Tous les chapitres de : Chapitre 11 - Chapitre 20

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屈辱で遺憾でも我慢する

「屈辱です、遺憾です」「ハルは難しい言葉を知ってるんだな」「知りません!」 全員がユニーク化するまで一時間もかかっていない、まだまだ夜はこれからと言った時刻だ。「けど、都合が良いだろう?」「く、ぅ……」 都合が良いという事実が屈辱感を増しているんだろう。否定できない苛立ちってのはあるもんだ。 悔しげな顔をしつつ俺の身体を脚でしっかり掴み、ドーラを目指して夜の草原を飛んでいる。 ぶらんぶらんと吊り下げられている姿は何とも情けないモノになっているんだろうな。 スラピィは他のハーピーの頭に乗っていて、フォウは俺と同じように。 さっき目があったけど、俺とは違って可愛く首を傾げられただけだった。 ともあれ目論見通り、と言ったところか。  ハーピー達は予想通り、夜目の問題を克服した。 姿も胸部から腹部にかけてのみ人間だったというものから、腕と脚、耳が大きな一枚の羽根みたいになっている以外はほぼ人間と変わりないものに。 ……要するに人間にとって恥ずかしい部分はもろ出し状態になったわけだ。 内心狂喜乱舞のエロエロ光景祭りではあったが、残念なことに羞恥心も芽生えたようで、草を編んだ下着のようなものを身につけられた。 まぁ、隠しきれないで時折俺の視線を気にするように身をよじったり。 これはこれで股間に響くものがあるので十分にアリだ。「ところで」「うん?」「私だけ、その、ハルと呼ぶのは何故ですか」 頭の上からまだ怒りが抜けきらない感じの声が聞こえてくる。 ユニーク化したハーピー達ではあったが、中でもハルは特別違った変化を見せた。 最初から人間を食して進化の途上にいたからか、それとも他の理由かはわからないが。 少なくともまず、話し方、受け答え方から鑑みるに、知性はフォウよりも高い状態で備わっただろう。「ハルピュイアってモンスターを聞いたことは?」「……詳しくは知りません」 そりゃつまりちょっとは知ってるってことか。 容姿に関しても他のハーピー達とは違い、背中から翼が生えた。一目見た時は天使かと思った。 耳が羽っぽいもので、くるぶしから先が鉤爪様になっている以外はほぼ人間と変わりない。「俺が育った村は、かつてそのハルピュイアってモンスターが管理していた地域らしい」「管理、ですか。つまりそれは、エリアキーパーであったということです
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ヤったりますか

「止まれ。こんな時間に街入りか?」「お勤めご苦労様です。街入り、というよりはアドバイン様へブツの献上に参りました」 当たり前のように、門から入ろうとしたところ門番の兵に止められる。 ドーラは高さおよそ5メートルに及ぶ頑丈な防壁に囲まれた街だ。 外見だけなら王都に迫るものがあるが、中に入れば田舎らしい町並みが広がっている。 この防壁は昔、エリアキーパーとの戦いに用いられていたそうだ。 つまり、ハルピュイアと戦った歴史があるということだな。 ハルピュイアが使役していたハーピー達とまた戦うことになるってのは、なんとも因果なもんだ。「献上……なるほど。ではお前は商人かハンターか」「いいえ、しがない旅人です。旅人だけに……先の捕り物は大変だったこと、耳に入って来ましてね。満足できるだろうモノを仕留め、こうしてお持ちしたのです」 当たりを引いた。 あるいは東西南北、どの門に配置されている門番にも事情が通じているのかもしれないが。 なんにせよ、物知りであることが通った。「では、ブツを検めさせてもらおう」「はい、存分にどうぞ。ですが、キズモノにはしない様お願いいたします」「ふん、俺にそんな趣味はないし、妻もいる」 つまらなさそうに吐き捨てた言葉からはいやいや感がある。 恐らくこのままでも問題なく通ることはできるだろうが、一つ仕掛けておこうか。「認識阻害――」 スキルを門番に向かって発動する。「これは……むぅ、美術品なんて話も頷ける。よくこんなハーピーを仕留められたものだ」 ロープを俺が解いて、麻袋を門番の人がとれば。 思わずだろう、見とれてしまったようにそんなことを言ってくれた。鼻が高い。 検分という名目の不躾な視線を浴びてハルの表情が曇ったが、それには気づかれない。 特に、ハルの胸を見て頷いたのにはちょっと笑いそうになってしまった。男って悲しい生き物だよな。「こいつらは夜に目が利きませんからね。こっちのヤツは逆に目がいいもので」 同じく認識阻害を使って人間に見えるようにしているフォウが頭を小さく下げる。「だからこの時間、か。良いだろう、少し待て。アドバイン様へ連絡を取る」「ありがとうございます」 そういって再びハルを縛り麻袋を被せた後、詰所らしき場所に入っていく。「身分証を出せとは流石に言えないが。アドバイン様に献上す
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悪くない

