All Chapters of 心が女だったので、女の子に生まれ変わって幸せです!: Chapter 11 - Chapter 20

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第十一話 五月九日(金) お手々つないで幸せ!

「ねえ、ユー。私、なにかよくないことしたかな?」 お昼休み、不意にエレンちゃんにそう言われた。「えっ!? 全然! 逆に、なんで?」「気を悪くしないでね。なんか、態度がよそよそしいかなって」 少し悲しそうな顔をする彼女に、罪悪感が芽生える。 ユシャンちゃん、レィナちゃんをそれぞれ見ると、二人とも頷く。「ごめん! ほんとに、そんな気なくて! 気分悪くしたなら、こっちこそ、ほんとごめん!」 あちゃ~。恋心を表に出すまいと、距離感が、遠いほうにバグっちゃったらしい。「そうだ、ユー。放課後、予定あるか? どっか寄ってこーぜ」 空気を変えようとしてか、レィナちゃんが話題を振ってくる。「ごめん。今日、相談室の予約が入ってるんだ」「スクカ? また、ユーには縁遠そうなところに、用があるもんだね」 ユシャンちゃんが、不思議そうな顔をする。わたし、幸せモードでずっと来たからねー。「とりあえず、なんか悩んでんのはわかった。立ち入るのもヤボだな。今日は、三人でお先に帰るかー」 レィナちゃんが、うーんと伸びをする。「ごめんなさい。実は、私も相談室の予約が」 おずおずと、手を挙げるエレンちゃん。「ありゃ、エレンもか。しゃーなしだな。ユシャン、二人でどっか寄ってこーぜー」「ん。いいよ」 そのとき、ふとわたしをちらりと見た、ユシャンちゃんの視線に、なんともいえない印象を受けました。「三人とも、ほんとごめんね。埋め合わせ、ちゃんとするから」 合掌して、頭を下げる。ラドネスブルグの人、合掌すると、「?」って感じの顔するのよね。 ◆ ◆ ◆ で、待ちに待ったスクールカウンセラーの先生だけど、アドバイスはお母さんと大差なくて、失礼だけど肩透かし感が。ただ、先ほどのやり取りに関しては、「好きという感情は隠さなくていいよ」と言ってもらいました。 ありがとうございましたとお辞儀して、相談室を出ると、エレンちゃんとばったり。「あ……えと、さよなら。また明日ね」「うん」 互いになんだか妙に気まずい感じで、入れ替わりになる。 彼女、一体どんな悩みを抱えてるんだろう? 力になってあげられたら、いいんだけど。 ◆ ◆ ◆ 家に着いて郵便受けを覗くと、アユムさんからの返信が届いてました! 急いで、リビングで確認! アユムさんからのお返事には、さらに
last updateLast Updated : 2026-07-12
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第十二話 五月十七日(土) 水着選びで幸せ!

「アクィア・ヘーウンいこーぜ!!」 一週間ほど前、レィナちゃんの突飛な提案によって、わたしたちはうちの近所の服屋さんに四人で集まっています。 アクィア・ヘーウンというのは、市内……というか、わたしのおうちから、そう遠くないところに去年できた、大型レジャープール。 みんな、親から水着代をもらい、店内を物色中。「わたしは、やっぱりこれかな?」 手に取ったのは、胸のところにフリルが付いた、ピンクのセパレート。ちょっとコドモっぽい気がするけど、実際わたし、色々とちっちゃくて……くすん。でも、ピンクっていかにも女の子! ってカンジでいいよね! ベタすぎ?「ん」 ユシャンちゃんが、ぐっとサムズアップ。「似合ってるよ、それ」 エレンちゃんも、例のミステリアスな微笑み。「うん、すっげーユー! いかにもユーってカンジ!」 レィナちゃんも、よくわからないけど、何となく伝わる言葉で賛同してくれる。 というわけで、わたしのはこれに決定! ユシャンちゃんは、黒いワンピース。レィナちゃんは、青地に黄のV字ラインが入ったワンピースをチョイス。 エレンちゃんは……。「わたしのと、色違いだー!」 私のと同タイプで、黒い水着。「うん。ユーに併せてみた」「待って。あたしも、ユーと同じのにする」 と言って、エレンちゃんのと同じのを選び直す、ユシャンちゃん。「おいおい。ダダ被りすぎだろ」 レィナちゃんが、苦言をこぼす。 ユシャンちゃんと、エレンちゃんの視線が絡み合う。やーん、何なの、この変な空気~! 握りこぶしを、ぐっと掲げるユシャンちゃん。 エレンちゃんも、それに応ずる。なになに、変なこと始めないでね!?「ジャンケンポン!」 じゃんけんを始める二人。二回のあいこの末に、エレンちゃんが勝ちました。悔しそうに、さっきの水着に戻すユシャンちゃん。なんなの~? レィナちゃんと一緒に、首を傾げます。 ともかく、一件落着したようで。ふう。 ◆ ◆ ◆「じゃーねー、二人ともー!」 レィナちゃんと、エレンちゃんに、手を振ってお別れ。エレンちゃん、相変わらずミステリアスな微笑みをします。「ユー」 手を差し出してくる、ユシャンちゃん。 「うん!」と握り返すと、またもや、力強く握り返されてしまいました。うーん?「ねえ、ユシャンちゃん。さっきの謎じゃんけん、
last updateLast Updated : 2026-07-12
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第十三話 五月十八日(日) 水の楽園で幸せ!

