私たちを隔てるもの湊と結婚して五年目、彼は三度、雪葉を連れて海外に定住しようと提案してきた。
春日は作りたての料理を置き、彼に理由を尋ねた。
湊は正直に打ち明けた。
「もう隠したくないんだ。実は雪葉は隣の団地に住んでいる」
「彼女は九年間も俺に寄り添ってくれた。彼女には恩があるたから、今回の海外定住では彼女を連れて行くつもりだ」
春日は泣き喚くことなく、雪葉のために航空券を一枚手配した。
湊は春日がついに納得したのだと思っていた。
出発の日、春日は二人を見送った後、両親の元へ帰る飛行機に乗り込んだ。