誠が言い終わるや否や、隣にいた母が激怒した。「待つってどういうこと!爆弾があなたを待ってくれるとでも思ってるの!」誠はさらに不機嫌そうに顔をしかめた。「お義母さん、沙耶はただの経営者ですが、鑑識課長であるあなたが分からないわけないでしょう?犯人が会いたいのはこの俺です。俺がそこに着く前に爆発することはありませんよ。少し遅れたところで大丈夫ですよ」周囲の警察官たちもその言葉を聞いて、説得に入ろうとした。「九条さん、爆弾が本物だと確認が取れました……」しかしその時、電話の向こうから同時に玲奈の泣き声が響いた。「誠、外に誰かいるの!また泥棒が戻ってきたのかも!」電話が切れた。警察官たちは信じられないというように顔を見合わせ、一斉にタブレットの画面に視線を戻した。犯人が送ってくるリアルタイムの映像の中で、りくはすでに泣き疲れてぐったりしていた。「ママ、パパはどうしてまだ助けに来てくれないの?」胸を鈍器で殴られたような衝撃に、私は震えながら顔を上げた。犯人が送ってきた位置情報によれば、奴がりくと共にいるのは、この廃墟と化したデパートの屋上だった。息を切らして駆けつけてきた義父母も、私たちのただならぬ表情を見て血相を変えた。「誠はまだ着いてないのか?」私がどうすべきか必死に考えていると、母が歯軋りしながら言った。「誠の奴、一体何を考えてるの!実の息子が爆死させられようとしているのに、あの玲奈とかいう女に付き添ってるのよ!」義父の顔色は土気色に変わり、自ら誠に電話をかけようとした。義母はショックで息を呑み、目を真っ赤にした。「またあの女か!あの女はろくでもないって、私ずっと言ってたのに!」その場の全員が息を呑み、義父を見つめた。しかし、電話は切られてしまった。義父が何度か悪態をついた直後、私のスマホが震えた。誠からボイスメッセージが届いたのだ。「沙耶、こっちの警察の話じゃ、すぐそこまで来てるらしい。もうすぐそっちに向かうから、何度も電話してくるな。それに、親父やお袋をそそのかして電話させるのもやめろ!」私は音声入力のボタンを押した。必死に冷静さを保とうとしたが、口を開くとやはり声がひどく震えた。「誠、りくの命はあなたにかかってるのよ。あと9分しかないの。
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