次の日の朝。 目覚ましが鳴る十分前、駿は自然と目を覚ました。◆◆◆ カーテンの隙間から差し込む朝日が、静かに部屋を照らしている。 天井を見上げながらゆっくり息を吐く。 昨日と同じように、胸の奥に淀みがなかった。 ある程度の準備を終わらせて朝食を食べていると、結が眠そうにしながら起きてきた。「兄さん、おはよう。今日は部活行くの?」「流石に今日は行かないとな。部内戦も近いし」「気持ちは吹っ切れた?」「吹っ切れた。改めて心配させてごめん」「ほんとそうです。兄さんは元気が一番なんだから」 口調は相変わらず棘があるけど、その棘の奥にある優しさくらいは分かるようになっていた。 そして、全ての準備を終わらせて家を出た。 学校に着き、部室に入ると、そこには隆二の姿があった。 ロッカーは近く、普段なら何気なく話しながら準備をする距離だ。 けれど、互いに言葉を発することが出来ず、静かな空気だけが流れる。 ロッカーを開ける音。 ラケットケースを持ち上げる音。 そんな些細な音だけが部室に響いていた。 やがて隆二が先に準備を終える。 そして――。 深く息を吸う。 その姿を見た瞬間、何か俺に話そうとしているのだとすぐに分かった。 「浅村」そう呼ばれた瞬間、思わず肩に力が入った。「どうしたんだ、隆二」 隆二が勇気を持って話しかけてくれたのだから、無視しちゃ駄目だと思い、何もなかったかのように返事に応じた。「実は、浅村が早川の手を引いて走って行くところ見ていたんだ……なのに、浅村の力になれなかった。挙句にその前は2人が付き合ってるのに、自分勝手な頼みをしてしまって……」 隆二が頭を下げて謝ってきた。「本当にごめん」 その姿を見て、少しだけ目を閉じ、この数日を思い出す。 怒りもあった。 苛立ちもあった。 けれど今となっては分かる。 隆二も苦しかったのだ。「謝る必要ないよ。そもそも俺が隆二に言ってなかったから、知らないのはしょうがないし、俺もあの時は感情的になりすぎた。ごめん」 自分にも非があったと認め、同じように頭を下げて謝った。 数秒の静寂が流れ、隆二と同じタイミングで顔を上げ、目が合う。 その瞬間。 どちらともなく笑っていた。「あースッキリした。浅村とずっとギスギスした関係で居るのは無理だわ」「俺もだよ
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