潔癖な女王の断罪:ゴミを捨て、私は頂点へ実習生の女が散々おもちゃにした指輪。彼氏にそんなものでプロポーズされた瞬間、私はこの恋に終止符を打つ決心をした。でも、彼らは私の手にある「ある物」を見て、どうしてそんなに慌てているのかしら?
付き合って七年目。周藤蓮也(すとう れんや)は、激しい豪雨の中で私、江口智美(えぐち ともみ)の退勤を待っていた。
助手席のドアを開けると、そこには最悪な光景が広がっていた。座席はびしょ濡れで、長い髪の毛が一本、不自然に落ちていた。
蓮也はハンドルを握ったまま、こちらを振り返りもしない。
「さっき、企画部の実習生を家まで送ったんだ。傘を持ってなくてずぶ濡れだったからな」
私はその冷たく湿った座席に腰を下ろした。心までがじわじわと、一気に冷え込んでいく。
「蓮也、私がひどい潔癖症だって、知っているはずよね」
彼は鼻で笑った。その声には、隠しきれない疲れと苛立ちが滲んでいた。
「たかが座席一つでガタガタ言うなよ。彼女は君より若いし、一緒にいて楽しいんだ。雨に濡れた姿だって、君よりずっと綺麗だったよ。
正直、彼女とはもう一通り試してみたが、確かに君といるより楽しかった。
でも、プロポーズは予定通りする。君が知らないふりさえすれば、これからも上手くやっていけるだろう」
窓の外では激しい雨がカーテンのように視界を塞いでいたが、車内の空気はそれ以上に重く、私を窒息させた。