会場の招待客たちは、隼人が澪の安否を案じる様子を目の当たりにして、再びざわめき始めた。周囲の視線も一斉に瑠奈へと集まる。居心地の悪さに、瑠奈の顔がみるみる赤くなった。彼女は司会者へ視線を送り、早く式を進めるよう促す。司会者は察し、恐る恐る口を開いた。「加賀様、ひとまず、式を進められては……」しかし、言い終える前に隼人が遮った。「式は延期する」低く、掠れた声だった。「……隼人、今、なんて……?」瑠奈は信じられないといった顔で壇上を駆け下り、隼人の手をつかんだ。爪が皮膚に深く食い込み、赤い筋がいくつも残る。「澪のために……私を置いていくの?」瑠奈の胸は激しく上下し、時間をかけて整えた赤い唇もかすかに震えていた。隼人は苦しげに喉仏を上下させる。「……悪い、瑠奈。でも、まず澪が無事なのか確かめないと」隼人は歯を食いしばるようにそう告げると、瑠奈の手をそっと振りほどいた。そして、背を向けた――その瞬間。再び、赤いバージンロードの向こうから人影が現れた。「隼人!」怒りに満ちた声とともに、裕子が姿を現した。彼女は隼人の前まで来ると、十数枚の写真を勢いよく投げつけた。「この女がどれほどだらしないのか分かってるの?これまで何人もの男と関係を持ってきたのよ!それでもまだ、彼女を大事にするつもり?」隼人は足元に散らばった写真を拾い上げた。そこに写っていたのは、以前、澪の名前を騙って送られてきたメールに添付されていた写真よりも、はるかに露骨なものだった。瑠奈は何人もの男と、誰が見ても誤解の余地のないほど親密な姿で写っている。隼人の瞳が鋭く細められた。次の瞬間、抑えきれない怒りに任せて、写真を瑠奈へ投げつける。「……説明してくれ」隼人は瑠奈をじっと見据えた。荒い呼吸の奥に、怒りと失望が入り混じっている。写真が顔に当たった瞬間、瑠奈の頭が一瞬、真っ白になった。我に返った彼女は慌ててしゃがみ込み、床に散らばった写真を拾い集めようとする。だが、遅かった。すでに何人かの招待客が写真を拾い上げ、次々と周囲へ回している。会場のあちこちから、驚きと戸惑いの声が漏れた。瑠奈の顔から、さっと血の気が引いた。隼人の険しい表情を見つめながら、彼女は必死に立ち上がる。「隼人、違うの!これは私じゃない!きっと、
Magbasa pa