Todos los capítulos de 十二年間、私は養女だと騙されていた: Capítulo 11 - Capítulo 12

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第11話

【本文は?】【読んでない】それ以上、美羽が尋ねることはなかった。5月のある日、食堂の営業を終えたところで、マルタに呼び止められた。「今日、詩織のことを聞きに来た人がいた」マルタは身ぶりを交えながら続けた。「同じ国から来た女の人。詩織がいつ働いているのか聞いてた」手の中の布巾を強く握った。「どんな人だった?」マルタは少し考え、自分の頭の上で手を止め、背丈を示した。「小柄で、眼鏡をかけてた。話しながら泣いてた」佳代がフィンランドまで来たのだ。3回深呼吸した。「マルタ。もしまた来たら、私はもうここで働いていないって言って」マルタは眉を寄せて私を見たものの、最後にはうなずいた。「分かった」その日は遠回りをして、いつもとは違う道から寮に戻った。公園のそばを通ると、ベンチに人が座っていた。小柄で、眼鏡をかけ、膝の上に衣類らしきものが入った袋を抱えている。佳代だった。私には気づいていない。うつむいたまま、眠っているようにも、ただぼんやりしているようにも見えた。5月のヘルシンキは夕方になるとまだ冷えるのに、佳代は薄着で、上着も肩からずり落ちかけていた。30メートルほど離れた木の陰から、10秒だけその姿を見た。それから背を向け、別の道を選んだ。……佳代はヘルシンキに5日間滞在した。毎日食堂へ来たが、そのたびにマルタが「詩織はもうここで働いていない」と説明し、帰ってもらっていた。4日目は大学の掲示板の前に午後いっぱい立ち、何かを探していたらしい。5日目に帰った。美羽からそう聞いた。【お母さん、帰ってきたよ。ひどく痩せてた。食堂の壁にお姉ちゃんの名札がまだ掛かってたから、働いてるって分かったって】【騒いだりはしなかったよ】【帰りの飛行機では、ずっと泣いてた】メッセージを読んだが、返事はしなかった。6月末、期末試験が終わった。図書館の入り口で朔也に待ち伏せされた。「成績、出たぞ。もう見た?」「見たよ」「GPAは?」「4.0」朔也は息をのみ、それから手を差し出した。「さすがだな。握手してくれ」その手を握った。大きな手のひらには、薄くたこができていた。「詩織、夏休みはどうする?帰るの?」「帰らない。こっちの夏季研究プ
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第12話

「知ったら何だっていうの。知らなかったら、それでよかったの?12年の間に、一度でも間違ってると思わなかったの?一度でも、本当のことを話そうと思わなかったの?」電話の向こうで、美羽が泣き出した。「思わなかったって。話そうとしたことはあっても、真実を言えば今のバランスが崩れると思って、やめたんだって。それを毎年先延ばしにしてきた……」「私が自分で調べるまで?」「……うん」目を閉じた。「美羽」「うん」「美羽が私の妹だってことは否定しない。でも、あの家も、あの人たちも、あの12年間も、もう遠い場所に置いてきたの。美羽を憎んでるわけじゃない。でも、戻るつもりもない」電話の向こうは長い間、静まり返っていた。やがて美羽が、かすかな声で尋ねた。「お姉ちゃん。それなら……これから、たまに会いに行ってもいい?」窓の外では、夕日が地平線の向こうへ沈んでいった。長い間考えた。「いいよ。でも、美羽だけ」電話を切り、スマホを机に置いた。画面が暗くなると、自分の顔が映った。半年前、ノートパソコンの黒い縁に映った顔とは、どこか違って見えた。何が変わったのかは分からない。ただ、あの頃ほど目が空っぽではなくなっていた。8月初め、朔也がコーヒーを二つ提げ、研究室にやって来た。「詩織、ちょっと話がある」「何?」「来学期から寮を出ることにした。大学まで自転車で15分のところ。隣の部屋もちょうど空いてて、家賃も安い」朔也はコーヒーを机に置き、一つを私の前に押した。「環境を変えたいなら、考えてみない?同じ部屋じゃなくて、隣の部屋。玄関も鍵も別々だよ」私は朔也を見た。「どうして私に?」「詩織は毎日5時間しか寝てないだろ。食堂で21時30分まで働いて、それから暗い道を40分も歩いて寮へ戻る。そんな生活、続けないほうがいい」「どうして睡眠時間まで知ってるの?」「目の下のくまがどんどん濃くなってる。それに、図書館で居眠りして、職員に3回も起こされてた。この前なんて、キーボードに顔から突っ込みかけてただろ」コーヒーをひと口飲んだ。苦かった。けれど、温かい。「考えてみる」「うん。急がなくていい」朔也は立ち去ろうとして、ふと足を止めた。「そうだ。もう一つある」「何?」「昨
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