「ここ2年間、一度も足を踏み入れていないんです」とヴァーノン夫人は説明した。「以前は母の作業場だったんです。母は裁縫師でした。母が亡くなった後、私はそこに触れる気になれませんでした。でも、何かに活用しなければなりませんよね。」エリーズはゆっくりとメインルームに入り、指先でざらざらした壁をそっとなぞりながら、窓ガラスを通してきらめく光を眺めた。円形に並べられた椅子、壁に貼られたポスター、座って話したり耳を傾けたりする女性たちの姿が、すでに目に浮かんでいた。彼女はヴァーノン夫人の方を振り返った。「家賃はいくらを希望しますか?」老女は彼女を見て、しわだらけの顔に微笑みを浮かべた。「ルソー夫人からあなたの話を少し聞きました。あなたのやっていることは素晴らしいですね。では、家賃は控えめにしましょう。本当に控えめに。光熱費込みで月400ユーロです。」エリーズは喉に何かが詰まったような感覚を覚えた。400ユーロ。これまで訪れたどの場所よりもずっと安い金額だったが、同時に彼女が期待していた金額をはるかに上回っていた。「ヴァーノン夫人、大変ご厚意をありがとうございます。本当に。」「まあ、お金が全てじゃないわ。母が自分の工房が女性たちの役に立っていると知ったら、きっと誇りに思うでしょう。」賃貸契約は翌週に締結され、土曜日の朝、工事が始まった。ジュリアンは道具、筆、絵の具の入った容器を持って現れ、何かプロジェクトに取り組むときにはいつも見せる穏やかな笑顔を浮かべていた。「さて、どこから始めましょうか?」彼らはまず、古いリノリウムを剥がし、壁をやすりで磨き、窓を洗うことから始めた。ソフィーは日曜日に、明るいプレイリストと溢れるエネルギーを携えて手伝いに来た。ジュリアンの妹、クレールは、備品購入のための小切手を送ってくれた。グランデ氏は、事務所で不要になったオフィス家具を寄贈してくれた。クレマン弁護士は、毎月法律相談会をボランティアで開催することを約束してくれた。少しずつ、その空間は形になり、埃っぽい作業場だった場所は、温かく、色彩豊かで、活気に満ちた場所へと生まれ変わった。
Leer más