ベルメリオの正体を知った翌日、ルベルはメイド長に呼び出された。「ルーさん。あなたは今日から、騎士団の宿舎で働いてもらいます」「騎士団の?」 騎士団と聞いて思い出すのは、ベルメリオのこと。きっと彼が手配してくれたのだろう。「部屋も宿舎になりますので、今すぐ荷物をまとめて宿舎に移動してください」「はい、分かりました」 寄宿舎に住み込むと聞いた瞬間、心が軽くなった。寄宿舎と城は同じ敷地内にあるが、かなり距離がある。 アーロは腐っても王子。公務で忙しくて、わざわざ嫌がらせをするために、寄宿舎に来る暇などないだろう。これはアリアにも言えることで、彼女もまた、寄宿舎に来る暇はないはずだ。何より、男だらけでむさ苦しい場所など、彼女が足を踏み入れるわけがない。(よかった、距離を置けるのね……) ルベルは荷物をまとめに行くために、地下室に向かう。途中、アリアと鉢合うと、彼女はルベルを睨みつけた。「騎士様のところに行って、守ってもらえると思ったら大間違いよ。逃げられただなんて思わないことね」 言葉を返す前に、アリアは行ってしまった。 荷物をまとめて宿舎に向かう途中、今度はベルメリオと会う。「準備は出来ていたか。こっちだ、案内しよう」「はい、ありがとうございます」 ベルメリオはルベルが持っていた荷物を持つと、背を向けて歩き出した。ほどなくして、アーロが向かいから歩いてくるのが見える。ルベルは彼を見るなり息苦しくなったが、ベルメリオがさりげなく手を握ってくれて、少しだけ落ち着けた。 アーロとすれ違うと、舌打ちをされる。「逃さないからな」 すれ違いざまにそう言われた。「何か言われたか?」「え? えっと……」 こんなに厚遇してもらっているのに、これ以上負担になることは避けたくて、言い淀んでしまう。ベルメリオは目線が合うようにかがみ、仮面越しに目を合わせる。「俺に隠し事するな」「その、逃さないと言われました」「ふん、いい気味だ。お
Última actualización : 2026-09-18 Leer más