 我ながら魔物とは言い得て妙でした。 前触れなく私たちの前に現れた人間の男は、絶妙に人間から外れていた。 外れているからこそ、一歩離れた位置から人間を観察していたからこそ、こうまで人間を都合よく扱えるのでしょう。 そしてそれはモンスターに対しても同じ。 人間は非力です。何も考えずにぶつかり合ったのなら容易く潰せてしまうほどに。 かつては憐れにすら思った存在、だからこそ憐みの心をもって手を貸すことだってありました。 けどこの男は、この人間には、憐みの心なんて、どうやっても持てない。  人外に位置する男。 だけど、決してモンスターではない。ましてや悪魔でもない。 善でも悪でもない、だからこそあえて分類するのならば魔と言うべきでしょう。 故に、魔物。 あるいは、ヒトの形をしているので、魔人とでも言うべきかもしれない。 ――お前たちを、俺のモノにしたい。 そんな風に思った人に宣告された。 穏やかな表情をしながら、絶対に逃さないと目が言っていた。 そう告げられたとき、目で射抜かれたとき。 お腹の奥から生まれた感情は、なんだったのだろう。 わからない、わかりません。 憎い相手だと断じた人間だけど、あの人を人間だとはとても言えないから。 私は、彼に対する感情を決めかねて、持て余している。「貴様が連絡のあった旅人とやらか。ワシは今機嫌が悪い、つまらんモノならわかっているだろうな」「もちろん理解しております。袖の下からそっと出すようなモノであるのなら、日を改めていましたとも」 感情……感情、か。 胸の中にあるものは、ユニーク化したから生まれたというわけじゃない。 自分を突き動かすものはいつだって感情だった。 だからこそ、仲間を家族を奪った人間たちを、感情の、心の赴くままに殺した。 けど今は、感情や本能に従って動いたらどうなるのかを考えるようになってしまった。 怯えが生まれた、躊躇いが生まれた。 私をこうした彼を、恨みたいという気持ちもある。 でもこうなったことで、仲間を助けられるかもしれないという可能性を同時に生んでくれた。 感謝すべきなのか、恨むべきなのか。 信用、信頼はしなくていいと言われた。そんなこと、できるはずもないけれど。 どこかに、そうしたいと願っている自分がいることを否定できない。「ふん、ならば確かめて
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こんなに文化の違いがあるとは思わなかった