 ああ、女子更衣室。女子更衣室。女子更衣室! わたしは、こっち側! 女子何とかに入ると、自分が女なんだーって、じわ~って幸せを実感する。 鼻歌歌ってお着替え~。プール、楽しみだなあ!「ユー、どうかな?」 一足早く着替え終わった、エレンちゃんが、どう? どう? ってカンジに、水着を見せつけてきます。「黒が大人っぽーい!」 可愛いとか、きれいとかも思いついたけど、この言葉をチョイス。「ありがと」 ミステリアスに微笑む彼女に、思わずドキッ!「ユー、あたしは?」 後ろから、トントン肩を指で突かれたので振り返ると、ユシャンちゃんが「どーよ?」って感じに水着姿を見せつけてきます。「ユシャンちゃんも、大人っぽくてグー!」 サムズアップすると、「ならばよし!」と、一人でうんうん頷いています。「ねーちゃん、スタイルいいよなー」「鍛えてるからね。レィナも引き締まった、いい体してるよ」 そんな会話をしているのは、ルシャル姉妹。小学生だけでプールはNGなので、付添いに中学生である、レィナちゃんのお姉さんが同行しています。彼女も、カーリングが上手なんだよ。 なんか、着替えが一番最後になっちゃった。わたし、とろいからなあ……。「じゃ、みんないいかな? 行こうか」 ぞろぞろと、お姉さんについていく、わたしたちでした。 温水プールなので、むわっとした熱気がたちこめています。大時計塔と、ラドネスブルグでは珍しい、ヤシの木が特徴的。まあ、前世でも北国生まれだった私は、あっちでも、ナマで見たことないんだけど。「ちゃんと、準備運動するよー。おいっちにー!」 お姉さんの指導で、運動開始。ふう、これだけで汗が出てくるな。「はーい、終わりー。で、どこいく?」 お姉さんに尋ねられます。「はい! はい! 競泳プール!」 レィナちゃんが、元気よく手を挙げるけど、わたしたちは「う~ん」って感じに、顔を見合わせる。「だめっぽいね。案内板を見ようか」 残念がるレィナちゃんの肩を叩きながら、案内板に向かうお姉さん。わたしたちも、ぞろぞろ。「これ、興味あります!」 「波のプール」を指差す。「へえ。みんなは?」「ユーと一緒で!」 エレンちゃんと、ユシャンちゃんがハモる。「人気者だねー。レィナもそこでいいかな?」「まー、いーよ」「じ
last updateLast Updated : 2026-07-12
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第十四話 五月十八日(日) 大親友を泣かせて、不幸せ

