All Chapters of 妻の愛人との桁外れなハネムーン: Chapter 11 - Chapter 12

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第11話

訴状が届いた日、凛花はまたしても俺に泣きついてきた。激しい雷雨の中、彼女はずぶ濡れになりながら声を枯らして泣き叫び、何度も俺に許しを乞うた。もう一度だけチャンスをくれ、二度とあんな真似はしないからと泣き喚いていた。俺はピシャリとカーテンを閉め、耳栓をして、ふかふかの広いベッドに寝転がった。胸が痛むことなど、ただの一ミリもなかった。彼女はたかが一晩、雨に打たれただけだ。だが、俺の5年間の結婚生活は、それこそ果てしなく続く冷たい土砂降りのようなものだったのだから。俺が無視を決め込めば、凛花もすごすごと引き下がるだろうと思っていた。だが驚いたことに、翌朝すっかり日が昇っても、凛花はまだ外に立ち尽くしていたのだ。雨に濡れた髪が頬にへばりつき、土気色の顔には血の気が全くない。あんなにもボロボロで無様な彼女を見るのは初めてだった。顔を合わせたくはなかったが、俺にも仕事がある。案の定、俺がエントランスを出るなり、凛花はふらつく足取りで駆け寄り、すがりつくような哀れな瞳で俺を見つめてきた。「そんな捨て犬みたいな目で見ても無駄だ。俺は君を助けたりしない」俺は冷酷に言い放った。「あなたが怒っているのは重々承知してる。この一晩でアタシもすっかり目が覚めたの。助けてほしいなんて厚かましいことは言わない。でも、もう一度だけ、最後にやり直すチャンスをくれないかしら……これ、覚えてる?」凛花はそう言って、震える手を俺の前に差し出し、そっと手のひらを開いた。そこには、小さなメレダイヤの指輪が乗っていた。俺は一瞬息を呑み、思わず遠い過去の記憶に引き戻された。最初の頃、凛花は間違いなく俺を愛していた。当時の俺たちは金がなく、二人の全財産をかき集めても十数万にしかならなかった。世間の花嫁の指輪には立派なダイヤが輝いているというのに、俺が彼女に贈れたのは、惨めなくらいちっぽけな代物だった。「結婚した時、約束したじゃない。どんな困難があっても、決して見捨てないって……あなたは、一生アタシだけを愛するって誓ってくれたわ」俺の視線が僅かに揺らいだのを見逃さず、彼女の瞳に縋るような希望の光が宿った。「アタシはあなたを裏切るようなことは一切してない。アタシと拓海の関係も、あなたが誤解しているようなものじゃないの。ただ、身寄りのない彼
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第12話

その泣き声には、後悔と絶望が入り混じっていた。だが俺には手に取るように分かる。彼女は心の底から悔い改めたから泣いているわけではない。自分がこれほどのしっぺ返しを食らうとは、夢にも思っていなかっただけなのだ。仮に時計の針を戻せたとしても、彼女はきっとまた同じ破滅の道を選ぶに違いない。凛花の裁判は予想通りあっけなく敗訴に終わり、先方から前渡金の3倍もの賠償を吹っかけられ、その額は数千万円にまで膨れ上がった。会社の運転資金はとうに底をつき、凛花は個人の全財産を投げ打ち、金目のものをすべて売り払ったが、それでもまだ数百万足りなかった。背に腹は代えられず、彼女はかつてこっそり囲っていたあの郊外のマンションを競売にかけようとした。しかし、いざ売却の手続きを進めようとした段になって初めて、不動産の登記名義が勝手に書き換えられていることに気づいたのだ。名義人の欄には、瀬戸拓海と記されていた。その顛末を聞いても、俺を含め誰も驚きはしなかった。当時の凛花は彼にすっかり骨抜きにされていたのだから、印鑑を盗み出して名義変更の手続きをするくらい、赤子の手をひねるより簡単だっただろう。「凛花さん、この家は最初から僕にくれるって約束してたじゃないですか。だから名義を変えただけですよ。何か文句でも?」凛花が血相を変えて乗り込んでいった時、拓海はソファにふんぞり返り、洗いたての高級ブドウをのんきに頬張っていた。テーブルにはみかんの皮や食べかけのデリバリー容器が散乱し、足の踏み場もない。あれほど見事に姿をくらまし、凛花が血眼になって探しても見つからなかったのは、最初からここに引きこもっていたからだ。凛花は怒りで頭の血管がブチ切れそうになった。「この家はあんたにあげたわけじゃないわよ!さっさと出て行きなさい、あんたの顔なんて二度と見たくない!」「そんなこと言われたってねぇ。登記簿にはバッチリ僕の名前が載ってるんですよ」拓海は勝ち誇ったように登記簿の写しをひらひらと見せつけた。彼はこれでもう誰にも手出しできないだろうと、完全犯罪を成し遂げたつもりでいたのだ。凛花は怒りを通り越して凄惨な笑みを浮かべ、きびすを返してそのまま警察署へ直行した。そして自分が出資したという証拠書類を叩きつけ、不動産を取り戻したばかりか、容赦なく拓海を横領でブタ
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