「残念じゃがディータ。わしはお主を村の掟に従い追放せねばならん」「……はい」 ですよねー! なんて言いそうになる気持ちをぐっと堪えて神妙に返事をする。「ディータよ。何故精霊術を村の者に向かって使おうとした?」「……申し訳ありません、村長。それは、言えません」 手に入れた性隷術を試したかった、なんて口が裂けても言えないよね。 俺の返事を聞いて難しい顔をする村長。 もしかしたら、情状酌量の余地を探してくれようとしていたのかもしれない。「お主が理由もなく誰かを害そうとするわけがない。何か、理由があったのではないか?」 こういう時に普段の行いがモノを言うってもんなんだろう。 難しい顔のまま、気遣うような視線を向けられて何とも言えない気持ちになってしまうが、追放という決定は覆らないはず。「いえ、手に入れられた力に舞い上がり我を失ってしまった。それ以外に理由はありません」 いや本当に、それ以外理由はない。 ぶっちゃけた話、今までいわゆる良い子でいたのは、全ては精霊術を手に入れるためだけだ。 心の底から善行を積みたいとは思っていなかったし、善人であるべしなんて家訓もなければ意識だってない。 村長はそんな俺の見てくれを信じてくれていたというだけのこと。「信じられん……が、それ以外にはないとして欲しいということ、か」 何やら小声で唸っている村長には、騙して申し訳ないって気持ちがちょっとあるけれど。 しかし仕方のないことなんだ。 日頃の行い、ひいては心の清らかな者に精霊は力を貸す。 だからそうしていた。 いや、心が清らかな者に見えるよう心がけていた。「わかった。どの道決定は覆せない、示しという意味でもじゃ。村からは明朝、出て行ってもらう」「わかりました」 痺れかけていた足に力を入れて立ち上がる。 やっぱり変わらず向けられるのは気遣うような、心配げな視線のまま。 ただそんな気持ちに対して、演技であっても応えられる俺じゃあなくなった。 もう善人面する理由がなくなったのだ。 むしろ、これで良い子をし続けなくて良くなったなんて嬉しく思いすらする。 なんて薄らぼんやり考えている俺は控えめに言ってもクズなんだろう。 だから、ある意味必然だったのかもしれない。「お世話に、なりました」「……うむ、ハルピュイアの加護があらんことを、
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-06-11 อ่านเพิ่มเติม