「え……えーと……」 次の言葉が出てこない。ユシャンちゃんの表情は真剣そのものだ。「一晩! 一晩考えさせて!」 考えあぐねて、とっさに出てきたのが、ただの時間稼ぎ。わたし、不誠実だね……。「うん。待ってるから」 とりあえず、大親友はそれで、一旦引っ込んでくれた。「じゃあ、また明日……」 元気なく、家の扉を開け、中に入ると、おお~きなため息を一つ。おっきい幸せがさよならだね。 やかんでお湯を沸かし、テーブルの前でぼーっと考え込む。 エレンちゃんと話したり、手を繋いだりすると、すっごくドキドキするんだ。特に、あのミステリアスな微笑みなんてたまらない。 その一方で、ユシャンちゃんはどうだろうというと、話したり、手を繋ぐとぽわぽわするけど、ドキドキはしないんだよね、やっぱり。 なんでわたし、エレンちゃんに恋しちゃったんだろう。ユシャンちゃんだったら、丸く収まってたかもしれないのに。 なんて、うだうだ考えていると、やかんがピー! と鳴る。おっとと。 ティーポットに注いで、少し冷ます。 時計を見ると、そろそろお母さんが休憩に入る時間だ。 ちょっと、呼んでこよう。 ◆ ◆ ◆「そっか、告られたかー」 対面で紅茶を飲みながら、ふう、と一息つくお母さん。「ユシャンちゃんに、どうやって断ろう……」 耳を伏せてしっぽを丸め、紅茶の水面を見つめる。「ユシャンちゃんは、勝ち目はないって、わかってたと思うよ」 お母さん、また紅茶を一口。「まず、残酷な結論から言うね」 ごくりと、つばを飲み込む。「完全に今まで通り、何ごともなく、ユシャンちゃんと仲良好しこよしってのは諦めて」 お母さんの有無を言わさぬ一撃に、轟沈!「いきなり、心折りにいっちゃってごめんね。でも、ユシャンちゃんの覚悟は、それほどなの。ユーちゃんは、エレンちゃんに恋してるのよね?」 一瞬戸惑ったあと、こくりと頷く。「ユシャンちゃんは、ダメ元で、それわかってて告ったんだよ。ユーちゃんにはね、その勇気を無駄にしないであげて欲しいの」「……っていうと?」「ここから先ね、魚の小骨が喉に引っかかったような罪悪感が、ユシャンちゃんと接する限りつきまとうと思う。その上で、ユシャンちゃんとも仲良くしてあげて?」 お母さんの、言わんとすることは、何となくわかる。エレンちゃんと
last updateLast Updated : 2026-07-12
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第十五話 五月十八日(日) 恋人ができて、幸せ!

 どのぐらい、そうしていただろう。 やがて、彼女から拘束を緩めてくれた。「みっともないとこ、見せてごめん」 鼻声で、そう言うユシャンちゃん。「ううん。わたしこそ、ごめんね」 それを言うのが精一杯で。涙と鼻水で濡れた胸元を、春風が冷やす。「ユーは、なんも悪くないよ。堂々と、エレンと付き合いな」 でも、大親友は鼻声で。「ごめんね。相思相愛だったら良かったのにね」「言うな」 そうだね。もう、言ってもしょうがないこと。「せめてわたしたち、幸せになるね」「ならんかったら、許さん」 うん、うん。「ユシャンちゃん、変わらず親友でいてくれる?」「わからん。まだ、心の整理つかん」「都合の良いお願いだけど、大親友のままでいられたらいいな」 鼻をぐずっとすすり、「善処する」なんて、難しい言い回しをする彼女。「じゃあね、私の一番の大親友!」 ユシャンちゃんをぎゅっとハグすると、それぞれ自宅へ戻りました。 ◆ ◆ ◆ さ・て。 ユシャンちゃんについては、とにもかくにも、決着が着いた。 となると、やることはただ一つ。 受話器を握りしめる。うう……心臓がバクハツしそうだよぅ! ずいぶん唸ってたけど、意を決して、ダイヤル! アユムさんも、「押せ押せだよ!」って言ってたし!「はい、フェルマインです」「あ! その声、エレンちゃん!?」「ユー! 嬉しいな。ちょうど、ユーと話したかったんだ」 心臓が、バクバクするぅ~! 落ち着けー。深呼吸~!「あのっ! わたし、その、エレンちゃんのこと、なんかいいなって思ってて……その……あの……好き! 恋愛的な意味で! お付き合い、してくれないかな!?」 頭と心臓がどうにかなりそうなので、一気に言い切る。 間。「嬉しい……。私も、ユーのこと、そういう意味で好きだったから……。ふふ、相思相愛だったんだね」 頭が真っ白になって、体の芯から、あったかいものが広がっていく。「ありがとう……!」 涙が、ぽろぽろこぼれてくる。「正式に、恋人、なろう?」「うん……! うん……!」 感極まって、それしか言えなかった。 わたし、ひどい女の子だね。親友振った直後に、こんなに幸せな気持ちになって。ごめんね、ユシャンちゃん。身を引いてくれて、ありがとうユシャンちゃん。 色んな感情がぐちゃぐちゃになって、ひたすら
last updateLast Updated : 2026-07-12
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第十六話 五月十八日(日) 恋人と、いちゃついて幸せ!

