最近読んだ'月が導く
異世界道中'のネコミミキャラ、ルナの描写が強烈だった。過去に
奴隷として虐待されたトラウマを抱えながら、主人公との関係で少しずつ心を開いていく過程が丁寧に描かれている。特に、触られるのを恐れていた癖が、信頼関係を築くうちに自然と消えていくシーンは胸を打った。トラウマと回復を猫耳の動きや尻尾の振り方で表現する繊細さが秀逸だ。
同様のテーマなら'転生したらスライムだった件'のシュナも深い。魔王としての過去と、現在の穏やかな生活のコントラストが、恋愛関係に微妙な影を落とす描写が絶妙。過去の因縁と現在の優しさの狭間で揺れる心情が、アクションシーンと静かな会話の両方で表現されているのが印象的だった。