昼。同僚たちが次々と立ち上がり、終わらなかった急ぎの仕事を列を作って私に押し付けてくる。彼らは事務的に仕事を引き継ぐと、私には目もくれず、出前のランチを受け取って談笑し始めた。一人、新人だけが申し訳なさそうに微笑みかけてきた。「これ、午後の始業までに修正して提出しなきゃいけなくて。結城ディレクター、すみませんがよろしくお願いします。先にお昼いただきますね」見慣れた光景だ。この5年間、毎日繰り返されてきた。最初は、自分の仕事は自分で片付けるようにと注意もした。だが、それを知った恋人の桐生慧(きりゅう けい)は激怒し、私、結城澪(ゆうき みお)を3時間も罵倒した。「お前のせいで会社と同僚たちが多大な損害を被ったんだ。これくらい、お前が尻拭いするのは当然だろう」私も次第に諦めるようになった。食事の時間はいつも彼らの尻拭いに追われ、食事や休憩をとる暇もない。買い置きしておいたロールパンを引き出しに詰め込み、お腹が空いたら一口食べるしかない。そんな日々が5年間続いた。その結果、私は末期の胃ガンを患い、余命宣告を受けた。胃が陣痛のように激しく痙攣する。私は以前のように彼らの厄介事にかまうのをやめ、痛みをこらえて立ち上がり、給湯室の冷蔵庫へと向かった。朝持ってきた弁当を取り出し、電子レンジで温めようと思ったのだ。だが、そこに着いた時、私の弁当箱はすでに誰かの手で外に出されていた。蓋を開けると、中のおかずは傷んで、すっぱい異臭を放っていた。私は周囲でランチをとっている同僚たちを見渡した。「私のお弁当箱を出したのは誰?」彼らは一斉に冷ややかな視線を向け、嘲笑を浮かべたが、誰一人として答えなかった。怒りを押し殺し、もう一度尋ねようとした時。慧が入ってきて、冷酷な声で言った。「俺が出した。お前のせいで会社は多大な損失を被ったんだ。どの面下げて会社の備品を使ってるんだ?今まで見落としていたが、5年間もタダで使わせてやったんだ。今日から、会社のエレベーターや冷蔵庫などの電化製品を使用する場合は、使用料を払え」またこのお決まりの文句だ。でも、私はさっきすべて聞いてしまったのだ。秘書である桜井桃香(さくらい ももか)の査定を私が400円マイナスしたことへの当てつけで、彼はわざと誤字のあ
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