「ユーの部屋、可愛いね」 わたしのお部屋を、興味深そうに眺めるエレンちゃん。 わたし、女の子女の子したもの、大好きだからね。そりゃもう、お花だのぬいぐるみだの、全体的に淡いピンクだったりの、女の子部屋ですとも!「恥ずかしいよ~」 とか思いつつも、ちょっとあざとく照れてみたり。「ふふ。照れるユーも可愛いね」 きゃー! 聞いた!? 聞いた!? やだ、何その口説き文句! 腰が砕けちゃう~! 女の子同士って、最初どうなんだろうって思ったけど、こんなにも、ドキドキほわほわするんだなあ~。 前世のわたし。相手が男の子じゃなくて、ゴメンね!「ねえ、ユー」「なあに?」「ユーにキスしたい」 思わず、「ほわあっ!?」などと、変な声を上げてしまう。「え、いやそんな、急に言われても……」 心臓が、バックバク!「嫌?」「いやその、嫌とかというより、まだ早くない?」 視線を泳がせて、しどろもどろ。「じゃあ、いつならいい?」 例の、ミステリアスな笑顔。ああ、わたし、これに弱いんだ。「い……いつと申されましても……」 もう、言葉遣いまでおかしい。「ふふ。大胆な告白してきたのに、意外とオクテなんだね。そんなとこもかわいいなー」 いたずらっぽく微笑まれる。ああもう、顔がアツアツだよう!「わかった。ユーがその気になったらね」 人差し指で、自分の唇をちょんちょんする彼女。ああもう、なんでこんなにいちいち動作が色っぽいんだろ。 そのとき、不意に扉がノックされる。「お茶とケーキ、持ってきたわよ-」 お母さんだ。なんだか、空気がブレイクしてほっとする。「はーい。入って-」「お邪魔するわね」「ありがとうございます」 ケーキとお茶が配膳され、お礼を述べるエレンちゃん。わたしもお礼を言う。 お母さん、わたしの顔見て「あらあら」なんて言って。うう~、顔に出てるのはわかってますよぅ。「それじゃ、ごゆっくり~」 手をひらひら降って、出ていくお母さん。「ねえ、ユーは私のどこが気に入ったの?」 真剣な表情で尋ねてくる。「んー……上手く言えないんだけど、ミステリアスなところ?」「なにそれ」 そう言って、くすくす笑う。「なんか、うまく言葉にできなくてごめんね。でも、ほんとそこに、キュンってきちゃって。逆にエレンちゃんは、わたしのどこが良かったの?」
last updateLast Updated : 2026-07-12
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第十七話 五月十九日(月) 女の魅力を認められて、幸せ!

 どうしよう……。 朝、ユシャンちゃんのおうちの、裏口前でうろうろ。 ユシャンちゃんを振った直後に、あんなにいちゃついて……。さすがに気まずい。 学校でも、普通に振る舞えるかなあ……?「ユー?」「うひゃあっ!?」 がちゃりと裏口を開けて出てきたユシャンちゃんに、思わず変な声を上げてしまう。「えー、そんなにびっくりするかあ? あー。昨日のこと、引きずってんのか」「あ、うん。そんなところ……」「ユーにまで引きずられると、辛いじゃんかよ。気分変えて、行こーぜ」 そう言って、私の手を引く彼女。わたしにまで、か。明るく見えるけど、やっぱりユシャンちゃん、引きずってるんだね。ごめん。 ◆ ◆ ◆ お昼。給食を食べながら、ユシャンちゃんの様子をじーっと見る。 一見平然としてるけど……、目があった! 慌ててそらす。「ユー、様子変だよ?」 エレンちゃんに心配されてしまった。振った大親友と、現カノジョ。やりにくいな……。「なあ、マヌエル」 最後にパンをお口に詰め込んでると、不意に話しかけてきたのは、あのユベール。「……何?」 パンを、牛乳で流し込んでごっくん。正直、わたしはあまりユベールと接点がない。強いていえば、妙に意地悪された、嫌な思い出ばかり。「ちょっとさ、用あんだ。来いよ」 顎を、くいと動かす彼。不躾だなあ。「これ、片付けてからね」 食器を片付けると、ユベールについていく。 ◆ ◆ ◆「で、用って何?」 校舎の外れで、なにやらもじもじしてる彼。「あの、さ。俺、お前が好きだ! 付き合ってくれ!」 唐突な告白に、キョトン。「ごめん、ユベールはない!」 我に返って、即答!「な……なんでだよ! せめて、理由を聞かせろよ!」「理由も何も……。わたし、キミに嫌なことしかされた記憶ないもん」 あちゃあ、という感じに、額に手を当てる彼。「あれは、そのだな。お前の気を引きたくて……」 うっわー、これが、小学生男子がやるので有名なムーブ? かーわいーい。でも……。「だめなものはだーめ。もう、好きな子いるんだよね」「!? 誰だよ!」「んー? ヒミツー。言ったら、その子に意地悪するでしょ、キミのキャラだと」 ふう、とため息。エレンちゃんを、巻き込むわけにはいかないからね。「う、うう……」 あらら、ユベール半べそ。「ぜ
last updateLast Updated : 2026-07-12
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第十八話 五月十九日(月) 意外な展開で、幸せ!?