 爆乳無知っ娘、だと……? 思わず神に感謝の祈りを捧げてしまいそうになった、というか捧げた。感謝のキスも贈りたい。 流石にハーピー達と生活圏が近い場所で育ったと言っても、繁殖の仕方まで生態を知っているわけじゃなかったし。 しかし、人間風に言うなら見ヌキ文化がハーピーにとって一般的な子作りだとはね。 そうだと知ってから考えれば、なるほどと納得もできる。 胸部から腹部にかけてが体毛羽毛に覆われておらず、むき出しのもろ出し状態だったのは子作りの際に興奮を煽るため、そういうことだったんだな。「ハル」「ひゃ」 顎を指で捕らえて、上を向かせる。 身長差は10センチ程、フォウより高くて俺より低い。 じっと見つめてみれば、髪と同じく茶色がかった垂れ目がうるうると揺れている。 こうして敵意が抜け落ちた顔をしっかりと観察してみれば、ぱっと見た容姿の印象とはまた違うように感じられる。 ヒトとして見れば俺と同い年か少し上くらいの見た目。 顔は垂れ目が印象的なこともあり今は幼く感じられるが、先の作戦中でモンスター的な雰囲気を纏っていた時には大人というか、お姉さんみたいにも思っていた。 茶色の髪は腰元まで届くサラサラロング、ちゃんとした服を着ればお嬢様と言っていい清廉さがある。 元がハーピーだからかスラリと細めだが、その爆乳がそう思わせずアンバランスなエロスを奏でていて。 一言で言えば、たまらん。 わがままボディにも程があるよ。 ハルピュイアに似ているとは言ったけど、なんか引っかかるな……別の誰かにも似ているような? いや、まぁいい。「んっ……」 一瞬の驚きが唇を通して伝わってきた。 恐らく口づけの意味もわかっていないだろう、けどされるがままだったのは触れ合ってからの少しだけ。「ん、ふ……は、んんぅ……」 感触が気に入ったのか、それとも本能か。 おっかなびっくりといった感じではあったものの、自分からも唇を押し付けてくる。「ん、んん……く、ふ、んぅ……」 無意識だろうが、唇と共に胸もぎゅうぎゅうと押し付けられた。 この存在感よ……ここまででかいにも関わらず、反発力がある、見事なハリと言わざるを得ない。 芸術家たちは至高のアートだと言ったがその通り、暴力的なまでのおっぱいだ。「ん、ぷぁ……は、ぁ……はぁ。あ、あの、えっと」「これはキス
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成長と目標

「お、お……お゛ほぉおおぉおおぉ♡」「……うん」 見事なおほ声だ。 逃げ腰だったハルの腰をガッチリと掴んで挿入れてみれば、子宮のあたりがぼっこりと膨らんでいる。「あ゛ぉ゛……♡」「ハル? ハールー?」 ぴくぴくと身体を痙攣させながら、口から舌を放りだして白目を剥いている。 処女膜を突き破った感触は無かったが、この子作りを知らなかったハルが未経験であったことに疑いはない。 それだけに、襲ってきたあまりにもな快楽の強さに意識を飛ばしてしまったんだろう。「ここまでデカくして、普通、か」 ハルの中は指で触った時の通り、やわやわ、かつねっとりと絡みついてくるような感触だった。 タマゴを楽に排出するためだろう、愛液の量はかなり多い。 こうして動かないでいても、じゅくじゅくと膣内でさらなる愛液が生み出され、竿を伝っていくのがわかる。「いまのうちに、っと」「……ぉ゛♡」 形状変化でさらなる適応を図る。 このままでも確かに気持ちいいが、初体験がフォウのキツマン、チンコを鍛えたのは俺に最適化されたスラピィオナホだ。ちょっと足りない感は否めない。「ぉ゛ぁ゛……あ、ぁ?」「気づいたか、ハル。ちょっと待ってろよ? もうちょっとで……」 サイズ的にはちょうど良い。 ただ……ふむ、そうだなカリの部分をもうちょっと高くして……。「んぃいぃっ!? あ゛ぅ゛……おぁ♡」「こんなもんかな……っと」「んきゅうぅうううっ♡」 いい感じ。 ピストンすればカサの部分がねっとりしてる肉ヒダに絡みついて、とても気持ちいい。「あっ♡ お゛っ♡ で、でぃーたさ――お゛ほぅ!? あ゛えっ♡ んぎゅっ♡ あぁああぁっ♡」 ぱんぱんと肉のぶつかる音と、ハルの口からあげられる嬌声。 流石のハーピーとでも言うべきか、どことなく歌を歌っているかのような美しさを感じないこともない。「んぎゅっ♡ しゅごっ♡ こぢゅくり♡ でぃーたしゃまの♡ こじゅくりしゅごいぃい♡」 顔を快楽に染めて、頭をぶんぶん振りながらそんなことを言ってくれるハルにいじらしさを感じる。 自分で刷り込んだことではあるが、これは俺だからこそ与えられるモノであると、真に信じているんだろう。「あぎゅっ♡ あ、ぐ♡ あ、はぁ♡ っ!? ち、ちくび、もぅっ!? んぎゅあぁあっ♡」 ばるんばるんと抽挿に合わせ
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想ったことがある

