当事者よりも、傍から見ている者の方が真実はよく見えるものだ。今、大知が奈月への想いを激しく否定すればするほど、それはかえって彼の心の奥深くに根付いた想いの深さを明確に物語っていた。香奈は内心かなり焦っていた。今のうちに、何としても大知の心を完全に手に入れなければならない。大知が奈月への自分の想いに気づき、二人がよりを戻す機会など、絶対に与えてはならないのだ。翌日、香奈は朝早くから階下で大知を待ち構えていた。「ねえねえ、実は今日は私の誕生日なの。誕生日のお祝いに、一緒に遊園地へ行ってくれない?」大知は素っ気ない表情で、そのまま断ろうと口を開きかけた。香奈はすかさず、わざと寂しげな声色で言った。「姉も昔、遊園地に連れてってくれるって私に約束してくれてたの。でも病気になっちゃって、結局その約束、叶わないままだったから」出かかっていた断りの言葉は続かず、大知はただ小さく頷いた。「分かった。一緒に行こう」きらびやかなメリーゴーランドの上で、香奈はくるくると回りながら大知に嬉しそうに手を振っていた。だがこのとき、大知の頭に浮かんでいたのは、なぜか奈月の無邪気な姿だった。かつて大知は、奈月と一度だけ遊園地に来たことがあった。あのときは、奈月が祖父を持ち出して大知に圧力をかけ、強引に連れ出したのだった。その間ずっと大知は仏頂面を貫いていたが、奈月は気にする様子もなく、自ら進んでメリーゴーランドに乗り込むと、大知に動画を撮ってほしいと明るくねだった。大知が冷たく断ると、奈月はわざと怒ったふりをして言った。「動画を撮ってくれないなら、おじいちゃんに、今日あなたが全然私に付き合ってくれなかったって言いつけるからね!」結局、祖父に告げ口されるのを面倒に思い、大知は彼女の動画を撮ってやったのだ。そのことをふと思い出した大知は、スマホのアルバムを開いた。案の定、その動画はまだ彼のアルバムに残っていた。指先で軽く触れると、動画が再生される。画面の中の奈月は、明るく屈託のない笑顔で彼に向かって大きく手を振っていた。「ここ、ここだよ!私、ここだよー!」たった十秒にも満たない動画を、大知は一体何度繰り返し見たか分からなかった。香奈が近づいてきて、不思議そうに画面を覗き込んだ。「大知さん、何をそんなにずっと見てるの?」大
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