途端。 魔獣が放つ輝きが弾けたように炸裂すると、視界が真っ白に奪われた。今まで経験したことのない光量に目が眩み、ただでさえ動きを制限されていた私は完全にその場で縛りつけられる。 戦闘において視界に対する依存度はあまりに高い。世には音や気配だけで戦闘を行える達人が存在するが、そのような訓練は受けたことがない。従って、私はこの瞬間において無力である。両腕を顔の前で交差させて盾を模すことが唯一の抵抗だが、ひび割れた鎧がどれほど役に立つか。 今度こそ、諦め時ということだろうか。いくら体が丈夫と言えど、こればかりは仕方がない。なにせ無抵抗の頭部があるのだ。どうにかなるものではないという苦い諦めが胸を覆う。 滲み出た汗が頬を伝い、そして落ちる。先ほど水浴びをしたばかりだと言うのに。 考えるのをやめて、大きなため息をひとつつく。 すると不思議な沈黙が訪れた。あれほど喚いていた魔獣はいつの間にかすっかり黙り、代わりに聞こえるのは喘ぐような呼吸音だ。焼けるよう暑さは少しずつ下がりつつあり、正常な空間に修正されていく。 文字通り渾身、という様を見せつけたのだ。何事もないはずがない。だがどうだろう。現に放熱は収まり、空間の振動は既にない。 唐突過ぎて事が呑み込めなかった。対処を諦めていた攻撃が突然消失したのだ。考えれば考えるだけ分からなくなる。 やがて拭い去ったように視界の白さが回復すると、果たしてそこにいたのは断続の急な呼吸で項垂れる魔獣の姿だった。力なく腕を前に垂らし、その佇まいには影を差しているように見える。炎熱による攻撃を受けていたのは確かに私だったはずだ。それによって私はその場に縛り付けられ、溶けてしまいそうなほどの熱で苦しんだ。まさか自傷する魔法を放つとは考えづらい。優位性は、たしかに魔獣にあったのだ。 であれば、考えられるのは自らを巻き込むほどの渾身の攻撃。しかし私を殺す前に自分が限界を迎えてしまった。私が至れるところはそこだった。もしかしたら疲弊していることが嘘である可能性もあるが、炎熱の影響から私が回復する時間を与えてしまっている。演技ならば視界を奪っている最中に攻撃しているであろうことから、その線は薄い。 どのみち、この猶予を無駄
Terakhir Diperbarui : 2026-09-05 Baca selengkapnya