All Chapters of わたしは金融商品『隷嬢』です。―銘柄RENA-09―: Chapter 21 - Chapter 30

36 Chapters

第二十一話 市場の分析

 以下は、第五週ショートスクイーズ後に公開されたアナリストレポートの抜粋である。  市場ステータス:Watchlist(重点監視) アナリスト・カバレッジ・アズマ証券・隷嬢開発証券・マウントアンドリバー資本 ティッカーコード:RENA-09 隷嬢ランク:2 属性:処女 直近快楽指数:0.82から2.05 直近隷価終値:46.4JWL/org 直近Pエネルギー生産実績:165org/日 時価総額:100~200万JWL(算出式:予想年間Pエネルギー生産量×隷価×市場評価係数)  概要は以下のとおりである。 RENA-09は第五週に発生したショートスクイーズによって、市場の注目を集めた新興隷嬢銘柄である。 現在の生産量は依然として快楽市場最低ライン(500org/日)を大きく下回る。 市場の注目を集める主な要因は、以下の三点である。・急激な生産成長・快楽指数2突破・政府ファンドの試験的買付 これらの要素で、短期的な投機対象としてだけでなく、成長銘柄としての可能性が市場で議論され始めている。 強気材料は以下のとおりである。・Pエネルギー成長率が市場平均を大きく上回る・快楽指数が新人銘柄としては異例の2.0超・後日開示された取引情報から、政府系ファンドによる試験的買付が判明・直近でのPエネルギー生産でBランクアニムスへの適応が確認されたことから、今後の高ランク運用余地が大きい 一部アナリストは『現在のRENA-09は生産量ではなく成長率を評価する銘柄』である、と指摘している。 弱気材料は以下のとおりである。・生産量は依然として最低ライン未満・快楽指数の持続性に疑問・短期投機資金の影響が大きい・疑似妊娠を含む稼働リスクが高く、現在価格には過度な成長期待が織り込まれている 市場では『
last updateLast Updated : 2026-08-26
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第二十二話 隷嬢ランク3

 第五週七日目の夜――。 玲奈は自室で玖段と今後の打ち合わせをしていた。 心は常に戦場にある。 その意思を表すように、黒地に銀をあしらったコルセットドレス――ゴシックロリータ風を着こなしていた。 その自室に座る姿は、異世界の姫を思わせる。――お姫様なら、自室で優雅に紅茶を楽しむところでしょうけど。 玲奈はため息を吐いた。 決して姫とは言えない――『隷嬢』だからだ。<RENA-09。第五週の報酬は次のようになります……285JWLです> 玲奈は自慢の黒のロングヘアに、手櫛を入れると髪がふわっと揺れた。 右手で一房、くるくると髪を弄りながら、左手で端末を操作する。「今までの残高と合わせて、約500JWL。隷嬢ランクを2から3に上げる強化薬は200JWLだから、残りは300JWLね」<YES。RENA-09は第四週後半は疑似妊娠状態のため、強化薬の購入は不可でした。収入も増え、いいタイミングです>「いいタイミング……ね」 髪の毛をくるくると回しながら、玖段の言葉を反芻した。――日本円換算で、強化薬は2万から4万円。第五週の手取りは約3万円から5万円。――いくら何でも安すぎない?<Yes。一週間疑似妊娠で取引不可。実働一週間で、一日6時間のセックスです。時間当たり約12――>「やめて、玖段。考えないようにしていたのよ」 ハァッとため息を吐く。 何度目だろうか。 女子高生だった自分の感情を入れた、脳内の禁断の箱がガタガタと揺れる。 だが、それを何とか漏らさないようにして、今の自分――隷嬢としての生活を振り返る。「アニムスとセックスして、妊娠する可能性もある。アニマから襲われて死ぬ可能性もある。いくら何でも鬼すぎない?」 だが、心の中にある、絶対零度でトクガワ=ルリを憎悪するモノが玲奈の瞳に宿る。――復讐のために、金が必要よ。――妊娠もアニマの
last updateLast Updated : 2026-08-27
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第二十三話 隷嬢としての役割

