にくゑ母を亡くした十七歳の梓は、母の故郷、山間の小さな村に移り住む。そこは人々が笑顔を絶やさず、古い掟に守られた共同体だった。そこで出会ったのは、氷のように美しい巫女の娘・清音。
冷たい瞳の奥に揺れる優しさに触れた瞬間、梓の凍りついていた心臓は初めて震える。
友情か、恋か――それとももっと危うい感情か。二人の距離は、静かに、しかし確実に近づいていく。
だが、村には言葉にできないものが眠っていた。
「夜道は中央を歩け」「笑顔は三度」――古くからの掟が守られるのはなぜか。
やがて梓は、笑顔の奥に潜む恐怖と、愛が呪いに変わる瞬間を目撃する。
――少女たちの百合と禁忌が絡み合う、逆神話ホラー。