LOGIN箱庭の様な世界に突如召喚されてしまったイレイラ。自分を召喚した、羊の角を持った獣人みたいな神子・カイルに「君の前世は僕の猫だったんだ」といきなり言われても意味がわからない。 『猫』発言のせいで彼は『飼い主』だったのかと思ったら、まさかの『夫』であった事が発覚。距離感ゼロで愛情を注がれ戸惑うも嬉しい乙女心と、少しずつ知っていく過去の自分。——あれ?もしかして、異世界での生活も悪くないかも。 【全48話】 【イラスト・くない瓜様】
View MoreJaxon POV
“Yes, Alpha. You have such a large cock. I love it when you feed it to me.” I hear Giselle. My fated mate. Lately, I’ve been having pains in my chest. When I went to the pack doctor, he was hesitant to tell me that it was betrayal pains. I didn’t want to believe him. I met Giselle when I was nineteen years old. She had just turned eighteen. She was the most beautiful woman I ever met. Her scent was a calming lavender and sage. Her eyes were a deep blue and her hair was a golden blonde. Like the sun shining on wheat fields. She had naturally pink lips that were lush and her body was delicate and petite. She was precious to me and now I can’t believe what I’m hearing. I treasured her and she is talking about getting fed another man’s dick. My wolf Drax has been howling in pain almost every other night. I can feel him weakening and it’s breaking my heart. I only just became Alpha of Winter Moon six months ago. I’m strong and capable, but the pack was appointed to me by the Elders after the last Alpha was found to have embezzled pack funds. “Let’s meet at our usual place tonight. I really need you to fuck me.” She giggles and my stomach is filled with nausea. “Jaxon? Don’t worry about him. He can’t make me feel the way you do. I love how you dominate me. Promise me you will fuck me like that when you make me your Luna.” She said seductively. As if my heart couldn’t break any further, not only is she insulting me, but she is talking about being this Alpha’s Luna. I suddenly can’t take any more of this betrayal. I open the door quietly. “Will you spank me again tonight, my Alpha?” She says seductively. She has no idea I’m listening to her conversation. I let the words fall out of my mouth before I could stop myself, “Why wait until tonight?” “Jaxon!” She jumps from the unexpected question. She quickly hangs up the phone. “Baby, let me explain -” I cut her off, “No need. I heard you. You want him to feed you his dick and spank you. I never thought of you nor treated you like a whore, but here we are Giselle. Why?” “WHY? WHY?!” she says loudly, “BECAUSE WE ARE BROKE JAXON! WHEN I SIGNED ON TO COME HERE WITH YOU, I DIDN’T THINK THE PACK WAS THIS BROKE! YOU HAVE ME LIVING IN POVERTY! YOU WANT ME TO BE A LUNA TO BEGGARS?!” I roared, “I DIDN’T HIDE ANYTHING ABOUT THIS PACK FROM YOU! NOR DID I TWIST YOUR ARM GISELLE. I TOLD YOU I NEEDED SOME TIME TO TURN