 第六週一日目――朝。  玲奈はPエネルギーを生産するため、指定されたホテルに向かっていた。「……皆、暗い顔をしているわね」 他の隷嬢――肩にティッカーコードが刻まれた、若い女性とすれ違って、思わずつぶやいた。――今から、やることを考えれば、わたしも同じ表情をしているわよね。 アニムスとPエネルギー生産――つまりセックスだ。 自分の身体を使って、快楽を得てそれで金を得る。――仕事なんて呼んでいるけど、わたしには断る権利すらない。 ハァ、っとため息が漏れた。 頭の隅に封印した女子高生だった自分の感情――禁断の箱がガタガタと揺れる。 感じているのは恐怖と絶望、そして――今の隷嬢である自分への軽蔑だ。「……嫌よね」 知らない男に抱かれるのは。 知らない化け物に抱かれるのは。「でもね……」 冷たい、この世界に憎悪し、復讐を求める心が瞳に宿る。――復讐のために、使えるものは使いなさい。――身体も、心も。 それに煽られるように、隷嬢であることの今の自分が苦笑した。 風でミニ丈の裾がふわっと舞い、白い太腿が露になる。 髪の毛にそっと手櫛を入れる。 バランスが取れずふらふらと動く天秤のように、心も移ろう。「今のわたしは隷嬢だから……、数字を上げましょう」<Yes。RENA-09> 玲奈の呟きに、玖段が反応した。 それに頷き、玲奈がエネルギープラントを歩く。「いつ見ても不可思議な光景ね。石畳で建物はバロック調」 玲奈が日本ではない、と思うのがまずここだった。 ホテルの外観も統一されている。<Yes。アニムスと隷嬢のランクが上がれば、より景観も美しくなります。室内もラグジュアリーです>「CかDだとせいぜいビジネスホテルよね。あとは想像
last updateLast Updated : 2026-08-29
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第二十四話 夜の隷嬢

 第六週一日目夕方――。 玲奈が居たのは珈琲の匂いが漂うカフェ『イッシキ焙煎』だった。 エネルギープラントにほど近い、市民区域にそこはある。 今では定位置となったカウンターの席に座り、玲奈は珈琲を飲んでいた。「んん……」 苦みと後から広がる酸味。 カフェインがPエネルギー生産時の、脳の疲れをほんの少しだけ忘れさせてくれる。――この苦みがいいのよね。 黒地に銀の意匠が入ったコルセットドレスを身に纏った玲奈は、ゴシックロリータ風ともあって異世界の姫を思わせる。 ミニスカートの裾から見える白い太腿や首筋、肩は若い少女らしい生に満ちたみずみずしさがある。 だが、その皮膚には赤い――情欲の痕が生々しくあった。 男の手のような痕があり、激しい行為を物語る。 「ふぅ……」 コーヒーカップをソーサーに置き、髪の毛を撫でた。 その様子は亡国の姫が娼婦に堕ちて、一仕事を終えたひと時の安らぎにも似ていた。 もぞっと、玲奈は足を動かし太腿を擦り合わせ、つま先を床に触れさせた。――気持ち悪い。 脳内に作った、女子高生だった自分の感情を封じ込めた、禁断の箱がガタっと揺れて感情を漏らす。 隷嬢の自分はそれに同意するように、前髪を指先で直していると、イッシキがその髪を見て笑った。「綺麗な髪だな」「ありがとう……イッシキさん」 モノクルを掛けたイッシキが褒めてくれて、玲奈は嬉しくなった。 それこそ、年頃の少女らしい表情で。――嬉しい。 禁断の箱の錠が、ゆっくりと緩んでいく。 玲奈は知らずに女子高生の自分に戻っていった。――ええ。今はいいのよ? 忘れなければ。 冷えた――、絶対零度に似た憎悪の光が、瞳の奥から消える。 隷嬢から、この世界に来たばかりのただの女子高生へと、心が変容した。「玲奈
last updateLast Updated : 2026-08-30
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第二十五話 CERES-03との邂逅

