すべての手続きを終え、私はようやく念願をかなえ、憧れていた大学で学び始めた。卒業してから何年も経っていたが、ずっと専門分野の仕事を続けてきたため、授業にもどうにかついていけた。私にとっては、勉強のほうが瑛介を手放すより、はるかに簡単だった。これほど長く重ねた思いを、簡単に捨てられるはずがない。時間ができるたび、これまでの私たちの関係は何だったのだろうと考えた。家族としての情なのか、友情なのか、それとも愛情だったのか。考え続けた末に、ようやく答えが出た。本当に愛し合っていたのなら、こんな疑問を抱くはずがない。ある日の授業後、いつものように疲れた身体を引きずり、寮へ戻ろうとしていた。その時、スマホが鳴った。見覚えのない番号だった。誰なのかは、すでに分かっていた。それでも私は通話に出た。「奈緒、やっと見つけた」久しぶりに瑛介の声を聞き、動きを止めた。どれほどきっぱり別れたつもりでも、こうして再び向き合えば、平静ではいられなかった。「何の用?」胸の痛みを押し殺し、冷たい声で返した。「あのSNSのアカウント……見たんだろ?」瑛介は探るように尋ねた。「ええ、見たわ」否定はしなかった。「認める。俺が悪かった。本当にすまない」瑛介は言い訳をせず、真剣に謝った。「説明しないの?」思いがけない反応に、むしろ私のほうが戸惑った。「俺が悪かったのは事実だ。今さら何を言っても、言い訳にしかならない。長く一緒にいすぎて、俺は奈緒の気持ちに甘えてた。傷つけて、本当にすまなかった。彩乃を解雇した。もう二度と、あいつとは関わらない」瑛介は力なく笑い、重い息を吐いた。「遅いわ。今さらそんなことをしても、もう遅いと思わない?新しい電話番号を突き止めたなら、私が今どこで何をしているかも知っているでしょう。当分、そっちへ戻るつもりはないわ。離婚の書類も、早く弁護士へ渡して」瑛介が素直に非を認めたことには驚いた。向こうで何が起きたのかは知らないし、知りたいとも思わなかった。だが瑛介が自分の過ちを認めたのなら、よほど大きなことがあったのだろう。「俺たち……もう、本当にやり直せないのか?」しばらく黙ったあと、瑛介は震える声で尋ねた。「無理よ。あなたが最初の投稿を書いた時に、私たち
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