最近『呪術廻戦』のファンフィクションにはまっていて、加茂憲紀と禪院真依の関係性を掘り下げた作品をいくつか見つけた。特にAO3では『Shadows of Legacy』という作品が印象的だった。呪術師としての因縁と、家族のしがらみに縛られる二人の葛藤が繊細に描かれている。真依の冷たさと憲紀の穏やかさの対比が、静かな緊張感を生み出していて、ラストシーンの曖昧な和解が胸に刺さる。100k越えの長編だが、心理描写の密度が半端ない。
同じ作者の『Crimson Strings』もおすすめだ。短編ながら、京都校時代のすれ違いを回想形式でつむぐ構成が秀逸。呪術界の暗部を背負いながらも、わずかに光る信頼の糸が美しい。タグには『Angst with a Happy Ending』とあるが、その『Happy』の解釈が読者に委ねられているのがたまらない。