All Chapters of 結婚7年、夫を親友に譲りました: Chapter 11 - Chapter 12

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第11話

すべての手続きを終え、私はようやく念願をかなえ、憧れていた大学で学び始めた。卒業してから何年も経っていたが、ずっと専門分野の仕事を続けてきたため、授業にもどうにかついていけた。私にとっては、勉強のほうが瑛介を手放すより、はるかに簡単だった。これほど長く重ねた思いを、簡単に捨てられるはずがない。時間ができるたび、これまでの私たちの関係は何だったのだろうと考えた。家族としての情なのか、友情なのか、それとも愛情だったのか。考え続けた末に、ようやく答えが出た。本当に愛し合っていたのなら、こんな疑問を抱くはずがない。ある日の授業後、いつものように疲れた身体を引きずり、寮へ戻ろうとしていた。その時、スマホが鳴った。見覚えのない番号だった。誰なのかは、すでに分かっていた。それでも私は通話に出た。「奈緒、やっと見つけた」久しぶりに瑛介の声を聞き、動きを止めた。どれほどきっぱり別れたつもりでも、こうして再び向き合えば、平静ではいられなかった。「何の用?」胸の痛みを押し殺し、冷たい声で返した。「あのSNSのアカウント……見たんだろ?」瑛介は探るように尋ねた。「ええ、見たわ」否定はしなかった。「認める。俺が悪かった。本当にすまない」瑛介は言い訳をせず、真剣に謝った。「説明しないの?」思いがけない反応に、むしろ私のほうが戸惑った。「俺が悪かったのは事実だ。今さら何を言っても、言い訳にしかならない。長く一緒にいすぎて、俺は奈緒の気持ちに甘えてた。傷つけて、本当にすまなかった。彩乃を解雇した。もう二度と、あいつとは関わらない」瑛介は力なく笑い、重い息を吐いた。「遅いわ。今さらそんなことをしても、もう遅いと思わない?新しい電話番号を突き止めたなら、私が今どこで何をしているかも知っているでしょう。当分、そっちへ戻るつもりはないわ。離婚の書類も、早く弁護士へ渡して」瑛介が素直に非を認めたことには驚いた。向こうで何が起きたのかは知らないし、知りたいとも思わなかった。だが瑛介が自分の過ちを認めたのなら、よほど大きなことがあったのだろう。「俺たち……もう、本当にやり直せないのか?」しばらく黙ったあと、瑛介は震える声で尋ねた。「無理よ。あなたが最初の投稿を書いた時に、私たち
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第12話

私が退職したあと、会社には取引先が次々に押しかけ、契約解除を求めたという。瑛介はわずか数日のうちに、すべての取引を失っただけでなく、多額の違約金まで背負った。家も、車も、預貯金も。換金できるものは、すべて賠償に充てた。あれほど尊大だった瑛介は、ほんの数日で会社を破綻させ、取引先や債権者に追われる身へと転落した。自尊心の強かった瑛介は、すべてを失い、完全に追い詰められた。それまでそばにいた彩乃も、その時になって彼から離れていった。私に電話をかけてきた時、瑛介は会社が入るビルの屋上に立っていた。私の返事が、最後の一押しになったのかもしれない。友人から届いたLINEを読みながら、さまざまな思いが胸をよぎった。もし結婚式で彩乃をブライズメイドに選ばなかったら、私たちは今も一緒にいたのだろうか。その時、新しいメッセージが届いた。以前から付き合いのあった取引先からだった。【水野さん、今度ご自身のデザイン事務所を立ち上げるそうですね。これからも弊社とお取引いただけますか?】【もちろんです。詳しいお話をしましょう】返信を終えると、窓の外に広がる淡い青空を見つめ、気持ちを落ち着かせた。すべて、もう過ぎたことだった。これからの私の人生は、きっと少しずつ良くなっていく。(おわり)
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