 第六週一日目夜――。 玲奈はエネルギープラント――路地裏の人工の迷宮の中、アニマを横取りして隠れる、を繰り返していた。 日も落ちかけてきて、黒地に銀の意匠が入ったコルセットドレス――ゴシックロリータ風の服が徐々に周りと同化する。 髪の毛にバサッと手櫛を入れて、荒くなった息を正す。 喉がカラカラするが、横取りで緊張していたのだろう。 アドレナリンが分泌しているのか、疲れは感じない。 だが、少しだけ思うところがある。「なんというか、弱者の戦い方よね……」<Yes。ですが、生存率は高いです>「ならいいわ……」 ふうっと吐息を漏らす。  ガタンッ、ガタンッ。 脳内に作った、女子高生だった自分の感情を封じ込めた禁断の箱が、騒ぎ立てる。――イヤッ! ヤメテッ! 気持ち悪い……ッ! 玲奈の顔や服、髪にはアニマの血がついていた。 時間が経って、べっとりとしてきた。――それには同意するけど、生きるためにはね。  玲奈の瞳に、冷たい憎悪が宿る。――しばらく、静か~にしていて……ね? 禁断の箱が氷漬けとなり、動かなくなる。 冷たい憎悪が玲奈に囁く。――もっと、もっと殺しましょう。憎悪と快楽の沼へ進みましょう。堕ちましょう?――復讐したいでしょ? 玲奈は頷いて、玖段に触れる。 隷嬢ランク3になると、時間経過とともにPエネルギーの回復が生じる。「ダメージのカット、ダメージからのエネルギー回収……。隷嬢ランク2と3で性能に差がありすぎない……?」<Yes。ランクが上がれば多くの機能も解放されます。その分だけアニマを狩りやすくなるのは当然です>「……まさに資本主義」 Pエネルギー
last updateLast Updated : 2026-08-31
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第二十六話 市場の期待資金流入

 第六週二日目朝――。  下着姿で寝ていた玲奈は目を覚まし、上半身を起こした。 胸と腕で布団を押さえながら、髪の毛を撫でる。 どうやら涎を垂らしていたようで、一房髪の毛が頬にくっついていた。「キッツ……」 玲奈が思わずそう漏らして再びボフッとベッドに横たわれば、夢から現実へと引き戻される。「Pエネルギー生産、アニマの戦闘は大変だったけど――」 それが夢に出てきたら単なる悪夢と処理して、寝覚めが悪いだけだ。 隠れながら他の隷嬢からアニマを横取りする、という戦いの緊張感も終われば、糸が切れたようにぷつっと放心するだけだ。 だが、それ以上に――。 「セレスと食べた夕飯が忘れられない……」 夢にまで出てくるほど忘れられない、パン、サラダ、肉料理。 単なる栄養補給という意味ではなく、見栄えも華やかな美味しい料理。 隷嬢同士の会話であるものの、人との会話。「セレスが全額を奢ってくれ、お土産もくれて――」 お土産は、快楽指数を微増させるタトゥーシールだ。「家族のために隷嬢となってセックスして。自分の稼いだお金を仕送りしているなんて、わたしには理解不能だけど」 髪の毛を撫でて、そう漏らした。 ガタンッ――。 玲奈が脳内に作った、女子高生の自分の感情を封じた禁断の箱が揺れた。――美味しい料理、人との会話が楽しかった。――でも、身体を売って金を得る者同士の会話は気持ち悪い……。 歓喜と嫌悪、それが漏れてくる。 反対に、この世界を憎悪する感情が玲奈の瞳に宿る。 それは絶対零度に近い温度で、全てを凍てつかせる。 ――アレは別の形のわたし……。――同類よ。あなたも……、快楽に堕ちなさい。――あはッ……、あはは
last updateLast Updated : 2026-09-02
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第二十七話 成長と絶頂