「ユシャンちゃん、一緒に帰ろ!」 ぎゅっと、腕を絡める。エレンちゃん、妬いてないかなあ。大丈夫かなあ。「私は、ちょっとレィナに用があるから」「ほえ? なんぞ?」 エレンちゃん、気を利かせてくれた! ありがとう!「ああ、うん……」 ところが、当のユシャンちゃんの様子が暗い。まあ、昨日の今日だしねえ。 こうして、二人っきりで帰るわけだけれど……。「なあ、ユー。気を使わんでいいよ。あたしさ、諦めのいいほうだと思うから」「気なんか使ってないよ!」 ごめん、使ってる。「そんな気落ちしたユシャンちゃん、見てて辛いもん!」「……顔に出てるか。出てるよな。あー、あたしもまだまだだあ!」 そう言って、自分の両頬を、ぺしぺしと張る彼女。「あのさ、好きなんだろ。エレンのこと」 ドキーン! ごめんなさい。好きどころか、もう付き合ってます……。これ、言ったもんかどうか。「……わかりやすいなあ、ユーは」 どうしようかと、もじもじしていると、ユシャンちゃんがため息を深く吐く。「心情的に、応援はできんけど、恋路を邪魔するほど野暮じゃないつもりだから」 ああ、すべてお見通しか……。ユシャンちゃんは、ほんと……なんていうんだっけ? そーめー? だなあ。「あう……償いってわけじゃないけど、明日、一緒になにかしない?」「スマン。家族で用がある。それこそ、エレン誘ってやんなよ」 うーん、つくづく段取り悪いな、わたし。「ごめん」「なんで謝んのさ。家族で出かけるのはほんとだし、ユーも、一日無駄にしたくなかろ?」「まあ、うん……」 ユシャンちゃんに、ポンポンと肩を叩かれる。 無言で歩くこと、しばし。「着いちゃったね」「だな。じゃあな」 裏口前で、握手してお別れ。ちょっと、距離感が遠くなっちゃった気がするのは、思い過ごしだといいな……。 こうして、帰宅したのでした。 ◆ ◆ ◆「えーっ!?」「ごめん。ユシャンと用事入れてると思ったから、ルンドンベアの頃の友達と、会う予約入れちゃった!」 電話口の向こうから、エレンちゃんの、申し訳無さそうな声。 なんか、つくづく歯車が狂うなあ……。「まあ、そういうことならしょうがないね。楽しんできてね」 電話を切る。 ふう。明日は、お菓子作りでもしようかなあ? などと考え事をしていると、突然電話が鳴って
last updateLast Updated : 2026-07-12
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第十九話 五月二十日(火) さらにいちゃついて、幸せ!