THINGS AROUND! IT’S ONLY BEEN SIX MONTHS. WERE YOU EXPECTING A MIRACLE?!” I don’t hold back, “I LOVED YOU! I WANTED TO BUILD MY LIFE HERE WITH YOU! WE ARE FATED MATES! DOES THAT MEAN NOTHING TO YOU AT ALL?!” “THE MOON GODDESS FATED ME TO A WEAK AND BROKE ALPHA! CONGRATULATIONS ON BEING, ALPHA OF THE BEGGARS! She spat. What the hell? Was this always about money for her? Did she ever love me? How can I trust the Moon Goddess ever again? Why would she pair me with this fucking woman? “You know what,” she started, “I’ve had enough of this farce. Alpha Jasper of Bloodlust is the strongest, richest and most powerful Alpha of the Eastern Region. He wants me and fucks me way better than you ever did. He wants me as his Luna and I am leaving this hell hole today.” She stands and squares her shoulders at me. With a spiteful glare, “I, Giselle Breyer, Luna of Winter Moon, reject Jaxon Docker, Alpha of Winter Moon, as my fated mate and Alpha!” I feel the impact of her words hit me. Drax is howling in pain, again. I grab my chest and stare at her. I square my shoulders and look her dead in the eyes, “I, Jaxon Docker, Alpha of Winter Moon, accept your rejection. All ties between us are broken and you are banished from Winter Moon, effective immediately.” I see her crumble to the floor and scream out in pain. I want to feel sorry for her, but I don’t. She did this, not me. She wants power and wealth, well, that comes with blood, sweat and tears. She will need to experience pain to get there. “GUARDS!” I scream out. “Yes, Alpha.” They say as they come in and see Giselle on the floor shaking. “Grab this whore and throw her off the pack lands. She is banished from Winter Moon, effective NOW!” I bark. As they drag her away, I look at her and say one last thing, “Stay the fuck away from this pack. Never show your face here again.” I turn to the guards, “Take her.” She is crying in pain as they drag her out. Once she is out of my line of sight, I collapse on the floor. I’m in double the pain. I didn’t just accept her rejection, I banished her from the pack. Two tethers snapped. Still, I would rather feel this pain then the betrayal pains I have been feeling for the last two months. Drax has gone silent. My wolf and I have both suffered. We didn’t deserve this betrayal. We didn’t do anything to warrant her cruelty. I loved her and she betrayed me. I look out the window and to the stars, “Moon Goddess, if this is how you pair mates, then never pair me with anyone else, ever again. Let me be alone and die alone. Anything would be better than this pain.” I put my head in my hands and let the tears come. It may not be the Alpha thing to do. It may not look manly, but this pain is searing scars on my soul and on my wolf’s soul. I will never trust another woman again.