「――で、莉子。俺に話ってなに?」 バーガーショップでダブルチーズバーガーにかぶりついた瑛司くんが、ポテトをつまんでいたあたしに訊ねた。 ちなみに二人ともオーダーしたのは同じダブルチーズバーガーセットで、飲み物だけ瑛司くんはアイスコーヒー(それもブラックだ!)であたしがコーラという点だけ違っている。支払いは瑛司くんがしてくれたけれど、あたしの分は後から返すつもりでいる。「……あのさ、瑛司くん。今度、たまには二人だけでどこかに行かない? あたしたちまだ、デートらしいデートってしてないでしょ?」 自分から誘うのは本当に久しぶりだったので(瑛司くんと付き合ってからは初めてなので、竜也と付き合っていた頃以来だろうか)言い出すまでにちょっと緊張したけれど、案外言葉はスルスルと出てくれた。「二人だけでっていうと、奏ちゃん抜きでってことか? 珍しいじゃん、奏ちゃん大好きな莉子がそんなこと言い出すなんて」「えー、そうかなぁ? あたしも奏のことは大事だけど、たまには母親の立場から離れて瑛司くんと普通のカップルになりたい時もあるんだよ。それに前、瑛司くんが言ったんだよ? 『今度は二人きりでどこか行きたいな』って。それもまだ叶ってないじゃない?」「あ……、そういや俺、そんなこと言ってたな。そうだよなー、たまには二人きりでデートか。いいな、行こう」「うん、行こ行こ! 今度の土曜とかどう? 奏のことはお父さんとお母さんにお願いしとくから」「いいよ、今度の土曜な。……あのさ、それって泊まりもOK……ってわけにはいかない……よな?」「え…………。いきなり泊りがけは……ちょっと」 瑛司くんが赤面しながら言うので、あたしもたじろいでしまった。もちろん出産経験がある以上、男性経験もあるのだけれど。初デートで、しかも両親にわが子を任せてのお泊りは母親としてNGだろう。「……だよなぁ、ごめん。じゃあ、泊りはまた別の機会にってことで。土曜日は日帰りでデートしようか。莉子はどこか行きたいところある?」「う~ん……、今のところは思いつかないなぁ。でも、瑛司くんに何か買ってもらいたい。ブランド物とかそんな高い物じゃなくていいよ。 そこは瑛司くんに任せるから」「え、そんなんでいいのか? 欲しい物あるなら何でも遠慮なく言ってくれていいのに」「うん、ホントにいいの。別にお金持ちの瑛司くん
Last Updated : 2026-10-24 Read more