「うん! すごくいいと思う!! 応援する!」 レィナちゃんの恋心を純粋に応援したいのもあるし、傷つけてしまった、ユシャンちゃんの心を癒やしてあげたい。わたしには、もう、その役目はできないのだから。「ほんとか! ユー、さっきはその、傷口えぐるようなこと言ってごめんな。ユーだって、辛いはずだもんな」「ううん、わたしがユシャンちゃんを傷つけたのは、ほんとだもん。せめて、応援させて」 こうして、ユ・レ同盟成立! 二人で、ユシャンちゃんを幸せにしよう! こんな感じで、レィナちゃんとはお別れ。あんまり遅くなると、危ないからね。 あとは、お父さんたちとプリンを作って過ごすのでした。 ◆ ◆ ◆「なー、ユシャン……」 翌朝。さっそく、ユシャンちゃんにアプローチをかける、レィナちゃん。 二人で、何やら話しています。「二人が気になるの?」「え? うん、ちょっとね」 わたしが、やたら熱心に眺めてるものだから、エレンちゃんが、ひょっこり話しかけてきました。「へー……。レィナたち、上手くいくといいね」 えあっ!? 遠目に見ただけで、わかっちゃうの!? すごいなあ、エレンちゃんは。「ね。お二人さんの邪魔しても悪いし、今日、ユーのうち行っていい?」 例の、ミステリアスな微笑み。それで頼まれたら、断れないんだよう……。断る理由もないし。 というわけで、今日はエレンちゃんが遊びに来ます! ◆ ◆ ◆「んふふ~……」 エレンちゃんと、自室で過ごし、にまにま。ユシャンちゃんには申し訳ないけど、それはそれ、これはこれで許してね。「ユー、ごきげんだね」 両手で頬杖ついて、ミステリアスな笑みを浮かべる彼女。その笑顔に、メロメロです。「こないだ、ほっぺた触ったじゃない?」「うん」「今度こそ、キスしてみる?」 ほえええええええっ!? いや、無理無理! ただでさえドキドキだった心臓が、バクバクしちゃってるし!「いや、あの。それはまだ、ちょーっと早いんじゃないかなーって……」 汗、だらだら。「私とじゃ、嫌?」 ちょっと、拗ねるエレンちゃん。そんな顔も、可愛い。「嫌じゃないけどぉ~……。恥ずかしい……」 最後はもう、消え入りそうな声。「誰が、見てるわけでもないじゃない」 そうだけど~、そうだけどぉ~……!「ね?」 小首を傾げて、ミステリアスに微
last updateLast Updated : 2026-07-12
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第二十話 五月二十一日(水) ピクニックで、幸せ!

「ユーちゃん、お手紙来てるわよー」 おりょ。お母さんから、封書を手渡されます。送り主はアユムさん。 部屋に戻って封を開けると、こんな内容が。「ユーフラジーさん。近々会いませんか? ボクは、お父さんが、どうしても一人で行かせたくないと言うので、火曜日が都合良いのですが、いかがでしょうか?」 アユムさんは、今までの情報から、ルンドンベアに住む女子中学生らしいとわかっている。嘘か真か、それはわからないけど。 わたしのほうも、アスティアル住まいの女子小学生だと、情報を明かしてあるけど、アユムさん視点、これも嘘か真かわからないことでしょう。互いに、変なおじさんが相手だったら困るからね。 そこで、保護者同伴というわけで。 下に降りて、お父さんに同伴の許可を得ると、「そういうことなら」と、快く同意してくれました。 アユムさんのご家族も、火曜がフリーで、うちとちょうど重なってるのが良かった。今度の火曜日を指定して、封書をしたためます。明日、登校時に出さないと。 アユムさんからのお返事、楽しみ! ◆ ◆ ◆「なー。今度の土曜、みんなで遊ばねー?」 翌お昼、レィナちゃんが、そう提案してきました。「また、レィナのねーちゃん同伴?」 ユシャンちゃんが、肩をすくめる。「んにゃ。学校そばの市民公園だから、うちらだけ。どう?」「だったら、堅苦しくなくていいかな」 と、ユシャンちゃん。「わたしも、大丈夫だと思う! エレンちゃんは?」「私も大丈夫かな。まだ、予定入れる前だったし」「よっし、決まり! じゃー、お昼に弁当持って、南門集合な」 レィナちゃんが、パチンと指を鳴らす。 そして、放課後。「そっちも、上手くやれよ」と、肩をポンと叩いて去る、レィナちゃんでした。 ◆ ◆ ◆ そして、来ました土曜日! 自作のサンドイッチ弁当片手に、おめかしして、公園南門へ! ユシャンちゃんには、何か声がかけづらくて、一人で来ちゃいました。一番乗りかな? あ、ユシャンちゃんだ。「ユー! ひと声かけてくれよな!」「ごめん。なんか、声かけづらくて」 しゅんとする。「いや、まあ、気持ちはわかるけど……」「ごめんね、これからは気をつける」 出だし、ぎくしゃく。やりにくいな。「レィナちゃんと、最近よく一緒みたいだね」 知ってて、そう話しかけてみる。「あ、あ
last updateLast Updated : 2026-07-12
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