流産したその日に、夫は隠し子をSNSに晒した流産で大量出血したあの日、夫はSNSに新生児の足の写真を上げていた。
キャプションには「天使を迎えた、パパが永遠に君を守る」と書かれていた。
私は震える手で彼に電話をかけた。
「赤ちゃんが亡くなったの、病院に来てくれない?」
電話の向こうで赤ん坊の泣き声が聞こえ、彼は苛立たしげに言った。
「なら、しっかり体を休めてくれ。仁美が産後で世話する人が必要だから、俺は離れられない。それに、もう死んだ者は、生きている者と寵愛を争うな。わかったか?」
彼は一方的に電話を切った。
病床で泣き崩れた私は、最後に涙を拭い、彼の天敵である宍戸拓朗(ししど たくろう)に電話をかけた。
「私と結婚して。嫁入り道具として若林グループを丸ごと譲渡するわ。
条件はたった一つ――塚越崇雄(つかごえ たかまさ)を倒すことよ。
どう、この話に乗る?」