嘘の裏に滲む痛み私は、離婚歴のある男と七年間もずるずると関係を続けている。
別れては戻ることを繰り返し、いま数えれば別れは九十四回、離婚は五度に及ぶ。
あと一度で百回目になるはずだが――もう続ける気力はない。疲れ切ってしまった。
最初の別れは、私が彼に初めて身を委ねた夜だった。行為の途中で、彼は前妻に呼び出され、パンを買いに走っていった。
五度目の別れは、妊娠したばかりの私を高速道路に置き去りにして、妊娠中情緒が不安定な前妻を宥めに行った。
その結果、私は事故に遭い、子を失った。血相を変えて駆けつけた彼は、乱れた服装のままだった。
どれほど傷つけられても、私は彼から本当に離れることができなかった。
そして最後の離婚理由も、やはり滑稽なものだ。前妻と子どもが親子参加型のバラエティ番組に出ることになり、三人家族としての世間体を取り繕うために、彼はまた私と離婚した。
収録が終わったあと、彼は復縁を持ちかけてきた。
けれど今回は首を縦に振らない。
――私にはもう、別の人と結婚する予定があるから。