第261話 誰よりも貞操を守る男 美月は急いで出ることもなく、自分のオフィスに戻ってから、ようやく電話に出た。 通話がつながると、蓮のどアップの顔が、画面いっぱいに映し出された。 「ようやく出た……」 その声には、いつもにない悔しさが滲んでいた。 美月は驚いて目を瞬かせた。 「……ど、どうしたの?」 「早く早く。スマホこっちに向けて。お前の顔、見せてくれよ。目を洗いたいんだ……」 美月は困惑した。「……?」 ――何なの? 何を洗うっていうの? 「この世界、マジで危険すぎる。男だって危ないんだぞ。危うく、お前の旦那は……目が潰れるところだった……」 美月は絶句した。「……」 ――全然わからない。 美月は深く息を吸い、真っすぐに尋ねた。 「何があったの?」 「言うけど……まず怒らないでくれよ! 夜さ、女が一人、俺の部屋に忍び込んできたんだよ。もう、マジでびっくりした……」 美月は言葉を失った。「……?」 ――つまり、その女が自分から抱かれに来たってこと? 「安心しろ。俺の貞操は守った。ろくに見もせず、すぐに追い出させた」
Terakhir Diperbarui : 2026-10-10 Baca selengkapnya