『ねぇ、君は誰の奥さん?』 胸がキュッと苦しくて、短い呼吸を繰り返してしまう。『カ、カイルの……奥さんですっ』『そうだよね?——なのに君は、僕の目の前で堂々と何をしたの?』 カイルの声が明らかに怒りで満ち、嫉妬心を前面に晒す。『サビィルはあれでも、妻も子もいる一家の長だ。そんな相手とイチャイチャするって、もう完全に不倫じゃない?』 新情報に一瞬我に返り、『白梟一家とか、絶対に会いたい!』と心の中だけで叫ぶ。…… でもすぐに、私の首に彼が付けた物をくっと引っ張られた事で、私はカイルのおこなう行為へと意識を引き戻された。『ふ、不倫だなんて、そんな…… 』 白梟と戯れただけで不倫扱いとか、意味がわからない。『まだそんな事を言うの?だからこんな物を僕に着けさせられたって分かってる?』 カイルの言う“こんな物”とは、私の首に彼が着けた“首輪”の事だ。 革製かと思われるソレは、カイルが私に、怒り任せにベッドへと引き込んだ途端に魔法を使って着けられた物だった—— ◇ ◇ 私と白梟のサビィルは、初めましてな再会を本日果たした。 あの後も、暫くの間脇目も振らずにサビィルと二人で戯れあっていたら、カイルが段々と黒い目を羊の様な瞳へと変化させていった。どうやらこれは、カイルが我を忘れる程の心理状態になると起きる変化みたいだ。 そうなった彼は行動が極端になり、全てを私にぶつけてくる。だが暴力的なものでは無い。今までのものは全て性的に、なのだが……。それが救いなのか、困った事なのかは微妙な所だ。 周囲の状況も何もかも無視し、カイルはサビィルに仕事へ戻る様命じると、即座に私を二人の寝室に引き込んだ。ハクとウィルを招いての夕食予定など、もうきっと覚えていないと思う。 横抱きにされていた私の体を投げる様にベッドに下ろし、彼も上がってきた。「何をしたのか、わかってる?——ねぇ」 カイルにキッと睨まれ、私は慌てた。怒らせる程の事では無いと思っていた。不機嫌そうな顔には気が付いていたが、『不貞腐れているな』程度にしか考えていなかったのだ。 困惑し、ベッドの上で上半身を起こしてカイルを見上げる。するとカイルは私の首を、片手で締めるみたいな仕草をしてきゅっと包んだ。「イレイラ、いいかい?君は僕の妻だ。サビィルの妻じゃ無い。君はそれがわかっていない。わか
到着の知らせを受けて、セナさんの案内で応接室へと移動する。 このまま式の日まで神子の二人は宿泊するらしく、夕食の席にも招待するそうだ。神子達は基本的に食事は必要ないので、私に付き合ってもらう感じだろうか。それなら申し訳ないなと思う。 セナさんの開けてくれた扉からカイルと私の二人で室内に入り、一礼する。きちんと自己紹介の挨拶をしようとしたら「——堅苦しい挨拶はいらない」と先に遮られた。この声はきっとウィルさんだと思う。「お久しぶりですね、随分と大きくなって」 オオカミのような耳をピンッと立て、灰色の髪の男性が穏やかな笑顔で挨拶をしてくれた。ストレートの髪が腰までと長く、緩く後ろで束ねている。カイルと同じような司祭服に身を包み、親戚の子供でも見るような眼差しを私へ向ける。多分、この方がハクさんだろう。「『大きく』どころの話じゃないだろ。前と全然違うじゃねぇか。——でもまぁ、黒い瞳と小柄な可愛らしさは変わんねぇな」 ハクの言葉を否定しつつも、ウィルさんがちょっと褒めてくれた。 彼の頭から、ライオンのような丸みのある耳が、たてがみを連想させる金色の髪からのぞいていてちょっと可愛いなと思う。その愛らしい耳に似合わぬ巨体を前にかがめ、ウィルさんが私の頭を無造作に撫でてきた。筋肉の凄さが司祭服を着ていようが溢れ出していて、純粋にすごいなと感じる。でも威圧感がないのは、人懐っこい笑顔を向けてくれているおかげだろう。 ハクさんとウィルさんの二人を交互に盗み見る。この二人が婚姻関係にあると以前カイルからチラッと聞いていたので不思議な気分だ。(どっちが……どっちなんだろうか) 読書好きの延長でBLも嗜んでいたので正直気になる。個人的にはハクさん攻めを推したい!ガタイがいいウィルさんが、細マッチョ系のハクさんに押し倒されるのは、なかなかに——「ウィル、僕のイレイラに触るな」 カイルが唸るような低い声をあげ、私は腐海から引き戻された。危なかった、色々と脳内が暴走する寸前だったぞ。 腐海真っしぐらでウキウキしだしそうだった私とは違い、背後に立つカイルが、私とウィルさんに対して嫉妬心丸出しなのが振り返らなくてもわかった。(心配せずとも、彼はハクさんのモノでしょうに……)「おぉ!久しぶりだな、イレイラ。随分大きくなって驚いたぞ。まるで人間みたいだが、何かあったのか
カイルと想いを通じ合わせてから、少しの時が流れた。 数々の来訪者達との面会や、快気祝いをネタにした過剰なまでのお祭り騒ぎもようやく落ち着き、神殿の人達は皆、私とカイルの結婚式の準備に日々邁進している。 神殿内での婚姻の儀式に始まり、街中を馬車で巡るパレード。王宮のホールを借りての披露宴を兼ねた夜会などもあると言われた時は目眩がした。(前世は猫な上、今はただの学生だった自分が、何故そこまでさせられるの⁈) ——としか、どうしても思えないのだ。 それらの準備は全て王宮の偉い人や神官などがやるそうなので、私達はお飾りとしてそこに居ればいいだけっぽい。 ホント、『ただ色々な事を理由にしてイベントを開催したいだけなんだな、この世界の人達は』と深く思った。 ◇ ◇ もうあと三日程度で、いよいよ結婚式を執り行うかという時期まできたある日の事。 参列者として早めにやって来た訪問者に、これから会う予定になった。 相手は前回の、騙されたに近いと今の私は思っている“魂の婚姻”の儀式時にも参列していた、神子のウィルとハクの二人だ。 伝達係としてこの神殿で働いているサビィルという者も一緒だと、セナが言っていた。 