ムラサキの闇と月華迷宮時は平安、まだ人の世に妖が跋扈する時代のこと。
捨て猫だった「秋華(しゅうか)」は、貴族である「水鏡様」に拾われる。
長く生きるうち、秋華は化猫となっていた。
さて京の都には
「銀髪美少年なる藤の花のあやかし、夕月夜」が
美女をさらっていくとの噂があった。
彼は三度あらわれて、こう問いかける。
1度目は「貴方が想う、一等美しいものを教えて」
2度目は「貴方の名を教えて……」
3度目は……
3度目の問いは……誰も知らないのだという
その夕月夜に、水鏡様は心惹かれていく。
「死化粧師、唐橋 千年」との恋
安倍晴明との出逢い
平安あやかし和風幻想譚が、今はじまるのだ────────