 この世界には色々な宗教、というより崇める対象がいる。 ちなみに、神よと口にした俺ではあるが、特別誰かを信仰しているわけではない。 一番主流であるだろう、精霊信仰。 世界を創造したとされるヘイル神を崇める、ヘイル信仰。 俺が育った村を筆頭に田舎で見かけやすい、エリアキーパー信仰。 そして。「悪魔信仰教徒と接触する、か」 本当に存在しているのかは、出会ったことがないという意味でわからないが、悪魔を信仰する奴らがいるらしい。 悪魔は人間に嘘をつく。 必ずしも嘘をつくイコール騙すというわけではないが、結果的に騙されたという状況には陥る。 いや、騙されたことに気づけない状態、何かしらを都合よく信じ込まされたというケースだってあるだろう、ともあれ悪魔信仰は存在していてもおかしくない。 まぁ、平たく言えば悪魔の手先になっているってことだろうな。自分を棚にあげて言うなら、だけど。 それだけに一般人や俺以上に悪魔、ひいては淫魔については詳しいだろう。 自分が教徒になるつもりはないが、魔法をもっと多く、上手く使えるようになるためにも利用したい。「ディータ様? 何か仰られましたか?」「これからのことを考えてただけだよハル」 現在、ハルに背中を抱きしめられるような格好で飛行中。 後ろから伝わってくるすんばらおっぱいの感触が股間を刺激する、たまらん。 でも、鼻の下を伸ばせば同じく他のハーピーに運ばれているスラピィやフォウから冷たい目が向けられてしまうため、おっきすることはない。大丈夫? ほんとにお前達仲良くなってる?「そうでしたか……その、思考の邪魔をしてしまい、申し訳ありません」「何を謝られているのかわからんな。お前達は俺のモノだ、そして自分の所有物を守るために行動するのは至って普通のことだよ」「はぅっ……は、はいっ!」 抱きしめられる力が強くなった、やばいちんこむずむずする。あ、フォウやめて、そんな目で見ないで。 まぁ、悪魔信仰教徒との接触はともかくとして、まずは安全を確保しなければならない。「討伐隊、本当に来るでしょうか?」「スラピィとフォウに確認してもらった動きを考えても、間違いなくな。追手の引き際が早すぎる。空を飛ぶ相手を追うのが無駄だと言う点もあるだろうが、追う必要が無かったってのもあるはずだ」「追う必要がない、ですか?」
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要点と逆張り

 こうすれば勝てる。 当たり前だがこの言葉を裏返せば、こうされたら負ける、だ。 そこには勝因と敗因が裏表の関係で確かに存在している。 アルエ様にはああ言ったけど、ぶっちゃけ俺の妄想そのままにコトが進むなんて思わない。 勝てる、なんて断言できるものではなくこうなれば良いなとか、こうされたら不味いなってレベルの、あやふやなものには違いないんだ。 しかしながら、相手の意識としてはモンスターの討伐である。 人間が住む集落や街がモンスターに襲われたって話はそれなりに聞くものだけど、その結果全滅したって話はそうそう聞かないものだ。 むしろ、襲われたけど返り討ちにした。あるいは、農作物に大なり小なり被害が出てしまったくらいなもの。 対してモンスター側から見てみれば。 食べる物に困ってだとか理由は様々だろうが、人間を襲う。 襲うがその殆どは失敗という結果に終わっているし、噂で耳に届くものと言えばなんちゃらってモンスターが一掃されたとか、討伐されたとか悲惨なものの方が多い。 それは何故か? ハンターたちや研究者たちにより、モンスターを退治する術、対策とでも言えるような戦い方が研究され、確立されているからだ。 モンスターの相手はその通りにやればよっぽど力量差がない限り必ず勝てるなんていうマニュアルのようなものが世界に広く出回っている。 俺自身、狩りをするにあたって村に一冊しか無いそれを読み込んだ。 フォウと対峙した時はマニュアル通りをアルエ様が許してくれなかったからドキドキものだったが。 何にせよ俺たちが狙うべきはその裏側。 必勝法をひっくり返し、俺たちの勝利方法へと結びつけること。 その通りにいかないだろうっていうのは。 不確定かつ不安要素として俺の存在を何処まで理解されているかって部分と、ハルを含めたハーピー達の進化を相手がどう捉えているかという部分が不明だから。 ある意味先の救出作戦は片手落ちだったな。 こうなるって所まで予想していたのに、手を打てていなかった。まぁ、今後にしっかり活かすことにしよう。 ……今後? あぁ、なるほど。 それでも俺は、勝てると踏んでいるらしい。「ディータ様。麓からここまでの地図、出来ました」「あぁ、ハル。ありがとう」 待ってましたとハルから差し出された木片を受け取る。 目を通せば、このハーピーネ
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先っぽだけ、ちょっとだけ

