All Chapters of 拾った恩、捨てられた十年: Chapter 21

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第21話

翌年の冬、藍里の体はすっかり回復し、検査結果も良好で、二人は心から喜んだ。成樹は、藍里がずっと見たいと言っていたオーロラを見せに連れて行ってくれた。冷たい風が藍里の頬をかすめ、彼女はマフラーを顔の半分近くまで引き上げた。ノルウェーの冬の夜は凍るような寒さだったが、オーロラを見られるならそんな寒さなど何でもなかった。「もう少し待ってて。ガイドさんの話だと、今夜は出現確率がかなり高いらしい」そばに立つ成樹が保温ポットを差し出す。冷たい空気の中、湯気が白く立ち上っていた。「温かいの、飲んで体を温めて」「オーロラが出ました!」ガイドの声に、二人は同時に空を見上げた。遠くの夜空に、淡い緑色の光の帯がゆっくりと揺らめきながら広がっていく。最初は弱々しかったその光は時間とともにどんどん鮮やかさを増し、やがて緑色の流れる川のように、形を変えながら夜空いっぱいに広がっていった。「綺麗……」藍里は思わず呟き、寒さのことなどすっかり忘れていた。成樹も彼女のそばで、この自然の奇跡に言葉を失っていた。彼はそっと藍里の横顔を見つめる。オーロラの光に照らされた彼女の瞳は、星よりも眩しく輝いていた。「藍里」成樹が不意に彼女の名を呼んだ。声がわずかに震えている。「うん?」藍里が振り返ると、成樹の表情はこれまでにないほど真剣だった。そのとき、成樹は片膝をつき、ポケットから小さな箱を取り出した。藍里の心臓が一瞬止まりそうになった。目を見開いて見守る中、成樹が箱を開けると、そこにはルビーをあしらった指輪が、オーロラの光を受けて輝いていた。成樹は深く息を吸い込むと言った。「俺と結婚してくれる?」その瞬間、頭上のオーロラはひときわ鮮やかに輝いていた。緑と紫のオーロラが天頂で踊り、まるで夜空全体が二人の誓いを祝福しているかのようだった。藍里の目に涙がにじんだ。彼女は頷いた。「うん。喜んで」翌年の春、二人は結婚式を挙げた。その後、かつて諦めた夢を取り戻すように藍里は海外に留学した。かつては成績が振るわなかった彼女だったが、その後博士号まで取得したのだ。名門大学の壇上に立ち、客席にいる成樹を見つめながら彼女は言った。「私がここまで来られたのは、ずっと支えてくれた最愛の人がいたからです。彼の支えがあったからこそ
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