「ここからここまで移動するのに馬で5日はかかる。国境の城壁に沿って損壊がないか確認しながら進んでいく」そう話しながら、腰を抱いていた手が胸に触れ始める。もう片方の手でガウンの腰ひもが解かれ肩からすべるように落とされる。首筋に唇をつけながらセオドアが話を続ける。「野営のテントは、暗くてとても寒い」胸に触れる指の動きと、優しく啄む首筋の唇の感触に、ローティシアの体から力が抜け、セオドアにしなだれかかる。「寝台は硬くてとても冷たいんだ」顎を持たれ、後ろから唇を奪われる。その間も別の手はローティシアの柔らかな胸に触れ、その頂をいたずらしつづけている。「そして、柔らかく温かいあなたがいない」セオドアは、夜着の肩ひもを口で引っ張ってほどくと、胸をはだけ直接触れる。温かく大きな手のひらの感触にローティシアは思わず呻いた。その呻きを吸い取るように再び唇が寄せられ、舌が絡まり合う。「ロッティ、あなたをこうして抱きしめたかった」そう耳元で呟かれると、ローティシアの背筋に快感が走り、セオドアの手のひらに、もっととねだるように背を反らせて胸を押し付けた。口づけをしながらセオドアはローティシアを抱きかかえ、寝台に向かい、その体をそっとシーツの上に下ろす。彼のいないひと月の間、この逞しく筋肉を纏う胸に抱かれることを夢にまで見た。セオドアの背中に手を回すとためらいがちに抱き着いて、小さく呟く。「私も‥‥私もです」――テオ様に抱きしめられたかった……自分の腕にふれる彼の背中に、緊張が走るのが感じられた。もしかしたら、そんな言葉は言ってはいけなかったのかもしれない。でも、どうしようもなく心の声が零れてしまった。セオドアは、顔を上げローティシアの唇を激しく奪い、その激しさにローティシアは翻弄され呑まれていった。◇◇◇情熱的なひと時のあとの余韻の中で、自分の胸元に丸まって眠っているローティシアを見ながら、セオドアは、晩餐の前の出来事に思いを馳せていた。ようやくローティシアと二人きりになり、すぐそこに誘うような可愛い唇があった。
Last Updated : 2026-08-14 Read more