サビィルは仕事で各地を飛び回り、そのせいでタイミングが合わず、今まで私と会えずにいたので、『いい加減に会わせろ』と騒がれ、急遽参加することになったらしい。 ほぼ知らない二人と、全然知らない一人に会わねばならず、人見知りが発動してとても緊張してしまう。 カイルも一緒だとは聞いているが、一体何を話せばいいのやら。 『快気祝いで来た』みたいな理由なら、それに合った話をして誤魔化せる。でもただ『会おう』とだけ言われるのは、正直ちょっと困った。「タイミング的に、『結婚式おめでとう』『ありがとう』みたいな感じでいいんですか?」 ここ最近着ている事の増えた司祭服を、ダルそうな顔で着こなしているカイルに訊く。「それでいいと思うよ。いっそ、彼等が好き勝手に話すのをただジッと耐えて、聞いているだけでも話は進むから、放置していてもいいんじゃないかな。んで、コッソリ二人で退出して、べッ——」「それは失礼ですよ」と、私はカイルの言葉をぶった切った。 絶対にまた、『ベッドに戻って続きをしよう』と言う気だとわかったからだ。 今日だって起きてすぐに散々抱かれ
嵐が去った後の様子を伺うような気分でイレイラは玄関ホールの扉を見つめている。あの兄妹とはもう二度と関わりたくないと思いながら。『面倒くさい。言葉が通じない』とカイルが渋っていた理由が、心底理解出来た。「さぁ、部屋に戻ろうか」 カイルはイレイラの後ろから抱きつき、長い黒髪をそっと手でよけ、首元に軽くキスをした。ツッと同じ場所を舐め上げ、耳を軽く指先で撫でる。「ねぇ……?」 熱い吐息の混じる声で囁き、イレイラの心を誘惑する。ゾクッと体の奥が歓喜で震えるのを彼女は感じたが、必死に淫靡な誘惑を追い払った。「ダメですよ!これからギッシリ予定が入っていると、セナさんが言っていましたからね。——ささ、早く戻って、次の予定をこなしましょう?」「一時間だけでも……ダメ?」「ダメです!」 イレイラは即座に断った。それで済む筈がないと安易に想像出来たからだ。「んー……じゃあせめて、これだけは許してくれる?」 そう言い、カイルはイレイラをひょいっと横抱きにして持ち上げた。妻に触れられる喜びを伝える様に、微笑みを浮かべた顔をイレイラに向ける。「こうすれば、イレイラに触れていられるよね」 このままベッドに運び兼ねない熱い眼差しで囁かれ、イレイラは少し不安になった。が、体格差がすごい彼を相手にしては抵抗など無意味だと知っていたので、ヒヤヒヤしながらも胸の中に収まったままでいる事を選択せざるを得ない。「ドレス姿では運び難いですよね?歩けますから、おろ—— 」 チュッと唇にキスをし、カイルがイレイラの言葉を奪う。「いつもよりは運び難いけど、ドレスって脱がす楽しみは大きいよね。時間をかけて……ゆっくりと……ね?」 爽やかな笑顔と言葉が全然一致していない。(あかん。これ、暴走寸前なんじゃ?) イレイラはそう思い、慌てて話を逸らす事にした。カイルをすぐにでも性欲から引き離さないと、セナ達に迷惑を掛けてしまうからだ。「——そうだ!えっと、あの、召喚魔法って結構簡単に出来るんですね!『あ、何だ、こんな簡単に元の世界に戻れるのか』って思いました」「さっきのあれは移送魔法だよ。それに全然簡単じゃない。君の事は帰さないんだから、そんなの気にする必要なんてないよね?」 カイルの発した言葉の語尾が怒気を孕んでいる。(……そうだ、彼は一度も『帰れない』とは言っていなかった)
セナさんに話を聞いてもらったおかげで随分と気持ちの落ち着いた私は、周囲を見る余裕が出てきたので、当初の予定通りに景色を楽しむ事にした。 青い空の下。広い庭園が美しい姿を広げている。それらは全て丁寧に手入れされていて、花々はとても瑞々しい。定番の薔薇だけでなく、百合や鈴蘭など、見知った姿の花がかなり多い事に少し嬉しい。どれも、私の好きな花ばかりだ。 温室や植木で作られた迷路っぽい雰囲気の場所も少し離れた場所に見え、興味を引く。今度案内してもらおうかな?——と、私が考えていた時だ。「……——イレイラァ!」 遠くから声が聞こえ、私は即座に立ち上がり、声のする方に顔を向けた。予想通りの姿に
風呂場でお湯をたっぷり吸って重くなった服を脱ぎ捨て、互いの体にバスタオルを巻いて寝室まで彼女を運んだ。脱いだり拭いたりの作業を『自分で出来る』と、悲鳴をあげて彼女が拒否しようとするのを無視してお世話させてもらった。(これで、イレイラが夫婦の営みに対し持ちそうな不安要素は無いはずだ!) 横抱きしているイレイラの体を、そっと夫婦のベッドにおろす。長い黒髪が白いシーツの上で散る様子は二度目でもうっとりしてしまう。本当にとても綺麗だ。この姿を永遠に見つめていたのに、一握りで散らしてしまいたい衝動にも駆られ、相反する想いに心臓が鼓動を早める。 イレイラが窓の外を見て不安げな顔をしたので、天蓋を
あれから僕達は神殿に戻り、明日からの一週間で休暇をもらえるという吉報をセナから聞いた。神殿内にしかまだ僕の回復の件は通達されていなかったのを良い事に、セナが予定を調整してくれたのだ。 各神殿の最高司祭という立場にあり、尚且つ、神の子として祀られる存在でもある神子は、定期的な神事以外の仕事は本来多くはない。人間の司祭や神官達が宗教的な面のほとんどをやってくれるから、『まだ休養中だ』と言えば、割と簡単に時間は作れる場合もある。 一週間後には『快気祝いだ!』と無駄に騒がれる事を思うと今から面倒で仕方がないが、その始まりが少し先になった事には素直に感謝した。今はものすごく、イレイラを抱き締めた
「ふぅ……」 温かなお湯に入ると、ジワァと熱が染みて体が冷えていた事に初めて気が付いた。ずっと横になっていたせいか少し体が固い気もする。手でゆっくりマッサージをしながらそれらをほぐし、一息つく。 ——すると考えるのは、やはりイレイラの事だ。「……イレイラは大丈夫かな、悪い事したかな……」 神殿内を案内した時。 何かに刺激されて、イレイラが前世の記憶を取り戻しはしないだろうかという期待を少ししていた。記憶があろうがなかろうが、もう既に今の彼女をも愛している事に変わりはないのだが、もし過去世を思い出してくれるなら、嬉しいというのが本音だった。 初めて逢った時から、一緒に過ごした九年と