「ディータ様っ!」「来たか」 鏡状に伸びていたスラピィを覗いていたハルから少し慌てたような声が響く。 俺の太ももの上で寝息を立てていたフォウの耳がピクリと動き、お目々がぱちりと。「はいっ! 人間の数、およそ40! 麓にて、あ、あどばいん? が、人間たちの前で何か話しています!」「わかった。スラピィ、切り離していた麓の分離体との接続は切っていい、お疲れ様」「ぴっ」 スラピィが元のスライム状に戻って、今まで自分の身体に映していた景色が消えた。 ほんと便利スライムになったよな、なんだか使ってばかりで気が引ける思いがあるが、本人……いや、スラピィ自身は嬉しそうだし、近いうちにしっかり労うことにしよう。 ともあれ予想よりも相手の戦力が少し多い。 誤差の範囲と思うことにしても、日程上は予想通りだ。そりゃつまりこっちの準備は万端だってこと。「スラピィはこの場所で待機。各ルート上に配置した分離体で人間を感知すれば教えてくれ。魔力切れには注意してくれよ? 補給が必要になればすぐ言うように」「ぴぴっ!」 芸が細かくなってきたスラピィが、自分の身体を一部伸ばして敬礼のようなポーズを取ってくれた。 やっぱりかわゆいなこいつ。「フォウはマウンテンウルフたちを率いて予定通りに。不味い状況にならない限りお前は手を出すなよ? しっかり俺の声を聞き逃さないようにしてくれ」「わふっ! おまかせ、くださいっ!」 耳と尻尾をピンと立てて頼もしい返事をしてくれた後、素早く俺の視界内から消え去った。「ハル」「はいっ!」「皆の所に行くぞ」「かしこまりましたっ!」 ハルを引き連れてネストから出れば、そこには。「皆、揃っているな」「――オンミノ、マエニ」 大地へ片膝をつき、恭しく頭を垂れるハーピーたちの姿。 ……少し前からじゃ、考えられない光景だなこりゃ。 モンスターとは言えど、全員が好みでお相手願いたい美女だ。 そんな美女たちが、俺の前に跪く。「望んでいただろう日がやってきた」 たまんねぇ、たまんねぇよこれは。 ゲスだなんだと言われても、結局自分が気持ちよくなれるのが一番だ。「家族を奪われ感じた怒りを覚えているか? 悲しみを覚えているか?」 そのためになら、関係のない人間なんて知ったことではない。「俺には、お前たちの気持ちを十分に理解している。
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どうしての先

