今日は私の誕生日だった。幼稚園に通い始めたばかりの翔太が、うれしそうにプレゼントを差し出してくれた。幼稚園のお絵描きの時間に、一生懸命描いてくれた1枚の絵だった。絵には、私と翔太、それから准の3人が描かれていた。明るい日差しが降り注ぐ芝生の上で、3人は手をつなぎ、花がほころぶような笑顔を浮かべていた。「ママ、パパ今日いつ帰ってくるの?」翔太が期待に満ちた顔で私を見上げた。私は返事ができなかった。そういえば、准はもう3か月近く家に帰ってきていなかった。今日が私の誕生日だということも、きっととっくに忘れていたのだろう。「翔太、パパに会いたい?」しょんぼりした翔太を抱き上げ、そっと頭を撫でた。「会いたい!」まだ幼い翔太は、自分の気持ちを隠すことも知らず、大きな目を輝かせて私を見つめた。「じゃあ、ママが今から寝かしつけてあげるね。起きたら、パパに会えるよ!」そう言ってはみたものの、准がいつ帰ってくるのかは、私にもわからなかった。ただ、今どこにいるのかだけは、だいたい見当がついていた。「うん!」翔太はうれしそうにベッドに上がると、枕に頭をのせ、ぎゅっと目を閉じた。翔太が眠ったのを見届けてから、私は家を出た。生体肝移植のドナー手術の後遺症で、今も体は思うように動かなかった。胸の痛みをこらえ、足を引きずるようにして、准がいるはずの場所へ向かった。案の定、馴染みの店に着くと、個室の中から准の声が聞こえてきた。「明里が帰ってきた。なら、もう離婚するしかない。一度は自分の気持ちを押し殺したんだ。もうこれ以上、我慢する気はない」その声に、迷いは少しもなかった。それを聞いて、私は思わず小さく笑った。あの夜の過ちで私が准の子を身ごもらなければ、彼が私と結婚することなどなかった。私との結婚さえなければ、明里も彼のもとを去らず、何年も姿を消すことはなかっただろう。思えば、私たちの結婚は、最初から冗談みたいなものだった。結婚して3年になるというのに、私も翔太も、准と顔を合わせたのは数えるほどしかなかった。家に帰ってこないこと自体が、私に対する彼なりの意思表示だった。翔太が生まれたときでさえ、准は顔を見せなかった。准は翔太を憎んでいた。翔太さえいなければ、明里が怒って自
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