マスクをサラに作らせた。「解毒剤とポーションを布に染み込ませる。完全には効かないが、多少は時間を稼げるはずだ」「やってみます」 サラは一晩かけて五枚のマスクを仕上げた。 布が薄緑色に染まっていた。「効果は保証できません」「分かっている。やらないよりましだ」◆ 翌日、五人を再び塔の前に集めた。 セシルの代わりはいなかった。 四人だった。「セシルを取り戻す。それが今日の目的だ」 全員が頷いた。 マスクを配った。「外すな。装置を止めるまで絶対に外すな」◆ 9階に入った。 霧が出た。 前回と同じだった。白く濃い霧。甘い匂い。 だが今回は違った。 マスクが霧を遮っていた。 完全ではなかった。匂いが僅かに染みてきた。だが前回のような即効性はなかった。「効いている」 孫尚香が言った。「頭がぼんやりするが、前回よりましだ」「進む」◆ 霧の中を歩いた。 視界が悪かった。数メートル先が霞んでいた。 秦良玉が先頭に立った。だが動きが鈍かった。 解毒効果が完全ではない証拠だった。 判断が遅れていた。◆ モンスターが現れた。 霧の中から突然だった。 石の四足獣が三体。前回の2層目に似た形だった。 秦良玉が止まった。「……どこだ」 判断できていなかった。霧とぼんやりした頭が、将軍の判断力を鈍らせていた。 俺は画面を見た。「秦良玉、右から二体来る。左に一体。右を先に潰せ」「……分かった」 秦良玉が動いた。 白杆槍が右の二体を薙ぎ払った。「左、
Dernière mise à jour : 2026-07-20 Read More