努力や練習は裏切らないなんて言葉があって、俺はその通りだと思っている。 いつだって努力だ練習だを裏切るのはプレイヤー、つまり自分のほうだ。 練習通りにすれば上手くいくというのはその通りで、練習通りにできない理由はいつだって自分にある。 そんなことを友崎に言ってみれば目から鱗だとか言われて頷かれたのはいつだったか。「……どう見る?」「ちょっと……待って」 サークル内2on2イベントが始まった。 俺と友崎の出番は今行われている試合の次になる。 今行われている試合では、篠崎とお世話になってる先輩……城山悠斗先輩のコンビと、部長と副部長のコンビがぶつかっている。「……やっぱり、部長副部長のコンビは強いね。プロに限りなく近かったって言うのも、わかる」「そか」 うちのサークルでは一番うまい人が部長になるし、二番目の人が副部長になるっていう実力主義みたいな形を取っている。 それだけに、やっぱり上手い。 噂どころか二人は付き合ってて、卒業と同時に結婚するとかも聞いてるし人間としての息も合うってのがはっきりわかる。「じゃあ」「お姫様と、城山先輩だっ、け? ……なんとも、難しいね。先輩が、上手いのはわかる、けど」 お姫様て。 いやまぁいいか。 城山先輩はサークル内ランキング8位、アプリ内ランキングでも10位の人だ。 多少TPBRを勉強したおかげか、先輩の上手さは多少理解できるようになったつもりで。「2on2、っていう。マイナーな形だから、かもしれないけれど」「うん」「……お姫様は、ほんとにプロ、目指してるの、かな?」 珍しく、どころか初めて。 友崎がサークルにある大モニタを睨みつけるように目を細めながら言った。「上手い、ほうだとは思う。けど、プレイが凄く雑って言うか……城山先輩のこと、邪魔みたいに思ってるんじゃ、ないかな」「邪魔?」「あたしも、味方のことを似たように思うことはある、けど。それは、理解できないから理解しないって決めてるだけであって……期待とか、そう言うのはしない」「ああ。今なら、意味がわかるよ」 友崎はやっぱりコミュ障だ。 俺と一緒にCPU戦なら普段と変わらない動きをしてくれるようになったが、ソロで対人モードに潜れば今まで通りのプレイスタイルになる。 そのプレイスタイルであれば、確かに味方を邪魔のように思う
Last Updated : 2026-07-12 Read more