「暑っ……。」駅前を歩きながら、陸が首元をあおぐ。「さっきからそれしか言ってないね。」]私は笑って陸の方を見る。「だって暑いんだから仕方ないだろ。」「確かに今日は暑い。」湊も苦笑する。「まだ夏休み始まったばっかりなのに、これじゃ先が思いやられるな。」玲央が空を見上げる。真っ青な空に、入道雲が大きく浮かんでいた。「でも夏って感じする!」私は嬉しくなってそう言う。「暑いの嫌いじゃなかった?」陸が聞く。「嫌いだけど、夏は好き。」「矛盾してる。」「いいの!」四人で笑いながら歩く。こういう何気ない時間が、私は好きだった。特別なことなんて何もない。ただ一緒に歩いて。くだらない話をして。笑っているだけ。それだけなのに、今年は少しだけ、胸がくすぐったかった。四人は商店街を抜け、いつものアイス屋へ向かった。小さい頃から夏になると必ず来るお気に入りのお店。「ここ来るの久しぶりじゃない?」伊吹が店を見上げる。「昨年も来た。」玲央が即答する。「……そうだっけ?」「来た。」「覚えてない。」「伊吹はすぐ忘れるからな。」陸が笑う。「失礼な!」そんなやり取りをしながら、店の前に並ぶ。「私はソーダ!」「俺はチョコ。」「抹茶。」「バニラ。」それぞれアイスを受け取り、店の前のベンチに並んで座る。「やっぱ夏はアイスだな。」湊が満足そうに笑う。「おいしい!」私もアイスを食べる。「冷たっ……!」「当たり前だろ。」「分かってるよ!」また笑い声が響く。しばらくアイスを食べながら、四人で夏休みの予定を話していた。「そういえば、海行きたいって言ってたよな。」湊が私を見て言う。「うん。行きたい!」「じゃあ行く?」湊はあっさり返した。「え?」「海。」その一言で、みんなの動きが止まる。「いいじゃん!」陸が身を乗り出した。「毎年行ってるし。」玲央も珍しく反対しない。「今年も行こうぜ。」「じゃあ決まり!」私はわくわくしながら笑う。「いつにする?」四人でスマホを見ながら予定を合わせる。「来週の水曜日なら全員空いてる。」「じゃあ水曜!」「決定!」こうして、今年最初の海の日が決まった。「楽しみだな。」湊が笑う。「うん!」私も笑って頷く。その笑顔を見て、湊も少しだけ嬉しそうに目を細め
最後更新 : 2026-08-14 閱讀更多