 第六週三日目の朝――。  玲奈は黒のコルセットドレスとニーソックスを着て、五州隷嬢の寮からエネルギープラントへ向かって歩いていた。 ゴシックロリータ風で、胸元や肩を大胆に露出している。 刀である『玖段』を腰に佩いているためか、違和感があるものの、異世界の姫を思わせる。 あるいは刀を佩くことで、完成している美かもしれない。 玲奈が髪の毛を手で撫でると、風が吹いた。 スカートの裾がふわっと舞う前に、慌てて手で押さえた。――全裸でセックスしている姿を動画で撮られて、拡散されていても……ね。 玲奈は前髪をそっと直して、心の声でそっと呟いた。 その時、玲奈の心の中にある、女子高生だった過去の自分の感情を封した禁断の箱とこの世界への憎悪――絶対零度の冷気を宿すモノを幻視した。――嫌だ。止めて。拡散しないで。わたしの凌辱された姿を見ないで――。 禁断の箱はカタカタと恐怖で震え、絶望する。 玲奈も凌辱された記憶が蘇り、悪夢を見る。 だが、反対に憎悪の感情は笑う――。――いいのよ。もっと、もっと快楽に堕ちなさい。――セックスしてお金を稼いで……、この世界に復讐するまで。 隷嬢である自分は、二つの心に揺れ動く。 これから自分は仕事である、Pエネルギー生産をしなければならない。――あはははッ。 玲奈は唇から舌を出して――、片目から涙が一筋頬を伝った。 喜びと悲しみ。 快楽と恐怖。 同時に脳に生まれ、同時に玲奈を破壊する。<RENA-09>「……何? 玖段」 無意識に流した涙を指で拭い、玲奈は深呼吸をした。 そして、髪の毛を撫でて心を落ち着かせる。――今は、忘れましょう。 目の前にあった幻は消え、玲奈は自分を取り戻した。<Yes。話の途中でした。お金の話です>
last updateLast Updated : 2026-09-05
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第二十八話 三者の思惑

 第六週五日目――昼。 脳が再起動を果たして、玲奈は目を覚ます。「んッ……、んんッ……」 まだ、完全に頭が回っていないのか、視界がぼんやりとしている。 天井のライトに見覚えがあった。 徐々に意識がはっきりしてくると、そこは五州隷嬢の寮――自室だった。 今自分が全裸であり、布団をかけられている。 ――身体が、重い。ところどころぱりぱりしている。  喉は何かが引っかかっているように、違和感がある。 玲奈はその原因が何か、察した。――アニムスの精液。 そこから、玲奈は記憶を蘇らせた。 ――どこから、記憶がない?――快楽指数が2.10に行ったところまでは……覚えている。 身体がそれを思い出し、下腹部が疼いた。――イった時、凄く……気持ちよかった。 思い出すだけで、唾液が分泌して涎が垂れそうになる。 刺激していないのに下腹部が分泌する。 その時、玲奈は二つの視線と囁きを耳にした。 一つは、女子高生だった玲奈の感情を封じた禁断の箱。 もう一つは、この世界を憎悪する、絶対零度の冷気を宿すモノ。 玲奈の中にありながら、玲奈に嫌悪し、あるいは導く。――最低。知らない男とセックスして、お金を稼ぐなんて……。――そうよ。それでいいの。もっともっと堕ちなさい。 隷嬢である玲奈は、二人の間で揺れ動く。――あはははッ。もう……戻れない……。――数字が上がることに、喜びを感じてしまったから……。――気持ち悪い。 隷嬢となった玲奈は天を仰ぎ、禁断の箱に視線を合わせない。 見てしまったら、涙が出るから。
last updateLast Updated : 2026-09-06
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第二十九話 灼き尽くすモノ

