かつて、彼のために命をかけた恋人の薄井悠真(うすい ゆうま)が乗っていた車が爆発し、炎に包まれて命を落とす瞬間を目の当たりにした栗藤双葉(くりとう ふたば)は、彼のあとを追うようにそのまま火の中へと飛び込んだ。
彼女はそうすれば悠真のあとを追い、別の世界で早く彼に会えると思っていた。
しかし、救出された後、彼女の意識は身体よりも早く目覚めた。
なぜ自分が死ねなかったのか、なぜ悠真のそばに行けなかったのかと恨んでいるその時、耳元に悠真の声が聞こえた。
「治療はもういらない。生きてさえいれば、それでいいんだ」