを見る。鎧を着込んでいない、楚々とした姿に、油断すると、思わず目が奪われてしまう。「……私服は、また雰囲気が違うな」「あ……はい。なんだか恥ずかしいです」「いや、恥ずかしいことはないさ。その格好も似合ってるよ」「ありがとうございます。……師匠も……その……パンダ姿でない素顔、とても素敵です……」 アンリはうつむいて頬を染める。なんだか俺まで恥ずかしくなってきた。というか、何を言っているんだ、俺は。 そんな二人のやりとりを、黒乃が交互に眺めて首をかしげる。「んー?」「なんだよ、黒乃」「べつに……なんか空気が甘いなって」 なんだその表現は。からかうような黒乃と、うつむいたまま顔をさらに赤くしているアンリ。 そんな二人のやり取りに、俺は少しだけ頬をかいた。 そうして合流した三人は、ちょうど時刻表通りに来たバスに乗り込んで目的地へと向かう。 二人がけの席の窓際に黒乃が、通路側に俺が座り、通路を挟んで反対側の席にアンリと、彼女の持ってきた大きな荷物が置かれた。「それにしても、すごい荷物だ
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-06-12
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第19話 パンダと騎士のコラボ配信

 水の流れる音が、暗い洞窟の中に小さく反響し続ける。 吸い込む空気は澄んでいて冷たい。壁や地面に生える|光苔《ひかりごけ》の煌めきに照らされた水路は、不思議なほど蒼い。「ここが、清流の洞窟ダンジョンか」 パンダ着ぐるみをまとった俺がつぶやくと、黒乃も感嘆のため息を漏らした。「綺麗な場所だね。……じゃあ、さっそく配信を始めましょう」「ああ。こちらは準備OKだ」「わたくしも……心の準備は済ませました」 アンリが最後に軽く深呼吸をする。 それを見守ってから、スマホを手にした黒乃がすらりとした指を三本立てる。「3、2、1、スタート!」 黒乃はスマホをタップして遠隔でドローンに指示を出すと、配信が開始された。 俺たちTesting_Roomとアンリエット・N・白崎のコラボということで、すでに配信画面を開いて待機していたリスナーも多いらしい。配信開始と同時に、すごい勢いでコメントが流れていく。> 待ってた> パンダァァァ!> クソチャンネル> またアンリ様とコラボすると聞いて★【ミミズク】(¥8,000)今回も期待> 異色の組み合わせすぎるw いつも通りのコメント欄。配信画面には、しっかりパンダ姿の俺が映っている。 それを確認したところで、黒乃が解説を始めた。「こんにちは。Testing_Roomです。今回は、清流の洞窟ダンジョンを科学の力で攻略していきます」> 助手ちゃん!> かわいい。かわいい。> 科学の力じゃなくてパンダの強さ> 今回のアイテムも楽しみ> 助手ちゃんは黒髪ロング美少女と予想「今回の探索メンバーは、パンダくんと、助手の私……そして! 皆さんお待ちかねの大物ゲストが来ています!」 槍と盾を手に、鎧をまとった少女騎士の姿が、配信画面に映る。 カメラが向けられていることに気づいたアンリは、微笑みながら丁寧に一礼した。「アンリエット・N・白崎でございます。この度はTesting_Roomのお二人にお誘いをいただき、馳せ参じました次第です」> アンリ様ー!> 美しい。絵画みたい> 初見です。アンリ様が出ると聞いて来ました 直前まで緊張していた様子だったのに、実際に本番が始まったら堂々とした挨拶。おそらく今もドキドキとしているのだろうけど、それを表に出すことなく『白銀の騎士アンリ』という自分を演じている
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-06-13
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第20話 お色気シーンなら間に合っている

「お色気シーンなら、間に合っている」 妙に同接数の増えている配信画面をちらりと見ながら、俺はスプレー缶を取り出した。 ラベルが見えないように色テープを巻きつけてある。「瞬間冷却スプレーだ」 まるで津波のように少女騎士へと襲いかかるクソデカ透明スライムに、スプレーを吹きかけながら、俺は小声で呪文の詠唱をする。「悠久なる氷結、絶対なる終焉――ズィ・レオ」 カメラに映らないように角度を計算して、超圧縮した氷属性の魔力をスライムへとぶつける。 直後、スライムが完全に凍りつく――どころか、周囲の空間ごと巨大な氷が包み込んだ。 冷気の余波は水路すら一瞬のうちに凍結させ、洞窟内に霜が降りる。> クリア・スライムが一撃で砕けたぞ> ダイヤモンドダストだ> 綺麗だなー> 最新科学でもこれは無理だろ★【ミミズク】(¥50,000)瞬間冷却スプレーの威力の素晴らしさたるや……。生み出された氷像も美しい。 単体最強の攻撃魔法ズィ・レオを使ってみたが……ちょっとやりすぎたか?「さ、寒い……」背後を見ると、黒乃がガクガクと震えていた。 若干、やらかしてしまった気がするが――気を取り直して、正面にいるアンリの無事を確認する。「だ、大丈夫か、アンリ?」 体に絡みついていた透明な触手たちは凍りついて砕けており、アンリは氷の破片に塗れて、ぺたんと座っていた。「はい……少し冷たいですが、大丈夫です。助けてくださりありがとうございます」 アンリは儚げに微笑む。「冷却スプレーの力、すばらしいですね」> パンダ師匠、弟子を救う> アンリ様がメスの顔してる……> この二人、推せる> ほんとにこれ冷却スプレーなの? 俺は手を差し出してアンリを助け起こす。そのとき、耳元でアンリが小さくささやいた。「見事な魔法でございました……真央師匠」 やっぱり、さすがにアンリにはバレてしまうか。 その言葉には何も答えないまま、俺は二人を連れて霜の降りた岩場を歩いた。 ◆ 洞窟をさらに進むと、大きめの広間に出た。足元はところどころ水没しているが、魔法で確認してもトラップなどはなさそうだ。「こういう場所では、だいたい大型の魔物が出ると相場が決まっている」 俺がつぶやいた直後。爆音とともに岩壁を粉砕しながら巨大な甲殻類が出現した。 その見た目は……|蟹《か
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-06-14
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