 第六週六日目――朝。  玲奈は目を覚ますと、ため息を吐いた。 むくりと上半身をベッドから起こし、髪の毛を撫でた。 少し引っかかるが、昨日より手触りがいい。 胸元に布団を固定し、気だるく額に指を当てると、玖段が話しかけてきた。<Yes。RENA-09。ご機嫌いかがですか?>「悪いわ。夢にトクガワ=ルリが出てきた」 おかげで、心臓がバクバクと跳ねていた。「シャワーを浴びてさっぱりするわ」<Yes> 玲奈はそう言ってベッドから下り立ち、バスルームへ向かうのだった。  シャワーを浴びてさっぱり、とはいかないものの頭の中が整理されたようだ。「失神で取引休止。その直後はペナルティがあるわよね」 隷嬢としてのもうルーティンとなった、腸内管洗浄液が入ったスパウトパウチの封を開く。 中のゼリーを押し出して、赤い舌でそれを舐める。 毎日味が違い、今日はストロベリーだった。 非常にどうでもいい。<Yes。取引休止前隷価終値が42.1JWL/orgです。取引休止によるペナルティは隷価基準価格が20%ダウンします。33.7JWL/orgです> 取引日の隷価基準価格は調整などが快楽市場から入らない限り、前日の取引隷価終値を参照する。 もくもくと玲奈は考えていく。「取引休止のペナルティ――、隷価が下がるのはPエネルギー生産に穴を開けたという懲罰よね」 それがいいかどうかは、一旦棚上げする。 あくまで、何をすればいいのか? 下着を棚から出し、着けていく。 ブラジャーのホックを背中で留める。<Yes。これから考えるべきことは、RENA-09がどう思ったか? ではなく、快楽市場のトレーダーがどう思うか? を念頭にした方がいいです> 玖段の言葉を聞いて、玲奈は髪の毛を手で撫でた。 大事なことだ。「わたしの身体をみて、喜んでいるわけじゃない。アニムスのセックスで興奮しているわけじゃない。あくまでPエネルギー生産
last updateLast Updated : 2026-09-08
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第三十話 灼いたモノ共の宴

 第六週六日目――快楽市場閉場後。「ハァ……、ハァ……ッ」 玲奈はPエネルギー生産を終え、ベッドの上で仰向けになって息を荒らげていた。 疲れたように目の上に腕をかざす。 垂れた汗と精液で髪の毛が、乳房や頬に貼り付いていた。 少し乾燥したのかぺりぺりとした感触がある。「あうぅぅん……ッ」 太腿をこすり合わせれば、破瓜の血と精液、愛液と、潤滑ゼリーが混ざり合ったものがどろりと膣から尻へと伝った。 下腹部が、まだ足りないとばかりに疼く。 シーツの染みが広がっていく。  快楽が体の中に広がっていくように。 ――そう、そうよ。とてもいい。――快楽に堕ちるのは……気持ち、イイでしょ? そう囁きかけたのは、玲奈の中に宿るこの世界への憎悪だ。 絶対零度を思わせる冷気を纏い、心を凍てつかせる。――最低。――金のために、セックスした。 だが、反対に軽蔑した視線、悲しみをぐっとこらえた抑揚のない声。 そして、女子高生だった、玲奈の心を閉じ込めた禁断の箱がガタガタと震える。 玲奈は二つの感情の間で、バランスを取れずなすがままだ。 本能のまま快楽を求め――、自分の価値を高めた。――あはははッ! 涙が一筋頬を伝ったのは、どの感情か? 玲奈はただ、笑う。<Yes。RENA-09>「……玖段」 玲奈は玖段の言葉でハッと我に返った。 囁きと感情を形作ったモノは、既に消えていた。 ただ、あるのはセックスで消耗した少女の裸体。 首筋、乳房、腰――アニムスの手の跡、爪の跡が玲奈の白い肌に赤く筋が残っていた。 そして、口元、膣、尻、あるいは髪にべっとりと付いた精液だ。 喉は精液が絡まって、イガイガとさせる。
last updateLast Updated : 2026-09-09
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