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第12話

作者: お金持ちさん
その泣き声には、後悔と絶望が入り混じっていた。

だが俺には手に取るように分かる。彼女は心の底から悔い改めたから泣いているわけではない。自分がこれほどのしっぺ返しを食らうとは、夢にも思っていなかっただけなのだ。

仮に時計の針を戻せたとしても、彼女はきっとまた同じ破滅の道を選ぶに違いない。

凛花の裁判は予想通りあっけなく敗訴に終わり、先方から前渡金の3倍もの賠償を吹っかけられ、その額は数千万円にまで膨れ上がった。

会社の運転資金はとうに底をつき、凛花は個人の全財産を投げ打ち、金目のものをすべて売り払ったが、それでもまだ数百万足りなかった。背に腹は代えられず、彼女はかつてこっそり囲っていたあの郊外のマンションを競売にかけようとした。

しかし、いざ売却の手続きを進めようとした段になって初めて、不動産の登記名義が勝手に書き換えられていることに気づいたのだ。

名義人の欄には、瀬戸拓海と記されていた。

その顛末を聞いても、俺を含め誰も驚きはしなかった。

当時の凛花は彼にすっかり骨抜きにされていたのだから、印鑑を盗み出して名義変更の手続きをするくらい、赤子の手をひねるより簡単だっただろ
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  • 妻の愛人との桁外れなハネムーン   第12話

    その泣き声には、後悔と絶望が入り混じっていた。だが俺には手に取るように分かる。彼女は心の底から悔い改めたから泣いているわけではない。自分がこれほどのしっぺ返しを食らうとは、夢にも思っていなかっただけなのだ。仮に時計の針を戻せたとしても、彼女はきっとまた同じ破滅の道を選ぶに違いない。凛花の裁判は予想通りあっけなく敗訴に終わり、先方から前渡金の3倍もの賠償を吹っかけられ、その額は数千万円にまで膨れ上がった。会社の運転資金はとうに底をつき、凛花は個人の全財産を投げ打ち、金目のものをすべて売り払ったが、それでもまだ数百万足りなかった。背に腹は代えられず、彼女はかつてこっそり囲っていたあの郊外のマンションを競売にかけようとした。しかし、いざ売却の手続きを進めようとした段になって初めて、不動産の登記名義が勝手に書き換えられていることに気づいたのだ。名義人の欄には、瀬戸拓海と記されていた。その顛末を聞いても、俺を含め誰も驚きはしなかった。当時の凛花は彼にすっかり骨抜きにされていたのだから、印鑑を盗み出して名義変更の手続きをするくらい、赤子の手をひねるより簡単だっただろう。「凛花さん、この家は最初から僕にくれるって約束してたじゃないですか。だから名義を変えただけですよ。何か文句でも?」凛花が血相を変えて乗り込んでいった時、拓海はソファにふんぞり返り、洗いたての高級ブドウをのんきに頬張っていた。テーブルにはみかんの皮や食べかけのデリバリー容器が散乱し、足の踏み場もない。あれほど見事に姿をくらまし、凛花が血眼になって探しても見つからなかったのは、最初からここに引きこもっていたからだ。凛花は怒りで頭の血管がブチ切れそうになった。「この家はあんたにあげたわけじゃないわよ!さっさと出て行きなさい、あんたの顔なんて二度と見たくない!」「そんなこと言われたってねぇ。登記簿にはバッチリ僕の名前が載ってるんですよ」拓海は勝ち誇ったように登記簿の写しをひらひらと見せつけた。彼はこれでもう誰にも手出しできないだろうと、完全犯罪を成し遂げたつもりでいたのだ。凛花は怒りを通り越して凄惨な笑みを浮かべ、きびすを返してそのまま警察署へ直行した。そして自分が出資したという証拠書類を叩きつけ、不動産を取り戻したばかりか、容赦なく拓海を横領でブタ

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