 たまにどころかずっと不思議に思ってる。 どうしてボクは、こんなにもディータ君に惹かれているんだろうって。 あの人を目の前にすれば胸がドキドキして、お腹の奥が熱くなって、気を抜いてしまえば手が熱源へと延びてしまいそうになる。 確かに、あの村一番の有望株だった男の人だ。 彼の考えた作戦、方法、罠なんかのおかげで、危険だった狩りが危なくないものになったりと、村や皆の生活へどれだけ貢献してくれていたか。 真面目で、頭が良くて、人当たりも良くて。 その、認めちゃうのは恥ずかしいけれど、個人的に好みの顔立ちをしているって理由もあるんだ。 怜悧を現したかのようなキレ長の瞳、通った鼻筋、細くしゅっとした顎。 一見では冷たさまで感じてしまうのに、彼が持つ柔らかな雰囲気が相まって……たまらない。 まるで、何かに魅入られてしまったかのように、意識から彼の姿が消えずにいる。 あれ? ベタ惚れじゃん? えへへ、照れるよね……。「カーラ殿」「はひゃっ! ひゃい!」 う、うあ、やらかしちゃったよぅ、すっごい訝しまれてる。 そ、そうだよね、今から街を襲ったハーピーネストに向かうんだ、こんな調子じゃだめだよね。「此度のハーピー討伐任務。精霊術師であるカーラ殿の協力、主に代わって感謝申し上げる」「そ、そんな。ボ――私なんて、まだなりたての新米です。むしろ皆さんの足を引っ張らないか今から心配ですのに」 自分でも驚くくらいに話が進んだ。 ディータ君を追いかけるようにあの村を出て、ドーラで精霊契約の儀式に臨んで。 契約成功の実感もないままに、ハーピーたちの音波攻撃だ。慌ただしいを通り越して呆然としちゃったよ。「無論、事情は承知している。術師としての力を多く望んではいない。しかし、我々には少しでも戦力が必要なのだ、申し訳ない」「いえ、大丈夫です。私にできること、精一杯努めます」 あの村に戻るつもりはない。むしろ精霊術が手に入ったんだ、恩知らずな村なんて滅ぼしちゃってもいいかもしれないね。 半人前が偉そうな口をって思われちゃうかもしれないけど、これでも戦いの中で命を落としてしまうかもしれないって覚悟はしている。 何より、ディータ君がいないのなら、あの村も、この世界も、この命にだって興味ないんだから。「……すまない」「顔を上げてください。詳しい事情はその、あ
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スラピィ

 スラピィは、マスターの劣化コピー品です。 マスターよりお恵み頂けました精液から、マスターの知識、記憶を取り込んだだけのスライムです。 フォウのようにマスターを超える戦闘力も持たなければ、ハルのように群れを統率する才能の片鱗を持ち合わせているわけでもない。 オリジナルであるマスターには遠く及ばず、いくら自身をアップデートしても、常にスラピィはマスターの一歩後ろに存在する。 しかしながら、だからこそ。 マスターの嗜好を遺伝子レベルで解析し、ライブラリへ取り込み、あらゆる喜びと悦びを提供できる。あらゆる場面で役立つ道具になれる。 そんな自分になりたい。 否、それこそスラピィの存在意義。 役に立てぬ自分など、必要ない、存在を認めたくない。 そう、思っていましたのに。 ――わかった、可能であれば捕獲してくれ。厳しそうなら撤退するんだぞ? お前のほうが大切だ。 マスター……あぁ、マスター……! 我が最愛の君にして、至高の主様……! はい、かしこまりました、ご命令に従います。 スラピィは、マスターの忠実なシモベでございます。「く、らえぇっ!!」「ライブラリに該当なし。精霊術と断定はできず。回避します」 スラピィの中には嫉妬という感情がありました。 目の前の、人間の女。 この女はマスターの初めてになりえた女だ。 そう思えば狂おしいほどのエラーがスラピィの中を駆け巡った。 この女さえいなければ、身体だけではなく、心までもスラピィが初めてであったのに、と。「くっ……! スライム、なんかに……!」「正しくはありますが、申し上げました通り、スラピィです」「うるさいっ!!」 負の感情に囚われそうになったスラピィですが、マスターのただ一言で、こんなにも気分がいい。 スラピィのほうが、大切、大切……。「くふっ」「なに、笑って!」「失礼しました。あまりにも、お粗末な攻撃でしたので」「こ、のぉっ!!」 とは言いながらも。「ふ、ぅ」 回避できるのは雪のおかげで自分の身体を環境に隠せているおかげ。 カーラが放つ風の刃のような精霊術は、非常に強力であることが伺える。「てぇええいっ!」 大気が裂かれる、地に落ちた雪が舞う。 不可視ではありますが、形状はハルのウィングショットに近いでしょうか。 スラピィであっても、おそらくフォウで
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