七年目の裏切り――私は身代わりだった「お姉ちゃん、この前紹介してくれたあの人……やっぱり会ってみたい」
電話の向こうで、結城美沙(ゆうき みさ)は少し驚いたように声を上げた。
「どうしたの、急に?この前まで、『一生、桐谷司(きりたに つかさ)以外と結婚しない』って言ってたじゃない?」
数日前の大げさな宣言を思い出し、結城結衣(ゆうき ゆい)は胸の奥がひどく滑稽で、情けなくなる。
「夢から覚めたと思ってくれればいいよ」
「わかった。その人、ちょうど来月の初めに帰国するみたい。日にちが決まったら連絡するね」
電話を切ったあと、結衣はスマホにリマインダーを入れた。
来月初めまで、あと半月。夢から覚めたのなら、そろそろ現実に戻るときだ。